#復刻版パルティ

【2013年】復刻版パルティ-面白バックナンバーを振り返り

2004年3月号から全ページカラー印刷に
時事ネタやシンガポール雑学、盛りだくさん

1994年創刊から四半世紀以上にわたり、シンガポールの情報を発信してきたPARTI。
この情報はPARTIの財産!(自分たちで言ってすみません)
独断と偏見で「面白い!」と思う記事をピックアップし、お届けしていきます。
今回は、『2013年』を振り返ります。



2013年に、パルティは創刊20周年目に突入。
情報発信が目的のフリーペーパー。だけどそこに想いを重ねたい。情報を受け取る読者のみなさんの心に届く記事って何だろう。情報を発信したい広告主のみなさんは、どんな気持ちを伝えたいんだろう。みなさんのハートとハートを繋ぐ♡今もなお(この復刻版パルティを作っている2021年)、そんな想いでパルティを作り続けています。編集部の変わらぬ想い、みなさんに届けばいいなと思います。

さて、パルティ2013年を振り返っていきたいと思います。シリーズ連載「シンガポールで生きる私。十年後を考えよう」必見ですよ!十年後って2023年かぁ~~。
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2013年8月号/Vol.236

2013年にシリーズ連載がスタートした、十年後の私のために、今シンガポールでできることって何だろう?を考える企画。まずはじめにご紹介するのは、2013年8月号P.18~19に掲載された第1回「不動産」のこと。シンガポールでマイホーム計画!?



不動産屋さんに訊いてきました!
シンガポールでマイホーム購入はアリですか?

今日本では〝アベノミクス〞による景気回復の兆しや、予定されている消費税増税を背景に「マンションを買うなら急がなきゃ」という機運が高まっていますよね。シンガポールに住む日本人にとっては、円安なうえに、不動産の価格高騰が続いている状況で、コンドミニアムを購入しようとお考えの方は少ないとは思いますが、そもそもこの国でマイホーム購入って可能なの?シンガポールでの不動産購入について、住まいのプロ・高野さんにズバズバお答えいただきました!


Topic❶ マイホーム購入 vs 賃貸 どっちがおトク?

シンガポール長期滞在組ともなれば、「こんなに高い家賃を毎月支払うのなら、いっそコンドミニアムを買ったほうがトクではなかろうか」と一度は考えてしまうかもしれません。でも私は賃貸をオススメします。キャッシュでぽんと買える財力のある方は別ですが、住宅ローンを組むのであれば、金利が月々の家賃に相当してしまうほど、シンガポールの不動産は高いです。

英国不動産仲介会社ナイト・フランクの最新のデータによると、シンガポールにおける外国人の住宅取得価格は、世界で2番目に高いとか。ちなみに1位は香港、3位はロンドン、4位はシドニー、5位はバハマです。物件の価格自体も高騰していますが、シンガポールでは外国人に対する不動産取得者加算印紙税がなんと売買金額の18%もかかります(シンガポール人は3%)。




Topic❷ それでも自分の城を築きたい!購入するならどんな物件がよい?

確かにマイホームは所有感がありますよね。新築物件は高過ぎますが、「99年リースホールドの古めのコンドミニアム」なら手が届くものもあるかもしれません。賃貸であれば古い物件は修理等が面倒なのでオススメしませんが、自分で買って住むのであれば、まず5万ドル程度をかけてリノベーションしてしまえばいいのです。ただ外国人の私たちでもコンドミニアムは購入できますが、HDBはPR保持者のみ購入可能です。




Topic❸ 具体的にオススメの物件を教えて!

本気でご購入を検討するなら、必ず立地を考慮してくださいね。将来的に転売あるいは誰かに貸す可能性を考え、利便性の良い物件を選びましょう。とはいえシティエリアは非常に高額なので、郊外だけどMRT駅とショッピングセンター至近の物件がいいですよ。


Topic❹ 買いどきはいつ?

今はシンガポールの不動産が高騰しているから、もう少し下がるまで様子を見てみようと思われている方もいると思います。確かに1997年 のアジア通貨危機の際は半値まで下落したことがありました。しかし、現在のシンガポールの経済成熟度を加味すると、何らかの経済危機が起きたとしても、不動産価格は落ちて3割までではないかというのが私の見解です。ストレーツ・タイムズ紙でもシンガポールの不動産市場は健全で、バブル崩壊はないと伝えています。

また、価格の下落を待っている間に、日本円の将来価値が今よりさらに下がってしまう可能性も考慮しておくべきです。1Sドルが100円の時代が来ないとは言い切れません。そう考えると、今購入するのもひとつの手かもしれません。


Topic❺ 投資目的で不動産を買うのはどう?

