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【2008年】復刻版パルティ-面白バックナンバーを振り返り

2004年3月号から全ページカラー印刷に
時事ネタやシンガポール雑学、盛りだくさん

1994年創刊から四半世紀以上にわたり、シンガポールの情報を発信してきたPARTI。
この情報はPARTIの財産!(自分たちで言ってすみません)
独断と偏見で「面白い!」と思う記事をピックアップし、お届けしていきます。
今回は、『2008年』を振り返ります。



2008年1月号で、創刊15年目を迎えました!2008年からスタートの新連載もあり、これまで以上に読み応えのある誌面にパワーアップ。進化し続けるパルティ、編集部の努力の賜物ですね!

さぁ、2008年も面白そうな特集記事や新連載コラムより過去記事をピックアップ、ご紹介していきたいと思います。
☞2008年バックナンバーの立ち読みはこちらから




2008年5月号/Vol.173

まずはじめに、「世界を食べ尽くせ!」特集の一部、2008年5月号P.6~P.8に掲載されていた、シンガポールにいる外国人たちが集まる「ミニエスニックタウン」の楽しみ方をご紹介します。
※店舗情報などは、当時の情報です。一部割愛させて頂いております



☝記事内容

気分はなんちゃって世界旅行!?
mini エスニックタウン探訪


■ リトルミャンマー Little Myanmar
[ペニンシュラ・プラザ] 111 North Bridge Rd Peninsula Plaza
MRTシティホール駅からとことこ歩いて約3分、同じアジアの未知の国ミャンマーを初体験!地下にレストラン、3階にブッフェスタイルの食 堂があるほか、20~30店ほどの輸入雑貨店、民芸品店や仏具店などがあり、親しみやすく小柄で幼顔のミャンマー人たちが集う。手頃な値段で、英語表記メニューがあるミャンマーレストランはマストトライ。輸入雑貨店で即席食材を買って、家でミャンマーフードを試してみるのもいい!




■ リトルタイ Little Thailand
[ゴールデン・マイル・コンプレックス] 5001 Beach Rd Golden Mile Complex
マレーシアやタイへの長距離バスの発着所であるゴールデン・マイル・コンプレックス。建物へ入ると、もはやここがシンガポールとは信じられないくらいタイ語があちこちに乱れ飛ぶ。本場タイ料理の屋台風レストランや、総菜屋、旅行代理店、大型スーパーなどが同居し、混沌とした雰囲気。




■ リトルフィリピン Little Philippines
[ラッキープラザ] 304 Orchard Rd Lucky Plaza
シンガポールで働くフィリピーナたちが休日に訪れ、故郷の味に親しみ、会話を弾ませる「リトルフィリピン」。ラッキープラザ内に飲食店や雑貨店が点在し、フィリピン料理の素や、美白効果があるといわれるパパイヤソープなど、お土産にも使える物がゲットできそう。オーチャードの中心で、いつもと一風違うランチやショッピングを楽しみたいときにおすすめ!




■ リトルインディア Little India
[ムスタファ・センター] 145 Syed Alwi Rd Mustafa Centre
ムスタファ・センターで、下記のようないろいろなスパイスを買い込んで、時間をかけずに簡単インド料理をクッキングするのはいかがでしょうか。





2008年9月号/Vol.177

続いては、2008年9月号P.9~P.14に掲載されていた、「自宅で作れる三大ローカルフード」のレシピをご紹介。 チキンライス、バクテー、ヘッドフィッシュカレーの作り方をマスターしましょう!



☝記事内容

自宅で作れる三大ローカルフード


買い出しは全てウェットマーケットでオーケーラっ!

