#Tokyo Trend

東南アジアに強い人材コンサルタントに聞いた!
ウィズコロナ時代の“海外就職”のリアル

みなさん、東京よりこんにちは。
ビューティ&ライフスタイルライターの石原有起です。

ご存知の通り、現在はコロナウィルスによって世界が大きな影響を受けています。東京でも各所から聞くのが、「コロナで海外への転職が白紙になった」、「仕事の海外赴任が遅れている」、「発行されていたVISAが無効に…」などのエピソード。

しかし、“海外転職を諦めてしまう”のは、実にもったいないこと。今から現状を把握して適切な準備しておけば、然るべき時にチャンスを掴むことができ、キャリアの可能性が何倍にも広がります。

そこで今回は、2011年にシンガポールを皮切りにアジア全土に進出し、2020年7月時点で9ヵ国地域に拠点を持つ「リーラコーエン」のキャリアコンサルタント・平林美里さんに、ウィズコロナ〜ポストコロナ時代の採用状況や、海外就職への心がまえについてうかがいました!

 

コロナウィルスの影響で、求人倍率が激化!?

石原:コロナウィルスの影響はまだまだ続きそうですが、現在の求人や採用活動状況に変化はありますか?

平林さん(以下、敬称略):やはり現在は、業界を問わず、全体的に求人は減少傾向にあります。そのため求人倍率が高くなり、以前に比べてより専門分野での経験や高い英語力を求められるケースが多くなるでしょう。現在は、一部の企業(観光・サービス業など)は大きな変化を余儀なくされ、現時点では採用にあまり積極的ではありません。

石原:採用の枠が少なくなるので、少数の求人に求職者が集まる状況となり、実質的に採用倍率は上がるのですね。求人の多くなる業界や、今後の働き方はいかがでしょうか?

平林:医療関係の業界は人手不足のほか、世界的にリモートワークの利便性、重要性が認識されたこともあり、IT業界などは今後長期的に人材が求められると予想されます。今後はリモートワークがさらに増え、働き方はよりフレキシブルになるでしょう。

石原:現在は“海外就職”にとって負の面ばかりが取り上げられがちですが、高い語学力や専門的なスキルを身に着けることで、今後多様な働き方を選べるようになるというチャンスと捉えることもできますね。

 

採用面接のオンライン化が加速中!

石原:昨今の海外就職における面接の状況と、貴社のサポート体制を教えてください。

平林:海外就職の場合、通常であれば一部企業様では現地で最終面接行うこともありますが、現在は企業の規模を問わずオンラインで最終面接まで行うケースがほとんどです。しかしオンライン面接の場合、インターネット環境の問題に加え、面接官の表情が読み取りにくい、会社の雰囲気が分かりにくいなどのデメリットもあります。

石原:最終面接までオンライン面接というのは、例えば東京からシンガポールに出向く必要がないので、採用担当者と求職者がお互いに都合を合わせやすいなどのメリットはありますが、まずオンライン面接に慣れていないと、なかなか本来の自分の良さをアピールしにくそうですね。面接官が複数人いらっしゃる場合など、お二人の表情を同時に見られないこともあり、なかなか難しいですよね…。

平林:そうですね。そこで、ウェブ会議ツールを活用したオンライン面接対策を強化しています。なお弊社ではWhat’s upやLINEなどでフォローアップも行い、求職者ひとりひとりが安心して面接に臨めるようサポートさせていただいています。

 

今こそ、早めの行動が海外就職の未来を拓く鍵に!

石原:これからシンガポールやアジア諸国で働きたい方は、どのように就職活動を進めていくのが望ましいでしょうか?