年収が1億円あるようなお金持ちであれば節税のため日本を脱出してシンガポールに自己居住用の住宅を購入する可能性はあります。ですが通常の投資家の場合、あまりの不動産の値段の高さと投資効率の悪さから敬遠する人が多いです。それほどシンガポールの不動産は高騰しています。中国やインドネシアで莫大な財を手に入れた人が、安定しているシンガポールで不動産を買う傾向がありますね。ちなみにリッチな シンガポール人は、オーストラリアやロンドンに不動産を買うようです。

日本人は最近、大開発が進むマレーシアのジョホールバル郊外のコンドミニアムを購入する人が増えています。ジョホールバルの新築コンドミニアムでしたら、1ベッドルームの物件がおよそ2,000万円で手に入ります。シンガポールへの直通電車も開発中なので、投資目的だけでなく、自分で住むことを検討している方もいると思います。

パルティ編集部のまとめ
第1回のテーマ「不動産」は、私たちには縁遠い世界であったものの、具体的な話が聞けて勉強になりました! 仕事でめちゃくちゃ成功するか、素晴らしいパートナーに巡り合うか、宝くじに当たれば、シンガポールでマイホーム購入も不可能ではないらしい……。たとえ古くても自分で手入れして、城を築くのは楽しかろう。いつかMYコンドに住む日を夢見る編集部メンバーであります。




2013年9月号/Vol.237

引き続き、10年後シリーズ第2弾。
2013年9月号P.24~25に掲載された「キャリア」のこと。その道のプロにガチンコで相談しています。



人材紹介会社に訊いてきました!
シンガポールで終身雇用はアリですか?

シンガポールで働き、暮らしてみてすっかりこの国が気に入ってしまった人、手を挙げて!
「はーい!」という声がたくさん聞こえてきそうですが、外国人である日本人はいつまでシンガポールで働けるのだろう? 駐在員であれば、帰任の日はいつかやって来る。そのとき、転職は可能なの? 現地採用であるなら、ずっとこの国で働いていけるのかしらと、いろいろ不安はありますよね。

テーマは「終身雇用」と掲げましたが、同じ会社に勤め上げるという意味だけでなく、転職でキャリアアップしながら、シンガポールで定年まで働く可能性を追求してみたいと思います。今回は主に女子目線でお届け!


Topic❶ シンガポールで終身雇用を求めるのはどんな人?

一番多いのは、ご主人または奥さんがシンガポールの方だと思います。女性も働くのが常識のシンガポールでは、奥さんもお仕事を持ち、バリバリ働いています。この国は、メイドさんや託児所を上手に活用して、子育て中の女性も働きやすい環境ですから。

また、男女ともにご自分でPR(永住権)を取得して、長くシンガポールで頑張っている方もいます(近年はPR取得が大変難しくなっていますが)。成長著しいこの国には可能性がありますよね。

駐在で来て、帰任命令の際に現地採用枠で転職を考える方もいますが、この場合、あまりの待遇の違いに結局元の鞘に収まるケースが多いです。ともかくシンガポールで長く働いていきたいなら、覚悟を決めること。常にキャリアアップを目指し、仕事の専門性を高めていくことが肝心です!




Topic❷ 斉藤さんはなぜシンガポールを働く国に選んだの?

学生時代にシンガポールで留学経験があり、この国の発展性を目の当たりにしました。香港、タイなどでも働いてきましたが、起業するなら政府の透明性が高いシンガポールでと思い、2006年にこの国で「グッドジョブ」をスタート。妻がインドネシア人なので、日本よりも東南アジアで暮らしたい気持ちもありましたね。

仕事が軌道に乗ったところでPR取得、HDBに住まいを購入しました。PRにはCPF(中央積立基金)という強制貯蓄とも言うべき機能がありまして、年金のような役割などをしてくれます。これで生活の基盤ができ、シンガポールで安心して働ける環境を整えることができました。治安がよいことも大きなポイントですね。




Topic❸ 日本人の新卒採用が増えているって本当?

