自宅待機を楽しく!
<幼児~小学生>
#STAYHOMEで膨らむ子どものストレスと向き合う方法
サーキットブレーカーという特殊な状況下で、最初はモヤモヤしていたものが次第に風船のように大きくなって、小さなことで破裂! 大人がストレスを感じるように、子どもも不安や戸惑いを感じています。それぞれどんなストレスを抱え、どう向き合ったらよいか。たくさんの事例を挙げながら臨床心理士の坂牧さんが教えてくださいました。
ステイホームが続くなか、みなさんはどんなストレスを感じているでしょうか?
1か月以上が過ぎ、“ずっと家にいる、常に家族と一緒に過ごす”ということに慣れて、程よくのんびりと過ごしている方もいるでしょうし、学校に行けない・会社に行けない・友人と遊べない・外食できないということに不満を感じている方もいるでしょう。
不自由さのあるこの状況でストレスを感じるのは当たり前のこと
何に対してどのくらいストレスを感じるのかということも、人によって全く違って良いのだと思います。ただ、
何かモヤモヤしたものをずっと一人で抱えていると、心のエネルギーをどんどん費やしていき、初めは小さかったストレスのモヤモヤが次第に風船のように大きくなっていきます。そして、何かの刺激で(例えば、夫からの「またこの料理?」のひと言、子どもの「やだー」のひと言)で破裂してしまうこともあります。
モヤモヤの風船が破裂する前に、自分の心の中を覗いてみよう
自分がどんなことにイライラを感じるのか、どんなことを辛く感じるのか、どんなことにモヤモヤするのか、考えてみましょう。そうすると、ストレスを溜め込むのではなくて、軽減できる方法が浮かんでくるかもしれません。
例えば……
●リビングで子どもを見ているとイライラする
↓
●自分ひとりの時間が欲しいからイライラするのだと気づく
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●毎日1時間、子どもはテレビ、自分は読書の時間と決めて、別の部屋にこもってみる
例えば……
●子どもに勉強を教えているとイライラする
↓
●自分は教えることのプロではないのだからうまく教えられなくても仕方がないと思う
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勉強アプリや学習サイトを利用してみる
例えば……
●ニュースを見ていると不安になることばかり考えてしまう
↓
●ニュース映像やコメンテイターの話を敏感に感じ取りやすいタイプなんだと気づく
↓
●ニュースを見るのをやめる
子どもたちの変化に気づいて
子どもも大人と同じで、いつもできていたことが変わってしまい、戸惑いや不安を感じているかもしれません。また、今の生活には慣れたものの、友達とふざけあう、おしゃべりする、走り回るなど身体を動かすことがほとんどできずにエネルギーを発散できなくて、ちょっとした刺激で爆発してしまうこともあります。
ストレスで子どもは、こんな状況になってしまうことも
・今までできていたことができなくなる
・怒りっぽくなる
・突然、暴言を吐く
・妹弟へ攻撃的な言動をする
・一人でいることへの不安が高まる
・大人にベタベタと甘えるようになる
・「私はどうして生まれてきたの?」「僕が生まれてきてよかった?」などと自分の存在や出生の意味などを尋ねる
子どもがそのような言動をとるようになったとき、“何か悪いことが起きている”と大騒ぎせずに、子ども一人ひとりが何に対してどのように感じているのか、寄り添って一緒に想像してみませんか?そうすると、子どもに対しても、どのように接したらいいのかヒントが見えてくるかもしれません。
例えば……
●指しゃぶりをするようになった
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●退屈な時間が多くて口さみしくなっているのかな?一人の時間が多くて寂しいのかな?
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●粘土や工作など手を動かして遊ぶ時間を作ってみる、オンラインのツールを使いお友達の顔を見れたり、お話できる時間を作ってみる
例えば……
●「ママ、着替えさせて」「ママ、片づけて」と何でも頼む
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●やってくれる人がそばにいるからつい甘えちゃうのかな?自分がやらなくてもやってくれるから、つい怠けちゃうのかな?
↓
●余裕のある時であれば、「パンツを履くお手伝いはするから、シャツとズボンは〇〇くんが着てね」「ブロックの片づけはパパが手伝うから、人形は〇〇ちゃんがしまうんだぞ」と一部分だけ手伝う
例えば……
●夜一人で寝ることを嫌がるようになった
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●先の見えない状況を子どもながらに不安に感じているのかな?寂しくなっているのかな?
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●寝る前に、足の裏マッサージや手のひらマッサージをしてあげる。赤ちゃんの寝かしつけのように胸をゆっくりやさしくトントンしてあげる
例えば……
●妹弟への攻撃が強くなった
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●学習課題が多く、毎日終わらずに焦っているのかな?宿題のない妹弟へのうらやましさがあるのかな?
↓
●「一人で課題をやり続けるのって集中力を使って疲れるよね。よくやっているよね」などと、本人が今やれていることをとにかく労ってみる。
「ストレスを感じているから大変!」と大騒ぎしないで、“ストレス”という得体のしれないものを怖がらずに、落ち着いて過ごしていきましょう。
ストレスを感じるのが悪いわけではないですし、イライラ・モヤモヤすることが悪いわけではないということも忘れないでほしいです。ここからまた成長できることもありますし、これまで気づかなかった自分の気持ちや子どもの感じ方が見えてくることもあります。
Special interview
シンガポール日本人会クリニック 臨床心理士・公認心理師(日本)
坂牧円春さん
日本人会クリニックにて実施中の「子育てクラス」が大好評。シンガポール日本人小学校チャンギ校スクールカウンセラーとしても活動。
※CB中、「子育てクラス」はお休みです。クリニックでのカウンセリングは行っています