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食べて解決!年末年始に向けて 肌のハリを保つためにできること

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食べて解決!年末年始に向けて
肌のハリを保つためにできること

多くの方は肌のハリをいつまでも気にされていることと思います。今回はその肌のハリを保つためのヒントをお伝えしたいと思います。

皮膚や血管、骨、臓器など、我々の身体の中では「タンパク質」は非常に重要な役割を果たしている成分の一つです。そして、「コラーゲン」はタンパク質の一種であり、体内のタンパク質全体の30%程度を占めると言われています。ですが、皮膚の真皮という場所にあるタンパク質のうち70%はコラーゲンで構成されており、その多量に含まれるコラーゲンによって肌のハリは保たれています。

肉や魚などに含まれるタンパク質(その重さの約20%がタンパク質の量です)は身体の中で分解されてアミノ酸やペプチドという小さい物質に分解され、身体の中に吸収されていきます。そして吸収されたアミノ酸が身体の中で再びタンパク質やコラーゲンに合成されて、身体の各部位に運ばれ活用されていきます。

この過程はサプリメントの形で摂取したコラーゲン製品も同じで、一度アミノ酸やペプチドに分解されてそれから身体の中に入って全身に行き渡ります。ですので、サプリメントのコラーゲンが特定の場所にだけ多く届くということはありません。

タンパク質の1日あたりの摂取目標量としては、男性は60~65g、女性は50g (妊娠中期は+5g、後期は+25g) となっていますが、食事から十分なタンパク質が摂れていればコラーゲンが不足するということは基本的にありません。

しかし、日常の生活で摂取しているタンパク質が減る、もしくは怪我や感染症などにより体内で大量にタンパク質を必要とする状態になると、タンパク質が不足します。そのことによって免疫力は低下し、代謝も下がる可能性も出てきます。また不足したタンパク質を補うため、自分の筋肉を分解してしまうので筋肉も減っていきます。ですので、しっかりとタンパク質を摂ることが健康を保つには重要となるのです。

それならばサプリメントでコラーゲンを簡単に補ってしまおう、と考えるかもしれませんがサプリメントも実は万能ではありません。というのも、サプリメント内に含まれているコラーゲンでは必須アミノ酸(身体の中で作ることのできないアミノ酸)の含まれている量が少ないため、食べ物からもタンパク質を摂ることが重要になってくるのです。

残念ながら世の中では「ダイエット」や「健康にいい食事」というと野菜中心で低カロリーの食事にばかり目を向けてしまいます。しかし「低カロリー=健康」ではなく、「低カロリー=低栄養・低タンパク質」であり、肌のハリの低下になり得ることを忘れてはいけないのです。

これから年末年始にかけて食事に出かける機会が多くなるかと思います。その際は良質なタンパク質を意識的に摂取し、肌のハリを保てるようにしてみてはどうでしょうか。食生活に関するご質問がある方は、お気軽に家庭医にご相談ください。






教えてくれたのはこんな人

佐藤健一 先生
日本メディカルケア家庭医。日本プライマリ・ケア連合学会 専門医・指導医、College of Family Physicians Singapore会員。日本・シンガポールで家庭医として豊富な経験を持ち、小児から大人まで幅広い年齢の方々のさまざまな疾患の診察を行う。乳幼児健診、子育てへのアドバイス等にも定評がある。

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