はい、本当です!
日本の就職状況が厳しいことが理由のひとつ。また語学力を生かして、海外で働いてみたいと考える若者も増えています。職歴がなくてもEP(就労許可)が下りるのでしょうか。実は月収およそ3500ドル以上のお仕事に就くことができればEP取得は可能なのです。近年EPの規制が厳 しくなっていますが、20代の若手に対しては比較的緩く、30代よりEPが取得しやすい状況です。そのため企業側も新卒・第二新卒のニーズが急増!

職種としては日系企業の営業、コーディネーター、コールセンター、飲食業などが多いですね。有名大手企業にポンと採用されるケースも見ています。この国で就活をするなら、人材紹介会社を通すことが一番の近道。弊社のウェブサイトでも新卒・第二新卒の方向けのページを設置しています。



番外編
シンガポール国立大学(NUS)と南洋工科大学(NTU)
卒業者の給与額中央値(参考値)

シンガポールのエリートと呼ばれるNUSとNTU卒業者の給与額中央値と照らし合わせて、EPのランクが決まっています。近年、ビザ取得に必要な最低給料のラインが上がり、ますますビザが取りにくくなっています。


「EP Q1」の給与基準
新卒者:年収33,882ドル 月収2,824ドル
1~4年:年収41,520ドル 月収3,460ドル

「EP P2」の給与基準
5~9年:年収58,054ドル 月収4,838ドル
10~19年:年収89,569ドル 月収7,464ドル

「EP P1」の給与基準
20年以降:年収130,265ドル 月収10,855ドル



Topic❹ 現地採用で働く女子がサバイブしていくには?

この国の要人は女性が本当に多いですよね。私は、ジェネラルな仕事をする男性より、専門性を高めている女性のほうがシンガポールで成功で きるのではと思っています。日本と違い、男女差別は皆無。キャリア重視なので年齢もさほど足枷にはならない。重要なことは「専門性」!

企業からのオファーが多い職種としては、経理、秘書、得意分野を確立している営業など。日本人としてのマインド、すなわち「細かな気配り」や「空気を読む力」は企業も重視しています。だから、あまりに現地化して日本人女性としてのたしなみを忘れないでくださいね。働きながら資格やMBAの取得など、常に向上心を持つことも大切です。

最近、化粧品メーカー、高級カバンなどの販売員として、日本人女性を求める募集が増えています。日本人の接客は世界一ですから!


Topic❺ 大和撫子がこの国でもっと輝くカギは「転職」!?

日本では転職歴が多いとデメリットですが、シンガポールではジョブホップは常識。むしろ豊富な経験値として評価されます。会社(箱)にとらわれず、自分自身のポジションを重視して、キャリアパスを描いていく感覚が大切です。この国のデキル女性は、仕事をしながらも常に求人広告に目を光らせ、エージェントを通じて水面下で転職活動をしていたりするんです。

転職時のチェックポイントは、給料、就労環境、医療保険制度、有給休暇日数など。そして何よりも自分の「キャリアパスにつながるかどうか」です。

何度も申し上げましたが、この国で仕事をするうえで大切なのは「専門性」。専門分野があれば、仕事のオファーがあり、より高いポジションに就くチャンスがあります。シンガポールは女性が“仕事を楽しむ人生”を送りやすい国だと思います!

パルティ編集部のまとめ
女子として、恋愛、結婚、出産、子育てを楽しみながら、生涯仕事も頑張りたい! そんな夢を叶えるチャンスがシンガポールにはありそうよ。したたかにキャリアアップの機会を狙い、資格やMBAなどを取る努力を惜しまず……。おっと肩に力が入り過ぎるのもよくないわね。ともかくキーワードは、専門性。幸運にもPRを取得できれば、なお安心。シンガポールで「終身雇用」は“アリ”という結論で!




2013年10月号/Vol.238

続いても、10年後シリーズ第3弾。
2013年10月号P.24~25に掲載された「起業」のこと。シンガポールで一旗揚げたいと思っている方、必見ですよ。



ビジネスコンサルタントに訊いてきました!
シンガポールで起業はアリですか?

シンガポールで一旗揚げてみたい! そんな野望を持つ日本人が増えています。

「まず最初に言っておきます。シンガポールでの起業は甘いもんじゃありません!」

当地のビジネスコンサルタントの先駆者であり、現在もご活躍の三浦さんは、そんな言葉とともに話し始めました。しかし、甘くはないが、チャンスはある。そのワンチャンスに賭けたいあなたのために、今回は心構えからレクチャー。ビジネスの知識が少ない女子にも分かりやすく、シンガポール起業の入門をお届けします。


Topic❶ 起業 vs 会社員 どちらを選ぶ?

