#Child Mental Health

【子育て相談Q&A】
療育に興味があります。どのような子どもを対象に、何をするのですか?

子育て相談Q&A

今日の相談
療育に興味があります。どのような子どもを対象に、何をするのですか?


❶ 療育(発達支援)とは

「療育」という言葉は、元々は、身体障害のある子どもへの社会的自立を目指すチームアプローチに用いられていました。現在、厚生労働省は支援の対象を『障害のある子ども又はその可能性のある子ども』と定めています。「発達支援」も「療育」と同じような意味として使われるようになりました。


療育(発達支援)とは、『子ども一人ひとりの状態及び発達の過程や特性等に応じて、今ある発達上の課題の解決を目指し子どもへの支援を行うこと』です。子どもは一人ひとり発達のスピードや特性が異なります。その子に合わせた関わり方、支援、指導を行うことで、できることを増やしながら、課題の解決を目指します。


ときどき「療育は障害の診断がある子だけですよね?」と質問を受けますが、そのようなことは決してありません。障害の診断の有無に関わらず、療育を受けてできることを自信と共に増やしていかれるお子さんはたくさんおられます。大切な視点は、「お子さんが困っているかどうか」だと感じます。そして、お子さんの課題を解決するために、保護者の方が環境調整や関わり方を学ぶペアレントトレーニングを受け、ご家庭で活かされることもあります。



❷ 療育の内容(こころんの場合の例)


■SST(ソーシャルスキルトレーニング)

集団行動をとったり、人間関係を構築したりする上で必要なスキルを養います。「教示→モデリング→リハーサル(ロールプレイング)→フィードバック→般化」の順序で、コミュニケーション、仲間関係、情緒等に関するトレーニングを行います。

■ことば(話す・聞く)のトレーニング

語彙、頭の中で文を組み立てる力、順序良く話す力、聞いたことを理解する力、聞いたことを覚えて行動する力、質問されたことに対して適切に答える力など、お子さんの特徴に合わせて行います。

■ビジョントレーニング

字を上手に書けない、読み飛ばしが多いなどの場合、目の動きが鈍い・見比べる力が弱い場合があります。眼球運動がスムーズになるよう鍛え、視覚認知を鍛えるトレーニングで見比べる力を養います。

■ゆび先トレーニング

不器用さが顕著である場合や指先の力が強すぎるまたは弱すぎる場合、園での生活や学校での学習で困る場面が出てきます。適切な力で、できるだけ丁寧に、適度な速さで作業をこなす力を養います。

■学習指導

LD等の障害がある場合や学習における困難や特徴が明らかな場合、お子さんの学び方に合った方法・教材で学習をサポートします。


世の中にはたくさんの療育の方法がありますが、こころんでは、「園・学校生活」「人間関係」「情緒」「学習」に重きを置き、心理学と教育学両方からのアプローチで療育を行っています。毎回の記録や個別の指導計画を作成し、今後の支援や帰国後の支援にすぐに活用していただけるようにサポートするとともに、厚生労働省のガイドラインを基にPDCAサイクル(Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善))に取り組んでいます。


療育について、いつでもお気軽にご相談ください。シンガポール在住のお子さんたちが、健やかに成長されることを願っています。





まとめ

療育(発達支援)は、障害のある子ども又はその可能性のある子どもに対し、一人ひとりの状態及び発達の過程や特性等に応じて、今ある発達上の課題の解決を目指し子どもへの支援を行うことです。





教えてくれたのはこんな人

西河 彩恵子
「子どもと家族の心理相談室 こころん」 臨床心理士・公認心理師。日本の小学校で心理士資格を持つ教員として、担任と特別支援教育コーディネーターや教育相談との兼務を経験。日本臨床心理士会、日本心理臨床学会、日本LD学会、シンガポール心理学会(SPS)の正会員である。

子どもと家族の心理相談室 こころん
https://kokoron-sg.com

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