女性の不調・お悩み解決
生理痛は無いのが当たり前!
「生理痛はあるのが当たり前」「病気じゃないんだから生理痛で薬を飲まない」なんて聞いたことがありませんか?
実は、
生理痛は「月経困難症」というれっきとした病気です。
データによれば、仕事を月経困難症によって休んだ、あるいは制限した日数は、半年で0.40~1.44日。日本全体での経済学的影響は年約3,780億円と推計されています。
※平成12年度厚生科学研究・リプロダクティブヘルスから見た子宮内膜症などの予防、診断、治療に関する研究
ではなぜ生理痛は起こるのでしょうか?
生理痛はさまざまな原因がありますが、大きく分けると、
機能性疼痛(子宮の収縮などによるもの)と
器質性疼痛(子宮内膜症などの疾患によるもの)に分けられます。
どちらでも最初にすることは同じで、
まず痛み止め(鎮痛剤)を早めに飲んでください。
痛みは、サイトカインと呼ばれる痛み物質の刺激よって起きますが、
鎮痛剤はサイトカインを消すのではなく、これから作られることを妨げることによって痛みを減らします。できてしまえば消せないので、ひどくなってからでは効きません。また、サイトカインはお腹の環境を悪くすることにより、子宮内膜症を悪化させ、将来の不妊症にも関係すると言われています。
次に、
ホルモンのコントロールです。
女性ホルモンは、毎月排卵の度に分泌されますが、このホルモンの目的は本来妊娠を維持することなので、どうしても過剰なホルモンができてしまいます。それが月経困難症や月経前症候群につながっていると考えられています。
そこでお勧めなのが「低用量ピル」です。
ピルは本来避妊のための薬ですが、ホルモンをコントロールすることによって、生理痛が楽になる、経血が減る、生理前のイライラや排卵痛も良くなる、生理開始日も自由に選べると、良いこと尽くめです。
ピルは、避妊法としては一番確実な方法なので、残念ながら今すぐ妊娠を希望する方には使えません。
まだ妊娠は考えていないけど将来妊娠したいという方にとっては、排卵を防いで卵が減ることを防げるので、非常にメリットの多いお薬です。
日本人はなぜかあまりピルを飲みませんが、例えばフランスでは月経がある方の41%がピルを服用しているというデータもあり、
もっと日本でも普及してほしいお薬です。
ただし、血がかたまりやすい(血栓傾向がある)方は使えません。ですが、今は子宮内に入れるだけで5年間効果があるホルモン療法(ミレーナ®)もあり、これは血栓傾向のある方も使えますので、さらに生理のコントロールが容易になりました。
生理痛に悩まされることなく、快適な健康ライフを送るためにも、ぜひ産婦人科でご相談ください。
今月のまとめ
● 生理痛は無いのが当たり前
● 鎮痛剤は早めに服用
● 低用量ピルを使ってみましょう
教えてくれたのはこんな人
鍋島 寛志先生
日本メディカルケア院長、産婦人科医。
数千例のお産を取り上げた経験があり、当地でもローカル医とタッグを組んで分娩まで担当。
また乳がんなど、女性特有の病気の知識と経験も豊富。
日本メディカルケア
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