平林:現在(2020年7月時点)は日本からシンガポールへ、シンガポールから近隣のアジア諸国への渡航もスムーズにはいかないため、海外への就職活動を躊躇されている方もいらっしゃるでしょう。しかしアジア諸国の中でもシンガポールはとりわけVISA取得の要件が年々厳しくなっているので、できるだけ早い時点でご相談いただきたいですね。学歴やご年齢、勤務年数などによって、ビザ取得の難易度も大きく変わってくるのが実情です。

石原:つい状況が落ち着くまで待ってしまいそうですが、そうすると就職を希望する国のVISA状況や、採用後の現地のルールについての情報が入らず、スタートダッシュが遅れてしまいそうですね。逆にこのような時こそ、思い立ったらすぐにプロのキャリアコンサルタントへ相談することで就職を希望する国の現状が把握でき、“次の一手”が明確になると思いました! これは海外就職を希望する方には、気に留めていただきたいですね。

平林:おっしゃる通りです。個人では収集が難しい弊社が知り得る情報を求職者の方へスピーディーにお伝えできますし、例えすぐに大きな進捗がなくとも、いざご希望の求人が動いた時に素早くアプローチできますから。

 

リーラコーエンの海外就職における強みは?

石原:貴社の場合、全拠点に日本人スタッフが常駐されているとうかがいました。貴社の海外就職における、強みを教えていただけますか?

平林:はい。強みはまさにシンガポール国内の情報はもちろん、アジア諸国の幅広い情報提供が可能なことですね。国をまたぐ就職はハードルが高いと思われがちですが、求職者様のご希望や経歴に応じて「なぜシンガポールが良いか」「他の国でも望むキャリア形成は可能か」など、幅広い視点からアドバイスさせていただきながら、就職活動を進めていただけます。

石原:例えば当初はシンガポールでの就職を希望していた方も、周辺国でも同様にキャリアを積むことができるとしたら、選択肢は広がりそうです!

平林:はい。もちろん、他国にいる弊社のキャリアコンサルタントもご紹介し、多くの可能性からより良い就職ができるよう後押しさせていただきます。また現在では各国のVISAの発行状況が平常時とは異なるため、現職の退職や転職先企業への入社タイミングなどについてもご相談いただけます。

石原:現地のニーズや現職との兼ね合いを考慮した助言を頂けると、就職後のミスマッチも起きづらいと感じます。周辺のアジア諸国への転職活動も、早い段階から現地にアプローチできれば可能性が大きく広がりますね。

 

海外就職を成功させるための考え方

石原:今まで様々なお話をうかがってきましたが、最後に、海外就職を成功させるためのアドバイスをお聞かせいただけますか?

平林:転職活動はいつでもできますが、実際に納得いただく会社とマッチングするには、タイミングやご縁も重要です。海外への転職は日本人採用枠が少ないことに加えタイミングも急なことが多く、いつご縁が出てくるか分かりません。だからこそ常にアンテナを張って、非常時でも着々と情報収集をし、夢を叶えられるようにご準備いただけたらと思います。

石原:「海外で働く目的は何か、どの地域で働きたいか、海外就職で活かせる自分のスキルは何か」を明確にしながら、“思い立ったが吉日”とばかりに、まずは気軽に相談させていただくのが望ましいですね。貴重なお話をありがとうございました!

 

海外就職・転職となると、日本とは制度や雇用契約などが異なることが多いため、一人で進めるには様々な困難が生じる場合も…。しかし、現役のキャリアコンサルタントから、リアルな実情をうかがうと、現在の影響下でも、今から準備できることはたくさんあることがわ分かりました。

グローバルに働くチャンスを諦めずに、海外転職にチャレンジしてみませんか?

 

<取材協力>

平林美里さんプロフィール
米国大学を卒業後、2009年に金融系IT企業へ入社。その後、シンガポールで転職活動を行い、2013年に現職のリーラコーエンへ。インドネシア、台湾拠点の立ち上げを経て、現在は2児を持つキャリアコンサルタントとして活躍中。

海外就職・転職なら、REERACOEN(リーラコーエン)

 

※2020年8月1日の記事です。
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