新鮮な魚や肉、野菜が手に入るウェットマーケットはシンガポールの食の台所。お料理の食材はすべてここで手に入ります。




パパ大好きスタミナ料理
バクテー(肉骨茶)

バクテーは、かつてシンガポール川で過酷な労働に従事する港湾労働者「苦力」が、重要な栄養源として、午前中に朝昼兼用で食べていたメニュー。店は、遅くともくとも午後2時頃には店じまいだったのが、最近では夜もオープンしている店も出ています。しかしバクテーはカロリーが高いので、夜食にはあまり向きません。ちなみに、「肉骨茶」の「茶」には、カロリーの摂取過多を防ぐため、濃い中国茶を飲みながら、と いう意味があります。




鶏一羽のおもてなし料理
チキンライス

「海南チキンライス」というのが有名ですが、これはたまたま海南出身の人が始めたためで、海南島の名物料理という訳ではありません。シンガポーリアンでも勘違いするほど、チキンライスといえば「海南」、というブランドイメージはすごいですよね。チキンの仕上がりは本当は80~90%が一番美味しいのですが、今はどこでも100%火を通しているようです。




ビールのお共に最高!
フィッシュヘッドカレー

フィッシュヘッドカレーはもともと家庭ではアッサムカレーとしてよく食卓に載っていました。アッサムとは酸っぱいという意味です。家庭では白身の魚「フエフキダイ」を丸ごと一匹使います。名前にカレーと付くので紛らわしいですが、カレー粉は使いません。年中暑い日が続くシンガポールにはピッタリの、甘酸っぱくて辛い家庭のアッサムカレー。ビールとの相性も抜群です。





2008年3月号/Vol.171

引き続き、2008年3月号P.16~P.17に掲載されていた、こちらもローカルレシピ集です。今回は麺料理とデザート!手軽に購入できて、しかも安価な「麺」で、普段の料理をご馳走に。ここで使われる食材は、いつでもどこでも手に入り、高いものはひとつもありません。作り方も難しくなく、食べた後の満足度100%!ぜひ皆さんも作ってみてください。


ウェットマーケットで買い出し




麺料理編

【写真左☟】麺線湯(メンセンタン)

ローカル家庭の常備食、小腹がすいたときにもどうぞ
日本のそうめんと似ていますが、食感はそれよりもっと柔らか。ローカルの家庭では、朝食や間食に溶き卵を落としただけでも食べられています。具はそのときあるものでかまいません。今回は具だくさんなので十分ランチになりますが、消化に良い麺なので、離乳食時期の乳児にも利用できますよ。

【写真右☟】江魚湯麺(イカンタンメン)

小魚のダシがくせになる、カルシウムもたっぷり
「イカン」はマレー語で「魚」 と言う意味。 内臓をとって、干した小魚(江魚片)から出るダシが、ひと味違ったスープを作ってくれます。カルシウムも豊富なので、育ち盛りのお子さんや、骨を丈夫にしたい年齢に最適。麺は太めの「黄麺」を使用。マーケットでは量り売りしており、スーパーでも手に入ります。




【写真左☟】炉麺(ルゥメン)

蒸籠を使った豪快なおもてなし料理
上海の家庭でお客さんをもてなすときに作られる麺料理。蒸籠(せいろ)で蒸すのでさっぱりとした食感と歯ごたえのある麺の仕上がりが特徴です。蒸籠ごと食卓に出し、見た目も豪快で美味しそう!レシピの通りやれば必ずできるので、ぜひ試してみてください。

【写真右☟】クル湯麺

黒酢のまろやかな酸味が食欲をそそる
スープに黒酢が使われているのが特徴。以前は簡単にホーカーでも食べられたのですが、今は少なくなってちょっと寂しく感じています。白身魚、肉、もやしなど、たっぷりの具にとろみがついてボリューム満点!でも食べると黒酢の酸味がほどよく調和して、しつこさを感じません。 育ち盛りのお子さんにもぴったり。




デザート編

【写真左☟】仙草

美肌効果がある薬草の一種で、寒天で固めてゼリー状にしてあります。蜂蜜で甘味を付けて召し上がれ。ローカルマーケットなら豆腐屋さんで売っていてグラムで買え、新鮮で美味。スーパーではパック詰めでやはり豆腐コーナーに置かれています。ただし、味はローカルマーケットの方がハナマル◎

【写真右☟】豆花

絹ごし豆腐より柔らかい、豆腐に固める前のほんのり甘い豆腐。ローカルマーケットで豆乳とともに売られています。買ったばかりのときは温かく、離乳食時期の乳児にも。冷やして暑い日のおやつに。畑のタンパク質は健康維持にも最適です。





