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【Women&kids’ Health】
入園すると 病気にかかりやすくなるのはなぜ?

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入園すると 病気にかかりやすくなるのはなぜ?

つい最近まで親の後をついてよちよち歩いていたかと思っていたのに、入園式での我が子の晴れ姿、遊んでいる姿を見て感慨にふける方 は多いのではないかと思います。そして幼稚園や保育園で沢山の友達を作り、元気いっぱいに遊んで勉強をしてくれることも期待していることでしょう。


しかし、幼稚園や保育園に通うようになると避けられないことがどうしても出てきます。それは必ずではないのですが、病気で休むことが多くなるということです。


原因としては、今までは家族や極限られた友達と接する比較的閉じられた環境であったのが、さまざまな年代の不特定多数の人たちと交流する開かれた環境へと変化することによります。つまり入園後に体力・免疫力が落ちて病気にかかりやすくなったのではなく、今までが病気をもらいにくい環境であっただけなのです。


風邪をひいていたり胃腸炎があっても症状が軽ければ登園することもありますし、そもそもウイルスを持っていても症状がなければ普通に登園します。そのような環境に、病気に対しての免疫をほとんどもっていない子どもが入ればあっという間に感染が起きてしまいます


よくある例として、月曜日は元気に登園したけれども、火曜日や水曜日辺りに風邪や胃腸炎になり、週の後半は登園できず、そのまま週末を迎え再び元気になる、ということを繰り返すことがあります。


入園後から風邪や胃腸炎を繰り返しているとずっとそのような状態が続くのでは……と心配されるお母さんたちの声を外来診療中によく 聞きます。しかし、同じような方々を継続的に見てきた経験で言うと、半年から1年もすると多少の病気にはびくともしない体へと成長していきます。そしてお母さんたちも段々と子どもの症状を冷静に判断できるようになってきて、受診したほうがいいかどうかの判断がつくようになりますので、決して終わりがないわけではありません。


また、兄弟がいる環境では入園前から病気になりやすい一方、入園後はそれほど病気にならないということもよく見られます。幼稚園・保育園は、集団生活やいろいろなことを学ぶ場所であると同時に、病気になりにくい体へと成長していく場所でもあります。一生、風邪や胃腸炎にかからないことはありません。であれば慌てず騒がず、適切な判断をして楽しい園生活になるように支えていってあげましょう






教えてくれたのはこんな人

佐藤健一
日本メディカルケア家庭医。日本・シンガポールで家庭医として豊富な経験を持ち、小児から大人まで幅広い年齢の方々のさまざまな疾患の診察を行う。乳幼児健診、子育てへのアドバイス等にも定評がある。



日本メディカルケア
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