シンガポールで起業すること自体は驚くほど簡単。
「1ドル・カンパニー」という言葉があるように、資本金は1ドルでも会社設立は可能です。

しかし、物価が高騰するシンガポールにおいて経営を維持し、軌道に乗せるまでの資金として、自分や家族の生活費も含め、最低でも20万Sドルは蓄えがないと厳しいのが実情。安易な考えで起業して、ギブアップした例をたくさん見ています。

だから私は誰にでも起業を勧めるわけではありません。日本の会社勤務であれば、厚生年金や健康保険もあり、安定した暮らしを望めるはず。

ですが……上司がいない、やりたかった仕事ができる、大きな成功の可能性がある、それが起業の魅力! そこで何よりも大切なのは、パートナーの同意です。安定志向の奥さんを不安にさせたり、サポートを得られなければ、本当の意味での成功はあり得ません。まずはパートナーとじっくり未来を話し合って。


Topic❷ シンガポールで起業するメリットは?

今やシンガポールは日本人が駐在したい国、人気ナンバーワン!
治安がよく、自然災害も少なくて、暮らしやすい環境が整っていますよね。ビジネスの面で言えば、日本より格段に景気がよく、アジアの経済・金融の中心として、今後更なる発展が見込めます。

税金が安いのも企業経営にとって大きな魅力。法人税は17%、個人所得税は日本と同様に累進課税ですが、上限が20%で、日本より圧倒的に低いです。政府の透明度が高く、会社の設立など、手続きもスムーズ。

周辺諸国へのアクセスも良く、拠点としても優れています。近年、私のクライアントで一番多い業種は、販売商社(トレーディング)です。ITや金融系、飲食業で起業するケースもよく見ますね。

Topic 1で起業自体は簡単と言いましたが、やはり海外での起業はコンサルタントなしでは色々と難しいことも。書類申請代行、ご自身のEP申請(取得が難しくなっています!)、銀行口座の開設など、プロにアシストを頼むのが得策です。始めようとしているビジネスがシンガポールに合っているかなど、経営プランの相談も大切!


番外編 先輩から学ぶ!
三浦さんの起業STORY

三浦さんが初めてシンガポールの地を踏んだのは1976年、27歳のとき。当時は大雨が降ればすぐに洪水となり、現在の発展ぶりなど想像も できなかったとか。8年間の駐在生活の間に、シンガポール人の女性と結婚し、二人の子どもに恵まれました。本帰国後、奥さまの希望で再びシンガポールへ。会社を退職して来たので、職探しからのスタート。

それまでの総務・経理のキャリアが買われ、シンガポール監査法人の日系企業担当として就職。新しい職場で三浦さんはがむしゃらに働きながらも思いました。
「この会社にいても、資格もないし、上を目指せない……」

そんな折、大学の先輩の紹介で、あるシンガポール人の弁護士と出会います。彼の話では当時、シンガポールに日本人の弁護士はおらず、そこ にビジネスチャンスを発見!
「日本人向けに、法律・会計・事務をサポートする会社を作ろう」

三浦さんは、これまでの経験をフルに生かし、当地のビジネスコンサルタントのパイオニアとなったのです。三浦さんはこのときを振り返り、 「本当にラッキーだった」と語ります。

「まず、仕事のチャンスをくれた弁護士の友人に感謝しています。家族もいたし頑張るしかないと開き直りの精神でしたね。起業したのが40歳。まだ若くて体力もあり、ある程度の経験も積んでいた。私の持論では、この年頃が独立しどきだと思います」

起業できたのは、人脈や良きご縁、そして家族の理解のおかげと三浦さん。創業以来24年、クライアントが未払いで逃げ出すなど、何度も辛い 局面を乗り越えつつも、やっぱり起業してよかったとにっこり。
「社長になってよかったことのひとつは、定年を自分で決められること。仕事が若さを保つ秘訣です」

豊富な経験と知識で、ときに辛口コメントを加えつつ、今日も若手の起業をサポート中!




Topic❸ シンガポール法人と個人事業の違いって??

シンガポールで日本人がビジネスをする際、最もメジャーな企業形態が「シンガポール法人」。
株式会社(PTE LTD)を設立することで、対外的な信用度を高めることができます。また税制面での優遇を受けることも可能に!