2008年4月号/Vol.172

続いてご紹介するのは、2008年2月号からスタートした心理カウンセラー山形千尋さんによる新連載「ココロノケアルーム」。こちらのコラム記事より1つご紹介したいと思います。2008年4月号P.25に掲載されていた「夫婦関係」についての記事です。コロナ禍で離婚率があがったとのニュースをよく目にします。夫婦関係を終わらせる前に、今一度、お互いの関係を見直すことが大切なのですね。

2021年現在も、連載タイトルは変わっていますが、山形千尋さんのコラムが続いています!ぜひこちらもご覧ください☟
☞山形千尋さんの「心ひも解くヒント」のコラム記事はこちらから



☝記事内容

ココロノケアルーム
テーマ:「夫婦関係」


離婚するほどでなくても気持ちが離れている。 私たちこのままでいいのかしら?

Q.特に問題があるわけではないのに、お互い、いてもいなくても同じような夫婦関係が、かれこれ8年以上続いています。話す内容も必要なことのみ。食事も仕事の関係で別々が多いです。離婚するほど悩んでもいませんが、このまま年をとっていくだけなのかと虚しい気持ちになることが時々あります。夫婦とは、所詮こんなものなのでしょうか?


A.パートナーとの問題は、あなたのあらゆる人間関係と、あなた自身との関係を映し出しています。ひと言に「夫婦」と言っても、それぞれが 独自の形を持つもの。基本的にはどちらが、どちらよりもよいというものではありませんが、二人の関係に「悪影響」や「無関心」を生じさせているなら、「健康的な夫婦関係」ではありませんので、意識的にそれを改善させる必要があります。 取り掛かりは早ければ早いほど短時間でシンプルに解決できます。

「夫婦とは、所詮こんなものなのでしょうか?」と言うのは、きっと何かが違う、と気付きながらも、他人に「そうだ」と言われれば、とりあえず納得したことにしておく、と言う意味で、
1)問題から、2)パートナーから、そして3)自分からの「回避行動」 に他ならず、気持ちは満たされないため、虚しさは続くでしょう。 これは「どうにかしなければ」という状態です。

推論ですが、このような状態になる前に、だんだんと生活がマンネリ化し、「お互いが求めているもの」や「意識」の違いが顕著になった時期はありませんでしたか?もしくは、あなた自身が、パートナーに対して、心の中で「あいつはいつも自分の気持ちしか考えてないんだ!」と繰り返し感じてはいませんでしたか?こういうときは、大抵そういう本人も自分の気持ちしか考えていません。

改善には、これまでの悪循環に蓋をせず、ひとつずつ、克服することが必要です。
例えば、「(心の中で)知らず知らずの内に、相手を軽蔑、非難している」、「夫婦の会話を強要する。または拒絶する」 というパターンがあったとします。まずはそれを認め、原因を考えます。

職場でストレスがあり、イライラが飛火し、なんでもないことでパートナーに苛立たされた、と信じてしまったのかもしれません。また逆の立場のとき、心の余裕が持てない状態だったのに、多くの要求や文句(嫌味や愚痴)を言われ、パートナーの理解は得られない、と諦めてしまったのかも。夫婦関係の改善は、あなたの人生の改善でもあることを忘れないでください。



2008年9月号/Vol.177

続いても、2008年9月号よりスタートした「アロマセラピー物語」より香りのお話です。皆さんも、普段の生活に”アロマ”を加えてみたらいかがでしょうか。



☝記事内容

アロマセラピー物語
こころ落ち着く魔法の香り「カモミール・ローマン」


なかなか言うことを聞いてくれないお子様や、愚痴を聞いてくれるはずの旦那様も出張しがちで不満やストレスは溜まる一方。
え?家に居てくれない方が休まるですって?
(それは……)

そんなときにカモミール・ローマンはいかがでしょうか。青リンゴのような甘い香りに、ハーブの香りが加わったインパクトの強い精油です。それもそのはず「カモミール」はギリシャ語で「地面のリンゴ」という意味。ヨーロッパの田舎に、春から初夏にかけて畑の畦道などで、小さな白い花を咲かせる植物です。

瑞々しいこの香りは、穏やかな作用で、お子様にも安心して使えるのが嬉しいですね。リラックス作用で知られるラベンダーとの相性もよく、ブレンドすると相乗効果も期待できます。

