#レシピ

本格四川料理をおうちで作ろう

四川省出身シェフのこだわりレシピ

「味在四川(味は四川にあり)」と言われるほど、食文化が発達した中国四川省。
多彩な野菜が採れる土地柄で、食材に合わせたさまざまな調理法が考案されたのだとか。
唐辛子や山椒など香辛料を巧みに用いた麻婆豆腐は、その代表選手。実は日本人が親しんでいる麻婆豆腐は本場の味とは全然違うんです。複雑に絡み合ういくつもの辛さ、これは中国独特の調味料を緻密に組み合わせてこそ引き出せる奥深い味わい。



そんな本格的な四川料理をお家で…ということで、
レストラン「四川豆花飯荘」の人気シェフ曽さんに、麻婆豆腐などの四川料理4品のレシピを教えていただきました。本場の味をお家で再現できるテクニックが盛りだくさんですよ。
2016年8月号の記事となります。



Recipe1:麻婆豆腐

Bean curd in Spicy Minced Meat Sauce
マーボー豆腐




一度食べたら忘れられない衝撃!
精妙巧緻な辛さがやみつきに

四川省は盆地のため、日照時間が短く、汗をかきにくい土地。そこで人々は発汗作用のあるカプサイシンを多く含む唐辛子を食べ、健康維持に役立てるとか。唐辛子のストレートな辛さ、山椒のしびれるような辛さ、豆チの塩辛さなどを混ぜ合わせ、豆腐と絡ませれば、最強のご飯のお供に。


【材料】2~3人前

・豆腐 … 300g
・豚挽肉 … 50g
・葉ニンニク … 20g
・生姜 … 小さじ1

【調味料】

・鶏ガラスープ(素を使用可) … 120g
・豆板醤 … 大さじ2
・唐辛子の粉 … 小さじ1
・山椒粉 … 少々
・豆チ(トウチ) … 小さじ1
・醤油 … 小さじ1
・塩 … 少々
・胡椒 … 少々
・片栗粉 … 小さじ2



★豆チ(写真右上)
黒大豆を発酵させた食材で、塩辛く風味があり、アミノ酸などの旨み成分を多く含む。

★山椒(写真右下)
できれば粒の山椒を買い、すり潰すと香りがよい


【作り方】

① 豆チを炒めておく。
② 豚挽肉をフライパンで炒って水分を飛ばしカリカリに、香りが出るまで炒める。
③ 豆腐を1.5cm角に切る。(柔らかめの豆腐を使用)
葉ニンニクを1.5cmに切る。生姜をみじん切りにする。
④ 豆腐を塩分の入ったお湯で3分程煮込み、少し柔らかくする。

⑤ フライパンに油と豆板醤を入れて炒め、生姜、醤油、唐辛子の粉を加えてさらに炒める。
⑥ 鶏ガラスープと豆チを入れ、豆腐と豚挽肉を加えて少し煮込む。
⑦ 味が均等にしみ込んだら葉ニンニクを入れ、塩胡椒で味を調え、水溶き片栗粉で仕上げる。
⑧ 皿に盛り付けてから山椒をパラパラ振りかける。


ワンポイント
豆腐を薄い塩水で茹で、にがりを抜くと雑味がなくなる。また、豆腐の温度を上げておくと美味しく仕上がる。






Recipe2:魚香蝦球

Stir-fried Prawn with Garlic and Chili
海老のニンニク辛味炒め




海老プリップリのおもてなし料理
酸味のある甘辛味「魚香」が食欲促進

「魚香(ユーシャン)」とは、ニンニクやネギなどの薬味に、豆板醤、酢、砂糖などを合わせた四川省の調味法。魚香+食材で、いろいろな料理に応用できる。食べ応えのある大ぶりな海老を用いれば、誰もが喜ぶおもてなし料理のできあがり。


【材料】3~4人前

・海老 … 10~12匹
・ブロッコリー … 150g
・ニンニク … 大さじ1+小さじ1
・小口ネギ … 小さじ2
・生姜 … 小さじ2
・卵白 … 1個分

【調味料】

・鶏ガラスープ(素を使用可) … 100g
・豆板醤 … 大さじ1
・砂糖 … 大さじ1
・黒酢 … 小さじ2
・紹興酒 … 小さじ2
・塩 … 少々
・片栗粉 … 適量