一方、「個人事業」は小規模のビジネスを始める際に適したストラクチャー。シンガポールでビザを持っている人なら、DP(配偶者パス)でも登録可能です。英語ができる方なら、オンラインで自分でマネージャー登録できるでしょう(www.acra.gov.sg)。法人税はなく、個人所得税の範囲で対応できるので、会計監査なども不要です。ただデメリットとして、トラブルが起きた場合、法的な責任もすべて個人が引き受けねばなりません。


シンガポールにおける外国人の主な企業形態
❶ シンガポール法人(株式会社PTE LTD)
❷ 個人事業(SOLE-PROPRIETORSHIP)
❸ パートナーシップ
❹ 駐在員事務所(本国に本社がある場合に限る)



Topic❹ 主婦の私でも起業できるの?

はい!
Topic 3でお答えしたように、DP保持者でも「個人事業」をスタートすることが可能です。最近では女性も積極的にビジネスをしたいという方が増えていますよね。ネイルサロンやアロマセラピーなどのスキルを生かした仕事や、フラワーアレンジメント教室など講師として活躍したいという方も。趣味と実益を兼ねたタイプは低予算で始めやすい個人事業をお勧めします。もしビジネスが成功したら、株式会社に変えればいいのです。

ですがいずれにせよ、始めようとしているビジネスに「NEED(需要)」があるかをしっかり見極めることをお忘れなく! 日本人のサービス業や飲食業は、競争率がかなり激しくなっています。挑戦すると決めたら、覚悟を持って!


番外編 三浦さん提唱!
シンガポールで起業を成功させる要諦

❶ 資金力
少なくとも半年、できれば一年は利益なしでも生き延びることができる貯金が必要。月々かかる家賃、オフィスの賃貸料が非常に高いことをお忘れなく。自分そして従業員への給料もかかる。教育費も高い。最低20万Sドルの蓄えは持っておきたい。

❷ ポジティブさ
本人も配偶者も前向きで明るいこと。この国ではノリが良く、本音で話せる人柄が好まれる。そして、パートナーが起業を応援してくれることが大事!

❸ NEED(需要)がある
「何の商売をするか」そして「シンガポールで生き残れる才覚が自分にあるか」その見極めが大切。飲食系や美容など、競争の激しい業界では、撤退もしばしば。「なんとかなる」は通用しない!

❹ 覚悟
最初から駐在員生活を維持できると思うのは甘い! 住まい、子どもの教育、給与など、生活レベルのダウンは致し方なし。駐在時代に仲の良かったローカルの下請けなどの甘い言葉に期待するべからず。独立後に態度が豹変する場合もあることを覚悟しよう。また、自分そして家族の健康は自分で守らねばならないので保険加入はマスト。

パルティ編集部のまとめ
シンガポールドリームの実現は甘くない。三浦さんのお話を聞いてつくづくそう感じたものの、私たちも起業して成功する可能性がまったくゼロではないことが分かりました。世の中をあっと言わせるアイデアとともに、いつの日か社長になってみたいもんだ。マリーナベイを見渡すオフィスを構え、イケメン秘書を傍らに……。いやいや、邪念は捨てよう。志のある起業家になるには、まず自分が何をやりたいのか、世間に需要はあるのか、しっかりじっくり考えねば!




2013年11月号/Vol.239

2013年8月号よりスタートした「十年後」企画。
やっぱりみなさん将来のこと、気になりますよね。不動産、就職、起業という少しおカタイ話題が続きましたが、今回のテーマは「美容」。 2013年11月号P.9~10に掲載された女子必見「美容」特集です!



美のエキスパートたちに訊いてきました!
常夏シンガポールで、若さキープの秘策とは?

11月号では、さまざまな角度から十年後いかに若々しくいられるかを考えます。「フェイス」「ボディ」「髪」それぞれのケアを取り上げ、美のエキスパートたちがイチオシの美容法を伝授。屋外では年がら年中紫外線が強く、室内ではエアコンの乾燥と戦わねばならぬシンガポールでは老化が早く進むという怖〜い噂も。そんな環境に負けないぞー!
まずはシンガポールで活躍中の輝く美のエキスパートたちのリアルな美容ライフをご紹介。


佐藤薫さん(54歳)
ビューティシャン/エステサロン「MARLY」オーナー

30代から50代までシンガポールで過ごしています。
日々の“肌観察”で状況をアップデートすることが大事!