カモミール・ローマン
学名: Anthemis nobilis


ストレス、不安な状態や不眠症などの精神面以外にも鎮痙作用があるため、筋肉痛やふくらはぎなどの痙攣(つれる)にも効果があるといわれます。スキンケアとしては、アトピー、湿疹、にきびでお悩みの方におすすめ。生理痛や更年期障害の症状も緩和するといわれます。また、吐き気、下痢などの消化機能の低下にも役立つオイルです。我々にも馴染み深いカモミールティーは、通常カモミール・ジャーマンから作られます。


■芳香法
ティッシュに1~2滴垂らし枕元 に置いて安眠を促しましょう。

■トリートメント法
お休み前やイライラしているときに胸から肩にかけて塗りましょう。

(8回分程度の分量)
・キャリアオイル 15ml(スイートアーモンドやホホバオイルなど)
・カモミール・ローマン 2滴
・ラベンダートゥルー 3滴
※トリートメント法は成人の分量ですので、お子様に使う場合は年齢、体のサイズにより精油の量を減らします。
※3歳未満のお子様には精油は使わないでください。
※妊娠中の方は専門医に相談してから精油をお使いください。



2008年8月号P.17に掲載の妊婦さんのアロマセラピー活用法の記事もご紹介!





2008年9月号/Vol.177

続いても、2008年3月号よりスタートした、ぶちすけさんの「未来の国際人たちへ」というコラム記事より、9月号P.28に掲載されていた”高校生編”をお届けします。

ぶちすけさんは、幼稚園を経営している両親の下、シンガポールで幼・小・中・高を過ごし、こちらのコラムご執筆時は、オーストラリアのメルボルン大学理学部在学中という生い立ち。日本人小学校、日本人中学校で学び、その後、高校はインターナショナル校へと進学。その高校時の思い出を語ってくれています。

高校生編以外も、時系列でいろいろな体験談を紹介してくれているので、ぜひ、バックナンバーよりご覧ください☟

◎第1回:2008年3月号P.18(大学生現在の自分)
◎第2回:2008年5月号P.22(幼稚園編)
◎第3回:6月号P.17(小学校編)
◎第4回:8月号P.28(中学校編)
◎第5回:2008年9月号P.28(高校生編)※今回ご紹介
◎第6回:2008年10月号P.25(大学進学に向けて)
◎そしてラスト:2008年11月号P.22(大学卒業後…)
☞2008年バックナンバーの立ち読みはこちらから




☝記事内容

未来の国際人たちへ
高校編(HIGH SCHOOL)


高校時代~英語を目的ではなく、道具として使うこと~
日本人中学校卒業後、国際校であるUWCSEAで4年間過ごし、それまでの日本語教育から、完全な英語教育へとシフトする大きな分岐点となりました。

入学当初、課題が出るたび、大変な目に合いました。膨大な英語の専門用語を暗記するだけでも一苦労で、無事生き抜いていけるかどうか、何度も不安になりましたが、「努力(Effort))がAであるなら結果はきっと出るはずだ」と、先生は笑って励ましてくれました。

一時期、英語ができないのが悔しくて、宿題で提出する長文の答えの文法一つ一つまでチェックしていたこともありました。そんなことをしていたら、何時までたっても大量の宿題なんか終わりません。英語の家庭教師にチェックしてもらうならいざ知らず、自分一人ではそれだけで何時間もかかってしまいます。しばらくして「英語はあくまで、作文を書く道具だ」と割り切り、枝葉末節の表現や文法より、書く内容を充実することに力を入れるようになって、科学系のレポートも、慣れて書きやすくなりました。

勘違いされることが多いのですが、『英語を流暢に話せる』ことと、『英語で教育を受け、理解する』ということはかなり違います。

例えば日本人学校の英会話の授業は『英語を学ぶこと』が目的ですが、国際校での化学の授業は『英語で化学を理解すること』が目的で、英語を使いこなすこと自体は ゴールではなく、本人がどれだけ物事をきちんと理解し考えられるかがポイントとなります。宿題のレポートが『英作文として』はよくできていても、出された問題に 間違って答えたり、授業で教わった内容を正しく理解できていなければ『レポート』としては不十分なのです。

私は日本人で、頭で何かを考える言葉は今でも全部日本語です。日本語で物事をきちんと考えることができるからこそ、大変ではあったけれど、英語で受けた授業をちゃんと理解し、最終的に英語という道具もきちんと使えることができるようになれたのかなと、今ではそう思います。



