前回のポイント(カビへの対応 ①)
● カビ対応に効果的なのは除湿器の多用
● エアコン利用の際はそれぞれの扉を閉めて利用するのが基本
● 窓を開けてエアコンを利用するのは厳禁
● キッチンで油調理をする際はキッチンの扉を必ず閉める
● ときどき天井の状況の確認をする
● 天井埋め込み型エアコンの吹き出し口の結露に注意
カビへの対応 ②
前回に引き続き、カビの注意点について山田さんが佐藤さんに説明します。
佐:エアコンに関しては
天井の状況をよくチェックすることと埋め込み型エアコンの吹き出し口が結露した場合にはモップなどで拭き取ることが大切なのですね。
山:そうですね、カビが発生した場合には理由の如何にかかわらず、基本的に入居者の責任となりますので、十分注意が必要です。
佐:そうすると、しょっちゅうエアコンの除湿機能を使っていた方がよいということでしょうか?
山:それはダメです。大抵のエアコンに除湿機能がリモコンについていますが、除湿機能を多用するとエアコンの排水ダクトが詰まりがちで、除湿した水が逆流して室内機から水がボタボタ漏れることになりやすいので、
通常の冷房機能で24度くらいにセットしてご利用ください。
佐:なるほど、以前ご説明があったように、冷え過ぎたらその都度こまめにオンオフが必要ということですね。
山:そうです。それから、カビの問題が最も発生しやすいのがバスルームです。シンガポールでは、
通常、窓があるバスルームには換気扇がなく、窓がないバスルームには換気扇が設置されていますが、時々設計ミスで窓がないのに換気扇がないケースや換気扇が壊れているケースもありますので、確認が必要です。
佐:換気扇が壊れているかどうかはどのようにして確認するのでしょうか?
山:
ティッシュを、換気扇をオンにして当てて、きちんと吸い込まれているかどうかを入居時に確認する必要があり、壊れていれば初期不良ということでちゃんと修理を依頼しなくてはいけません。
佐:窓がある場合にはどうすればよいのでしょうか?
山:
シャワーやお風呂を使うたびに、窓を全開にしてきちんと換気をする必要があります。とくに最近、ガス給湯が多くなってきており、日本人の方々で熱いお風呂に入る場合にはこの換気を徹底しないとカビが発生しやすくなります。
佐:その場合にもやはり
カビ発生の責任は入居者が取らなくてはいけないのですね。
山:当然そうなります。そのため換気が十分できない場合には、除湿器と併用する必要があります。
佐:カビが生えてしまったらどうすればいいですか?
山:
自己負担で天井塗装をやり直さないといけませんが、その場合には防カビ塗装で塗り直す必要があります。通常のペンキですとカビがすぐに再発生してしまいます。
今回のポイント
ポイント1
● 埋め込み型エアコンの結露はこまめにモップなどで取り除く
ポイント2
● エアコンの除湿機能は使わずに、通常の冷房機能で温度設定は24度とする
ポイント3
● 浴室の換気のため、窓を全開にして湿気をきちんと取り除く
ポイント4
● 窓がない場合には換気扇がきちんとあるかどうか、ある場合には機能し
ているかどうかを確認する
ポイント5
● それでも湿気が気になる場合には除湿器を併用する
ポイント6
● カビができてしまった場合には基本的には入居者の責任
ポイント7
● カビができた場合の塗装のやり直しは防カビ塗装で行う
教えてくれたのはこんな人
高野 徹
82年東急不動産入社。93年から駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
また現在、野村不動産から資本を50%受け入れ野村不動産グループに。
その他、日本のリログループ、リログループの100%出資の米国リダック社とも業務提携(日本、米国、ヨーロッパ不動産賃貸)。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。
お問い合わせは、takano@tokio.com.sgまで
www.tokioproperty.com.sg