実年齢が50代と聞いて驚いてしまう。趣味がゴルフと聞き、さらに驚きが増す。どうしたらこの美白肌を維持できるのですか?

「ひとえに自己メンテですね。ゴルフなどで紫外線を浴びた日は、必ずマスクで集中ケアします。毎日、鏡で肌を観察するようにして、変 化があったらアップデート。エイジング状況に合わせたケアに切り替えてきました。それからIPLは9年間続けていて、そのおかげか50代でも老化が目立って進むことはなかったかも」

とはいえ50歳の壁は高いと聞きますが……。

「確かに高いです。お客さまを見ていると、子育てがひと段落した40代後半から急激に老化が進んだというケースも。生活の変化に加え て、閉経したりで女性ホルモンの分泌が減りますから。ホルモンバランスが崩れると、どんな美容法も台無しです。スチレッチで成長ホルモンを促してあげるとか、内側からの改善が必要になります」

年を重ね、変化していく体と向き合いながら、そのときのベストを尽くす。そのポジティブさが内面から溢れ出て、心と体、両方の若さをキープしているのかも!




坂崎美貴さん(44歳)
ビューティシャン/エステサロン「MIKI BEAUTY SPA」オーナー

トラブルが起きてもジタバタしないこと。
肌の声に耳を傾けて、ブレない美容をコツコツ続けよう!

青山の人気ブライダルサロンでエステとヘアメイクを手掛けていたMIKIさん。女性が最も輝く瞬間を作り上げるプロとして活躍してきま した。新オープンのサロンでは美容マシンを駆使したフェイシャルを提供中。でも、彼女自身の日々の美容法は意外とシンプル。

「2年前からプラセンタの威力に魅せられて、3ステップの簡単なお手入れを続けています。吹き出物などのトラブルが起きても慌てず、まずは自分の生活リズムを振り返ることが大事。生理前の肌に過度な負担をかけていなかったか? 食生活が乱れていなかたったか? など、根本原因を突き止めて。そしてもし必要だったら、乾燥気味の肌にクリームを2度づけしてあげるなど、肌が本当に求める対処をしてあげましょう」

ずばり十年後、若さをキープするにはどうすれば?

「肌のトラブルに一喜一憂せず、自分に合った化粧品を見つけて、日々お肌を作り上げていくこと。そこにエステの定期メンテを加えることで、確実に未来の肌は変わります」

サロンでは、お客さんに合った自宅ケアも伝授。明るく気さくなMIKIさんと肌談義に花を咲かせていたら、なんだか不安が消えて心まで元気になってくる!




河野涼子さん(30歳)
「還元陶板浴エコパラダイス」ジェネラルマネージャー

女性の大敵“冷え”をポカポカ陶板浴で解消。
体が喜ぶことをしてあげれば、自ずと肌も心もキレイに!

常夏のシンガポール、暑いと思いきや、室内はキンキンに冷えていますよね。冷えは女性の大敵。肌老化を招き、ときには健康を損なう原因にも……。

「陶板浴は体の芯から温めてくれるので、本当に気持ちがいいんです。私自身、入浴するたびに体が喜んでいるのを感じます。汗と一緒に老廃物がどんどん出ていき、血の巡りもよくなっていく。それが結果的に美肌につながればいいですよね」

まさにナチュラルな健康美人といった印象の河野さん。でも実は病気を克服した経験をお持ちです。

「29歳のときに子宮頸がんになり、手術をしました。でもその後、抗がん剤や放射線治療はしたくなかったんです。私が選んだのは、免疫力を高めて、臓器の正常化を促してくれる陶板浴。手術前後3か月間、毎日2回の入浴を続けました。今ではすっかり元気になり、縁あって陶板浴の会社に就職して、海外で働くまでになりました!」

出張先などでは、自然と体が陶板浴を求めてしまうのだとか。陶板浴でたっぷり汗をかきつつ頭をカラッポにする時間は、心身のリラックスタイム。頑張り過ぎずにキレイになりましょ。





2013年5月号/Vol.233

2011年3月11日に起きた東日本大震災。あの日から2年経過した2013年、シンガポールでも、いろいろな取り組みやイベントがなされていました。今回ご紹介するのは、2013年5月号P.31に掲載されていたチャリティイベントの記事です。



