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お父さん&お母さんに伝えたい 「免疫」のおはなし

ヘルスウェイジャパニーズメディカル石井助産師から
お父さん&お母さんに伝えたい「免疫」のおはなし

赤ちゃんとママの免疫力にとって、
重要なのは栄養・睡眠・適度な運動

免疫力を高めるために大切なのは、「免疫システム」がうまく働いてくれる体作り。
基本的なことですが、栄養、睡眠、適度な運動が最も重要です。妊婦さんや産後のママは、ホルモンバランスの乱れで不安が強くなりますが、疲労やストレスをためないことも免疫力を高めるポイント。胎盤や母乳を通して赤ちゃんにたっぷりの免疫を届けられるよう、十分な栄養と休息で免疫力を高めておきましょう。


①栄養

炭水化物、野菜、たんぱく質をバランス良く。たんぱく質は、豆腐やきな粉、納豆やヨーグルトなどにも豊富に含まれています。離乳食をあまり食べない場合も、母乳やミルクで栄養が摂れていれば大丈夫。腸内細菌も免疫に大きく関わっていますので、便の状態や便秘も気にかけてあげてください。

②睡眠

1歳未満の赤ちゃんは1日にトータルで11〜13時間の睡眠、1歳以上のお子さんは遅くても21時には寝る環境とリズムが大切。夜遅く寝るリズムになってしまったら、暗いお部屋で横になってゴロゴロしながら休ませてあげましょう。

③適度な運動

自宅で音楽に合わせて歌ったり踊ったりすることも運動のひとつ。洗濯物を畳んだりお掃除をしたり、ママのお手伝いでも体を動かせますね。赤ちゃんは、手足を動かす遊びやハイハイ競争、手遊び歌でも十分な運動です。





そもそも免疫システムとは?

免疫システムとは、体内の免疫細胞が外部からの異物=抗原の侵入を防いだり、体内で発生した有害物質を攻撃・排除したりする自己防衛機能で、生まれながら持っている「自然免疫」と、抗原と戦って得る「獲得免疫」、二つの仕組みから成り立っています。



体内に侵入した抗原に対して、まず自然免疫が攻撃を仕掛け、それでも撃退できない場合は獲得免疫が出動する“2段構え” の免疫システム。それぞれの免疫細胞が体中を巡る血液とリンパ液に乗って抗原を探しながら、密接な連携プレーで体を守ってくれています。。





お母さんから赤ちゃんへ最初のプレゼント
「免疫グロブリン」(IgG・IgA)

血液や体液中に存在し、抗体として機能するタンパク質「免疫グロブリン」は、抗原が体内に侵入した時に反応し体から追い出すためにできる対抗物質。赤ちゃんは、胎盤や母乳を通してお母さんからもらう「免疫グロブリンIgG・IgA」のお陰で、感染症にかからないようになっているのです。

● 経胎盤移行免疫「IgG」

お腹の中にいる赤ちゃんが、唯一胎盤を通してお母さんからもらうことができる免疫グロブリンIgG。大部分の抗体はこのIgGにあり、生後4~5か月頃まで、まだ体内の組織や機能が未熟な赤ちゃんを守ってくれます。




● 初乳にたっぷり含まれる「IgA」

分娩後0~3日目に分泌される「初乳」には大量の免疫成分IgAが含まれていて、一滴でも免疫力たっぷり。黄疸治療やNICU入院などで授乳開始が遅れてしまう場合でも、搾乳して冷凍保存しておくことが可能ですので、助産師にご相談ください。







Special interview

ヘルスウェイジャパニーズメディカル
石井磨里子助産師

助産師歴25年、母乳・周産期ケアのスペシャリスト。母乳には未知のウイルスに打ち克つ免疫力があることを知り感動した体験をきっかけに、助産師の道へ。日本では国立成育医療研究センター等でキャリアを積み、2013年からシンガポールで活動を開始。

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