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【Women&kids’ Health】
「子宮頸がんワクチン」の効果について

女性と子どもの不調・お悩み解決

最新論文がスウェーデンから発表
「子宮頸がんワクチン」の効果について

先日、医療関係者が待っていた論文がスウェーデンから出ました。それは子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を受けることによって子宮頸がんの発生率が下がるというものです。
今までは子宮頸がんワクチンを打つことで子宮頸がんウイルス(HPV)にかかる可能性が減るというところまでだったのですが、今回の発表で癌そのものの発生も減ることが示されました。

具体的な効果は下のグラフを見てもらいたいのですが、17歳未満でHPVワクチンを受けた方の子宮頸がん発生率は受けてない方の12%までに減少しています。それ以上の年齢でも研究対象である30歳まででは47%の減少が見られています。



このことから17歳未満の女性に対しHPVワクチンを接種することで子宮頸がんの発生を現在の約10%にまで、30歳までの方でも子宮頸がんの発生を約半分に減らせることになります。

この結果を受けて、世界ではHPVワクチンを定期接種することが推進されるでしょうし、その結果として確実に子宮頸がんの発生は減っていくことが推測されます。おそらく日本を除いては……。

センセーショナルな報道ばかりで本質を見失っている日本ではいつまでたっても接種率は高まることが期待できません。そのためこのままでは、この先も残念ながら子宮頸がんの発生率は下がらないでしょう。

親として子どもが先に癌になってしまうことほど悲しいものはないかと思います。子宮頸がん検診を受けられて早期発見することも大切ですが、何よりかからないようにしてあげることも大切ではないでしょうか。




教えてくれたのはこんな人

佐藤健一 先生
日本メディカルケア家庭医。日本プライマリ・ケア連合学会 専門医・指導医、College of Family Physicians Singapore会員。日本・シンガポールで家庭医として豊富な経験を持ち、小児から大人まで幅広い年齢の方々のさまざまな疾患の診察を行う。乳幼児健診、子育てへのアドバイス等にも定評がある。

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