☝記事内容

東北の被災した子どもたちと
デザイナーが作った元気のでるハンカチ
「JAGDAやさしいハンカチ展 PART 2」


2011年日本で開催された、東北震災チャリティイベント。
継続的な復興支援のため、今年はシンガポールでも開催されます。
今回は、岩手・宮城・福島の子ども達による絵をもとに、デザイナーがハンカチをデザイン。ハンカチの販売収益は各小学校へ還元し、被災地の未来のために役立てる使い道を、子ども達が主体となって考えます。子ども達とデザイナーが一緒につくった元気のでるハンカチを、ぜひご覧ください。

こんな取り組みも……(2013年8月号P.35掲載)




2013年8月号/Vol.236

続いても、渡邊 正樹氏の連載コラム「在外やぶにらみ」より支援活動についてのコラム記事です。



☝記事内容

在外やぶにらみ
大震災被災農家への支援活動
或る日系人のユニークな貢献


シンガポールとバンクーバー、規模的には比較し難いが、東西各国からの移民や企業が織り成す多民族・多文化都市という点ではよく似ている。そちらからここ北米西海岸に移住して最早16年経ってしまったが、カナダ人の国民性としてつくづく感心させられる特徴の一つとしてその弛まぬボランティア精神をあげたい。無論シンガポールにも諸宗教やコミュニティの団体で献身的に奉仕活動に励む方々がいるが、恵まれない人々や身体障害者たちの為に尽くすのは尊いという価値感がカナダほどは浸透していない。

こちらでは徹底していて、例えば大学入学の願書や就職活動においても高校時代まで遡るボランティア活動が重視されるほどだ。その精神をもって単独で日本に行き、東日本大震災の被災地を巡って地味ながらユニークな支援活動に励んでいるバンクーバー在住の日系人男性のことをこの程国内メディアが報道(東京新聞、2013年6月18日)。ご当人の思惑は如何にあろうと、推定2万人強という当地の日系人・在住邦人小社会では〈よくぞ故郷でカナダ魂を発揮してくれた〉と喜んでいる者も少なくない。

神谷嘉幸トーマスさんという沖縄県出身、68歳の方で、国内の建設機械メーカーで重機整備を担当していたが1975年に「新天地で新たな可能性に挑戦しよう」とカナダに移住、林業用重機整備などを扱う会社に2009年まで勤務しカナダ国籍も取得した。

有機野菜に興味を抱き菜食中心になったのが10年ほど前、以来健康はずっと快調の神谷さん、3年前にカナダと米国各地の有機農家を巡って無料で農機の整備をする奉仕活動を始めた。これまで三度の車の旅で計4万キロを走破して計165か所の農家をまわったそうだ。

東日本大震災以来「生まれ故郷の日本」のために何かしたかったが、修復活動が進み農機の点検が被災者の助けになるような頃合を見計らって、バンクーバー総領事館の紹介でNPO法人日本有機研究会・副理事長の魚住道郎氏(茨城県在住)と連絡を取り今年4月に日本に着いた。

軽ワゴン車でこれまでに千葉、茨城、栃木、福島各県十数か所を巡り数日間ずつ農家に滞在し、農機などのメンテナンスを実施、指導してきた。点検は無償で食事、電源とシャワーは農家に提供してもらい、ワゴン車内の簡易ベッドで寝起きする。5月下旬訪れた福島県二本松市の農家では「トラクターから煙が出た、使えるかな」と聞かれてエンジン周辺を点検、エアフィルターのごみ詰まりを発見した。「機械も人間も日ごろの簡単な手入れで長生きする」と説いて回る神谷さん、今後は西日本にも向かう予定で10月まで全国を行脚するつもりだそうだ。

バンクーバー同様そちらでも根気よく支援活動を続けている方々がおられようが、同氏の様な地味なボランティアは、その重要性を再認識させてくれる。



2013年7月号/Vol.235

続いては、ゲイランのディープな世界をご紹介すべく、2013年7月号P.18~19に掲載された記事の一部をピックアップ!色街ゲイランを垣間見つつ、珍味に出合う旅「ゲイランNIGHTツアー」、はじまりはじまり。
立ち寄ったお店情報
※この当時の情報です



まんがでその時の様子が描かれています☟





2013年5月号/Vol.233

続いては、この当時、人気だったシンガポール人のブロガーさんおすすめのコスメネタです。ブロガーという響きが、時代を感じますね。



☝記事内容

Pick Up by Nishino Pharmacy
SILKY VEIL ブライトパック


ボディの美白!顔のシミ・ソバカス解消!
超人気ブロガーが選ぶ“ワザありスキンケア”?