【作り方】

① ブロッコリーを茹でる。
② 海老の殻をむき、背わたを取る。(海老はできるだけ大きめを用意)
ニンニク、小口ネギ、生姜をみじん切りにする。



③ 卵白と片栗粉を混ぜ、海老に絡ませる。
④ 鍋に多めの油を入れ150度に熱し、海老を軽く揚げ、火が通ったら皿に取り置く。
⑤ 鍋の油を少しだけ残して捨てる。鍋に豆板醤、ニンニク、小口ネギ、生姜を入れて香りが出るまで炒める。
⑥ 鶏ガラスープと砂糖、紹興酒、塩を加えて沸かし、海老を戻し入れ軽く煮る。
⑦ 水溶き片栗粉でとろみをつけ、最後に黒酢を入れて仕上げる。
⑧ 皿にブロッコリーを飾り、海老を盛り付ける。


ワンポイント
卵白と片栗粉を海老にまぶして、軽く揚げることでふっくらプリプリの食感に仕上がる。






Recipe3:千煽四季豆

Stir-fried French Bean with Minced Meat
挽肉入りインゲンの炒め物




ポリポリ食感がやめられない、止まらない
インゲン豆の風味が後引くサイドメニュー

【材料】2~3人前

・インゲン豆 … 200g
・豚挽肉 … 50g
・小口ネギ … 小さじ2
・四川ヤーツァイ … 小さじ2
※隠し味に使う漬物「四川ヤーツァイ」。シンガポールのスーパーやウェットマーケットでも手に入る。

【調味料】

・紹興酒 … 小さじ1
・ごま油 … 小さじ1
・塩 … 少々
・チキンパウダー(鶏ガラスープの素) … 少々

【作り方】

① インゲン豆のヘタを切り落とし、2cmの長さに切る。小口ネギを細かく切る。四川ヤーツァイをみじん切りにする。



② 鍋に多めの油を入れて熱し、インゲン豆を軽く素揚げして、皿に取っておく。
③ 鍋の油を少しだけ残して捨て、豚挽肉、四川ヤーツァイ、紹興酒、チキンパウダーを入れて弱火で炒める。
④ インゲン豆を戻し入れ、強火で炒め合わせる。
⑤ 塩で味を調え、ごま油を加え、最後に小口ネギを入れて仕上げる。


ワンポイント
インゲン豆は食感を残すことがコツ。揚げ過ぎ、炒め過ぎに注意。






Recipe4:魚香茄子

Braised Eggplant with Garlic and Chili
茄子のニンニク辛味炒め




ご飯がススム!ビールが美味い!
ふんわり茄子に甘辛タレがベストマッチ

【材料】2~3人前

・茄子 … 250g
・豚挽肉 … 30g
・ニンニク … 小さじ2
・小口ネギ … 小さじ2
・生姜 … 小さじ2

【調味料】

・鶏ガラスープ(素を使用可) … 100g
・豆板醤 … 大さじ1+小さじ1
・砂糖 … 小さじ2
・黒酢 … 小さじ1.5
・紹興酒 … 小さじ1
・塩 … 少々
・片栗粉 … 適量

【作り方】

① 豚挽肉をフライパンで炒って水分を飛ばし、香りが出るまで炒める。 ② 茄子は皮をむいて、1.5cmの縦切りにする。(茄子の皮はむいておくのが四川流)

③ 中華鍋に油を多めに入れ、約180度で20~30秒ほど茄子を油通し、ザルに上げておく。
④ 中華鍋に油を適量入れ、中火で豆板醤を炒め、ニンニク、小口ネギ、生姜を加えてさらに炒める。
⑤ 紹興酒、鶏ガラスープを入れ、砂糖と塩で味を調える。
⑥ 茄子と豚挽肉を加え、軽く煮込む。
⑦ 水溶き片栗粉でとろみをつけ、仕上げに黒酢をかける。


ワンポイント
茄子は火を入れすぎると食感が損なわれるので注意。油通しして芯まで火を通しておくことが美味しさの秘訣。



インタビュー こちらもおすすめ