2008年10月号/Vol.178

続いても、2008年8月号からスタートしたリレー連載「子どもを支える教育」より、10月号P.26に掲載されていた「小さなきっかけ」というコラム記事をご紹介します。駐在員の子どもさん達は、嫌でも親と帯同し、海外暮らしを余儀なくされます。貴重な体験ができ良いことも沢山あると思いますが、うまく馴染めず辛い思いをしてしまうケースもあります。親として、どのように子どもを支えていくか、こちらのリレー連載にヒントがあるかもしれません。

今回ご紹介するコラム記事以外も、ぜひ、バックナンバーでご覧ください☟

◎第1回:2008年8月号P.27「海外で育って」
◎第2回:2008年9月号P.29「R君との出会い」
◎第3回:2008年10月号P.26「小さなきっかけ」※今回ご紹介
◎第4回:2008年11月号P.25「シンガポールでの学校選び」
◎第5回:2008年12月号P.27「心の健康管理」
☞2008年バックナンバーの立ち読みはこちらから




☝記事内容

リレー連載 子どもを支える教育
「小さなきっかけ」


私の子ども達はインターナショナルスクールに通っています。
英語が全く話せないまま入学した長男は、最初の1か月を毎日泣いて過ごしていました。いつも自分の制服のポケットに「Can you play with me?」と書いてあるメモを入れて通学し、そしてそのメモが必要でなくなった頃から、彼はとても楽しそうに出かけるようになったのです。

「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」学校生活は大変だと思います。しかし、クラスメイトと机を囲んでの勉強や、私から見るとオーバーでは?と感じるほど褒められることは、本人達にはとても良い環境だと思います。

長男が5歳の時に担任の先生からのアドバイスで「バランス感覚の良くない子」のためのスペシャルプログラムをお昼休みに受けたこともあります。投げた風船を一回転したあとにつかむ、豆をつまんで移動させるなどの活動をしていたようですが、本人は友達と一緒に遊びながら受けているので、本来の目的さえもわかってはいません。このプログラムのおかげで私自身が気付かなかった長男の一面を知ることができ、更に その事に対して学校がサポートをしてくれたことを今も感謝しています。

しかし、その長男が7歳になった頃、自律神経のバランスを崩します。彼の場合は、些細なことで泣き続ける、忘れないように一日中ノートに様々なことを書き続ける、自分や家族の死に対しての不安などが主な症状でした。

なかなか落ち着かないので日本人の先生によるカウンセリングを受けたこともあります。その後、徐々に落ち着いてきた彼を大きく変えたのは、何となく入会した日本人向けのサッカースクールです。毎週末の早起きと暑さでフラフラな私と対照的に、子ども達は生き生き、とても楽しそうでした。おそらく長男は、体を動かすということだけでなく、日本と同じ環境が欲しかったのだと思います。

考えてみると、私自身は「Hello Hello」のボランティア活動を通して日本人とつながっていました。私の子ども達にも、そういった時間が必要であることに気付くのが私は少し遅かったです。シンガポールに住んでいる日本人の子ども達が必要としている環境が更に充実してくれること願っています。



2008年9月号/Vol.177

続いては、長らく続いている連載コラム「にっぽんの細見」(文:小橋繁好)より、時事ネタを1つご紹介。
コラムテーマが「アイフォーン」と題している点からも、時代を感じる……笑。今当たり前のように使っているiPhoneも、この頃、発売開始されたんですね!



☝記事内容

にっぽん細見
アイフォーン


高額の家庭電化製品が売れているという。テレビ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機などだ。魅力的な機能やアイデアを盛り込んでいる。高くても消費者は買う。そんな中、話題の携帯電話が登場した。

アップル社の携帯電話「アイフォーン」を買った。
日本では7月に発売された。すでにアメリカなどでは販売され、爆発的な売れ行きだったという。日本でも大変な騒ぎだった。発売前夜から販売店の前には長い行列ができた。

これほどの話題商品だから、てっきりテレビコマーシャルはたくさん流してくれるだろうと、仕事上、大いに期待したが、あまり依頼はなかった。それもそのはず、CMを流してもすぐに商品が底をつくのが分かっているからだ。
※著者が現在テレビ局で報道と番組制作を担当している。