シンガポールでいま、人気ナンバーワンのブロガー、ドンちゃん。
彼女がおすすめする商品「SILKY VEIL」は、美容ツウとして知られる彼女がその効果に惚れ込み、カバーガールを務める逸品。ひとことで言うなれば、これは「インスタント美白クリーム」。なんと塗った瞬間にお肌が別人のように白くなるという魔法のコスメ!


Dawn Yang
シンガポール人の人気ブロガー、モデル、タレントとして東南アジアで幅広く活動。ブログ(www.dawnyang.com)の1日のアクセス数は5万件。

使い方は、2通り。1つはファンデのように、お出かけ前にひと塗りして一時的な美白効果を楽しむ方法。もう1つは、パックとして厚塗りで使用し、10分置いて洗い流す方法。クリームに配合された酸化チタンが細胞の中へ入り込み、日焼けによってできた色素を分解し、根本からお肌を美白に導きます。お顔に使えば、シミ・ソバカスが次第に薄く! さらに美白成分アルブチンを含む植物由来エキスや、コラーゲンなども配合。お肌に安全な素材のみを使用した日本製というのも高ポイント。美白を望む女子のみなさん、マストトライ!



人気ブロガーDawn Yangちゃん に訊きました!

「SILKY VEIL」を気に入った理由は?
確かな効果。肌に透明感と輝きが出るの! お出かけ前にいつも使っているし、夜はパックとしても愛用中。

友達やフォロワーの反応は?
既に半年間使用したけど、肌がきれいになったと絶賛してくれています。昔はアジア人特有の黄色がかった肌トーンだったんだけど、白くピンク系の色に変わったのがうれしい。



2013年1月号&8月号/Vol.229&236

続いては、レシピネタをご紹介。1月号P.11掲載の「パンレシピ」&8月号P.8~14掲載の「土鍋を使ったローカルレシピ」、一挙公開!


ほんの少しの工夫で、パンが大変身!
パンで作るおいしいレシピ集

recipe詳細はこちらをクリック☟




梓椒子のローカルレシピ
土鍋料理でおもてなし

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2013年9月号/Vol.237

2013年最後にご紹介するのは、9月号より連載がスタートした「em’s Craft journal by Emiko Nakamura」より。第1回目となるコラム記事が9月号P.38に掲載されました。不定期連載となりますが、ラオスやカンボジアの伝統工芸とモダンデザインについて、綴ってくださっています。



☝記事内容

Vol.1『ラオス タイ・ルー族の赤』


年に一度の自然の贈り物
ラックで染める深い赤の魅力

ラオスには50以上の少数民族が点在しています。どの民族にもそれぞれの伝統があって素晴らしいのですが、なかでも私が一番好きなのは「タイ・ルー」といわれる山岳民族です。

この7月、古都ルアンパバンをさらに北に上ったウドムサイ州との境にあるタイ・ルーの村を訪ねました。タイ・ルー族は優れた織り手として知られています。村を歩くと、あらゆるところで染めや織りの光景が見られます。

タイ・ルーはインディゴ(藍)染めで知られていますが、私は彼らの染める深い赤に魅かれています。ラックという虫を粉にしたものを使うのですが、同じ材料を使ってもこの深い赤ができるのはルアンパバン周辺のタイ・ルーだけなのです。ビエンチャンあたりだとラックを使って染めても赤というよりピンクに近くなります。

草木染めが主流のラオスですが、強い色は化学染料を混ぜることもあります。この村の赤には一目惚れしましたが、自然染めと聞いてさらに目を見張りました。この陰影のある深い赤は自然の力なんだと思います。そう、まさに自然の偉大さを感じさせる色なのです。しかし、ラックは年に一回しか入手できず(12月)、欲しい赤を手に入れるまでは長い道のりです!

伝統工芸を進化させて現代につなげようというのがemコレクションのコンセプトです。
私のオリジナル・コレクションと並行して、emの原点である少数民族の世界を紹介する「VillageWorks」というプロジェクトを去年からスタートさせました。この秋はこのタイ・ルーの染織を紹介します。タイ・ルーの赤の布を使ってデザインしたオリジナルバッグにもご注目!


※広告は当時のものです

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