自宅待機を楽しく!
<幼児対象>
子どもが「お仕事」に熱中できる環境づくり
自宅待機が続く中、おうちでお子さんと楽しく過ごすための秘訣を、教育のエキスパートであるArts Junior Montessori Preschoolの三杉ももよ先生に伺いました。
子どもは「遊び」を通して学び、「経験」から「発見」して成長していきます。これをモンテッソーリメソッドでは「お仕事」と呼びます。
集中してお仕事をするためには「環境を整えること」がとても大切。
自宅待機の今、
いつもママがいる台所やリビングの一角に、子ども用テーブルなどを置いて、子どもの生活環境を整えてみませんか。
「テーブルの上には何を置きたい?」
こう問いかけてあげてください。
ハサミ、テープ、色鉛筆……置く場所をきちんと決めて一緒に揃えてみましょう。
「ママもお仕事、あなたもお仕事がんばってね」
このスタンスが大事です。
子どもが作業に熱中してきたら、手を出さないこと。いつもママが介入してしまうと依存型の子どもになってしまいます。一人でやることで、子どもは成長していくのです。タイムテーブルを作ってしまうと、子どもの集中を妨げてしまうことも。
毎日やることの「順番」だけを決めて、繰り返しを大切にしましょう。
子どものお仕事「工作編」
インターネットなどのアイデア集を参考にしてみるとよいです。
ここでポイントなのは、
①ゴージャスな見栄えにこだわらず、単純作業で子ども一人でもできる
②工夫次第で子どもが色んなバージョンを生み出せる
③家にあるものや廃材で作れる
一人でやらせることが大事ではありますが、
新しい遊びの導入はママが子どものやる気を引き出してあげてくださいね。1回目はママが見本を見せて、2回目からは子ども一人で。そして子どもが乗ってきたらタイミングを見て、楽しくなるような声掛けを。
年長さんくらいになったら、段ボールをちぎったり、折り紙を丸めたりして、岩山がゴロゴロとした恐竜世界を創り出すのも面白いですよ。そこに持っている恐竜フィギュアを登場させれば、ただフィギュアで遊ぶ何倍もの時間を楽しむことができるはず。段ボールを手でちぎる作業ひとつとっても、子どもは紙の特性を考え、力を入れる方向など工夫をするものです。
ママは作品にこだわりがちですが、子どもはプロセスにこだわります。どんどん作って、どんどん捨てる。毎日、新しい遊びを導入するのではなく、バージョン違いで繰り返し楽しめる遊びを探してみてくださいね。
子どものお仕事「お掃除編」
モンテッソーリ教育は、子どもが主体。お手伝いをするのは子どもではなく、大人の役目です。大人がやってほしいお手伝い(例えば、お片付けなど)を押し付けても、達成感を味わうことはできません。
子どもが好きなお掃除、それは「磨く」こと! 子どもはとにかく磨く作業が大好きです。
●家中のドアノブやトッテをピカピカにする
●お風呂のタイルを磨く
●キッチンのシンクを磨く
磨くと光るものが子どものやる気に火を付けます。
しかし、ただお掃除させるだけではいけません。「このお掃除には重曹スプレーを使うよ、何故かと言うと……」など、
生活の中で必要となる知識もしっかり伝えましょう。
子どものお仕事「クッキング編」
お料理を一から十まで一緒に作ろうとすると、あれもこれもやりたい!でもうまくできない……とママも子どももイライラ。子どもが楽しめるクッキングアイデアをお伝えします。
●型抜き
ニンジンやキュウリなど、野菜をクッキーの型で抜いてみましょう。これなら包丁がまだ使えないお子さんも楽しめます。自分で型抜きした野菜が料理の中に入っていると、キラッと光って嬉しいもの。型を抜いて余った野菜は刻んでサラダやスープに入れて。
●くるくる巻き
子どもはくるくる巻くのが大好き。ソーセージをレタスで巻いたり、細切ニンジンを白菜で巻いたりしてスープに。切って違う色が出てくる瞬間も子どもは喜びますよ。
●ポタージュスープ
野菜を茹で、ブレンダーと牛乳を用意。ここからは子どもの出番です。ブレンダーに食材を入れてスイッチオン。子どもはどんな野菜がスープになるのか見て、触って楽しみます。ブレンダーが終わったら、コンソメなどを入れて煮込めばポタージュスープのできあがり。野菜嫌いの克服にもつながりなります。
●米粉のお餅
粘土遊びのように楽しく作って、美味しく食べられる最高のデザート。米粉(英:Glutinous rice flour/中:糯米粉)はローカルスーパーで安価に手に入ります。
ビニール袋に米粉とお水を入れてちょうどよい固さに混ぜます。そこにすりおろしたニンジンや抹茶の粉などを入れれば、カラフルな粘土ができますよ。くるくる丸めてお湯で茹でればお餅の完成。餡子やフルーツを中に入れても◎。ポン酢タレも意外と好相性。いろんな色、いろんな味を試して楽しんでくださいね。
どの「お仕事」も自分でできた!という達成感が大切です。子どもが熱中している間を利用して、ママも自分の時間を確保。ママがイライラしてしまうことはさせないことがポイントです。おうち時間が長いこのとき、子どもが自分のことは自分でできる生活環境を整え、上手に乗り切ってくださいね。
Special interview
Arts Junior Montessori Preschool園長
三杉ももよ先生
AMIモンテッソーリ乳幼児国際コース卒。Xaver University モンテッソーリ初等教育専攻卒。日米星で本物の教育を追求し続け30年。3言語教育実施。1児の母。
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