たまに、お菓子メーカーが「いまCMを流している商品の在庫がなくなったので、放送をやめてほしい」という連絡がある。「CMが混乱の元になる」というわけだが、CMが業務の柱である放送局は、痛い立場だ。

そのアイフォーンだが、買ってから一週間、さわりまくった。もともと、新しモノ好きで、話題の商品となると、すぐに欲しくなる。数ある「話題の新商品」のなかでも、アイフォーンは特筆ものだ。

初めて手にする機能が盛り込まれている。ほんのちょっとした操作にも、細やかな配慮がうかがえる。アップル社の頭脳はたいしたものだ。

斬新な機能やアイデアは、その多くがすでに紹介されている。私は新しい機能よりも、散りばめられた遊び心に魅力を感じる。突然、アイコンが震えだす。ゴミ箱のふたが開いて、不要なデータを吸い込む。メニューは急停車しないで、前後に揺れて止まる。現実の動きを再現している。アップル社のパソコンで見られる機能もあるが、この小さな携帯電話によく詰め込んだと感心する。

最近になって、雑誌などにアイフォーンの「不評記事」が載るようになった。「こんなことが出来ない」「必須と思われる機能がない」など、欠点を指摘している。確かに、これまでの携帯電話、というより、日本の携帯電話なら当たり前という機能がない。しかし、アイフォーンは携帯電話ではなく、パソコンだ。手のひらに乗る情報機器に電話機能がついた新しいコンセプトの製品だと思う。

これをつくったのが何故、アップル社なのか。日本の企業ではないのか。日本が最も得意とする分野のはずではなかったのか。「悪口」を言う前に、悔しがるべきだろう。



2008年10月号/Vol.178

2008年最後にご紹介するのは、2008年10月号の特集「書を持ち、旅に出よう!」の記事です。まだまだコロナ禍で海外旅行は難しいですが、本を読んで旅気分を味わうもよし、いつか行ける旅を夢みながら読書に耽るもよし。本がきっかけとなる旅もある。旅がきっかけとなる本もある。旅と本が生み出すハーモニーは無限大、いざ書を持ち、旅に出掛けましょう!



☝記事内容

「本」×「旅」の相乗効果を引き出す本選び


旅行カバンの中に忘れずに持っていきたいもの、本。
飛行機の中で、青い海の前で、ホテルのベッドで、ページをめくる。
旅先で読む本は、ある瞬間、予想を遥かに超えた感動をもたらすことがある。

旅に出るときは必ず本を持っていくという里見さん。どんな本を旅に持っていくのか質問してみた。それは時と場合によって、4パターンに分けられるようだ。

「デスティネーションのことが書かれた紀行文や小説は、旅への気持ちを盛り上げてくれます。旅先で、いつもはなかなか読めない歴史物や古典をじっくり読むのもいいですね。読みやすい流行のエンターテインメント小説を持っていくこともあります。それからもう何度も読み返しているお気に入りのエッセイなんかを読むとリラックスできますね」

里見さんにとって、なぜ本は旅に欠かせないのだろうか。
「旅に出て、いつもと違う所で本を読むと、思い入れが違ってくるんです。何気なく読んでいたときとは違う感じがすることがあります。本を旅行のなかの特別な思い出になることも多いです」

旅先のゆっくりとした時間の流れのなかで本を読むと、思いがけず五感が鋭く反応することがある。著者の言葉に感銘を受けたり、さりげないエピソードに涙してしまったり。

本によって旅先に関する知識が深まったり、愛着が沸くこともあるだろう。また、旅が本を一層面白く読ませ、心をリラックスさせることもある。旅と本、それぞれが影響し合って相乗効果を生み、心を動かすのだ。だから皆さん、書を持ち、旅に出よう!

里見さんおすすめ!旅に持っていきたい本4パターン



北海道旅行におすすめ



ニュージーランド旅行におすすめ



フィリピン セブ島旅行におすすめ



カンボジア旅行におすすめ



インド旅行(ゴールデントライアングル)におすすめ



インド旅行(バナーラス)におすすめ



タイ プーケット旅行におすすめ



インドネシア バリ旅行におすすめ



※広告は当時のものです

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