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日本メディカルケアの佐藤先生に聞きました!新型コロナウイルスのワクチン接種に関するQ&A<第1弾>

日本メディカルケアの佐藤先生に聞きました!
新型コロナウイルスのワクチン接種に関するQ&A

シンガポールでは2020年の年末から医療関係者向けのワクチン接種から始まり、5月時点では45歳以上の国民、永住権保持者、長期滞在ビザ保持者向けの接種が始まっています。6月からは45歳以下の接種も始まるとされており、ワクチン接種に向けて知識を深めていきましょう。
※2021年5月20日時点での情報に基づくQ&Aです




日本メディカルケア 家庭医
佐藤健一 先生

日本メディカルケア家庭医。日本・シンガポールで家庭医として豊富な経験を持ち、小児から大人まで幅広い年齢の方々のさまざまな疾患の診察を行う。乳幼児健診、子育てへのアドバイス等にも定評がある。
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Q ワクチンの安全性は?

新型コロナに対するワクチンは今までにない速さで製造され、承認されました。迅速に事が進んだ背景には、多くの国が早期からワクチンメーカーへの金銭的支援をしていたこと、以前からの研究でウイルスの遺伝子配列情報から遺伝子工学的にワクチンを作る技術が確立していたことが大きいかと思います。シンガポールで使用しているワクチンは今の所大きな副作用は認められていません。この先、深刻な症状が見られる可能性もあり得ますが、今はコロナに感染しないことが最優先になります。




Q 佐藤先生のワクチン接種時の様子を教えてください。

接種自体は他の予防接種より量が少ないせいか、あっという間に終わって痛みもほとんどありませんでした。しかし5~6時間ほど経ってから副反応がみられ、多くの方が言われているように1回目より2回目の方が副反応は強く長くなった印象があります。




Q 副反応が出た場合はどうすればよいですか?

副反応は、接種部位の疼痛85%、倦怠感60%、頭痛55%、発熱15%など、と報告されています。副反応が辛くて我慢できないときはアセトアミノフェン製剤(PanadolやTylenolなど)を服用してください。2回目の翌日は休みが取れるように調整しておくこともおすすめです。また、脇の下のリンパ節が腫れることもあるので、マンモグラムの検査は接種後しばらく控えましょう。




Q 子どもは接種できないのでしょうか?

現在、シンガポールで接種が行われているPfyzer-BioNtech社製ワクチンは16歳以上、Modernaは18歳以上が対象。早期に認可を取るために対象者を限定していたためでしょう。HSAが12~15歳の接種を推奨しましたので、順次対象年齢が拡大していくことになります。Pfizer-BioNtech社では最終的に6か月以降の乳児にも接種できるようにする予定とのことです。




Q 慢性疾患・持病などで、ワクチン接種を避けた方がよい人はいますか?

抗がん剤・免疫抑制剤を服用している方はワクチンを接種することができません。また今までに薬剤、ワクチン、食品、ハチなどでアナフィラキシーを起こしたことのある方も打てません。受診している医療機関で相談されることをお勧めします。




Q 妊娠中・授乳中・妊娠を計画中・不妊治療中の人もワクチン接種はできますか?

使用され始めて1年未満のワクチンですので妊婦・授乳中の方への接種について確定されたものはありません。

妊娠を計画されている方は、接種するメリット・デメリットを考えると妊娠する前に接種することが勧められます。

妊娠中の接種については、MOHは「接種すべきではない」と述べています。ただし、妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいとの報告もありますので、通院中の主治医とよく相談されることをお勧めします。

授乳中の接種については、MOHは「接種後5~7日間をあけるように」と述べています。しかし、日本の国立成育医療センターでは「母乳移行量は非常に少ないと考えられることから、授乳中のワクチン接種は問題ないと考えます」とコメントを出しています。
☞日本の国立成育医療センターが出している妊娠・授乳中のワクチン接種に関する情報はこちらから






Q 他の予防接種の予定があるときはどうすればよいですか?

コロナのワクチンは14日以内に他の予防接種を行っているときは接種ができません。おそらくワクチン同士の相互作用はないと思われますが、使用されて間もないことにより、十分な間隔を空けるようになっています。現時点では緊急性と重要性を考慮して、コロナのワクチンを優先することをお勧めします。接種スケジュールで悩まれたときはかかりつけ医にご相談を。




Q ワクチン接種に際して不安なことがある場合、日本メディカルケアでは相談にのってもらえますか?

もちろんです。慢性疾患で服薬している方は早めに医師にワクチンを接種してよいか確認しておくようにしましょう。ですが、普段処方をしていない薬剤についての相談は経過が分からないこともあるので、できる限り主治医に相談することをお勧めします。






Q ワクチン接種前、接種後に生活上で気を付けることはありますか?

接種前に緊張していたり、空腹で接種した結果、気分が悪くなったということをよく聞きます。普通のワクチンと同じですので過剰に緊張する必要はなく、水分や食事を通常通りに摂って受けてください。




Q ワクチン接種後に体調が優れず、病院で診察してもらいたい場合、どこの病院に行ったらよいのでしょうか?

接種直後であれば接種会場で対処してもらうことになります。それ以外であれば普段受診されている医療機関(日系クリニック含む)に相談してください。




Q ワクチンを接種すればもう安心ですか?

TTSHや空港でのクラスター発生を見ても分かるように、ワクチン接種をしていても100%防ぐことはできません。ですので、ワクチン接種後も、手洗いやマスクなどを継続することが極めて重要です。また、変異株に対しても75~85%と高い有効性を示していますが、この先も変異株との闘いは続くので、定期的なワクチン接種が必要になる可能性もあります。




Q ワクチンを打ったことを証明するには?

1回目の接種時に紙のワクチンカードを受け取ります。2回目の接種時にも記載してもらう必要がありますので持参してください。また、シンガポールでは予防接種の情報をコンピュータで管理しており、接種翌日には情報が登録されます。Trace Togetherのアプリ上にも接種歴が出るように設定でき、接種情報をpdfでダウンロードすることもできます。この先各国への渡航にはワクチン接種歴やPCRの検査結果が重要になると思われるので、接種記録は手元に用意しておくようにしましょう。





日本メディカルケア

グレニーグルス総合病院内にある日系クリニック。高度な医療設備が整い、専門医へのアクセスもスムーズ。産婦人科の鍋島先生、家庭医の佐藤先生、いずれも在星歴 が長く、海外での出産・育児をバックアップ!


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