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【佐藤さんの住宅探し】
エアコンの定期点検②

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前回のポイント(エアコンの定期点検①)

● エアコンのメンテナンスは必ずしも家主負担ということではない

● 賃料や他の条件の1つとしてテナントが負担しなくてはならないこともある

● その場合でも重要な条件の1つとして、他の条件を諦めてもエアコンメンテナンスは家主さんの負担としておいた方がよい

● 小修繕条項との関係でエアコンの修理、ガス補充、化学洗浄の費用については全額家主さんの負担としておいた方がよい(ただし、テナントにエアコンの利用等に過失がある場合は除く)




エアコンの定期点検

今回も引き続き、エアコンのメンテナンスについて不動産業者の山田さんが佐藤さんに説明します。


佐:エアコンメンテンナンスについて他にはどのようなことを注意すべきでしょうか?


山:エアコンメンテナンスの記録は家主負担、テナント(借り手)負担にかかわらずきちんと取っておかなくてはなりません。


佐:記録とはどのようなものですか?


山:メンテナンスが終了した際に、基本的にはエアコン業者がメンテナンスレポートとして記録をくれます。この記録を将来の退去時まで、きちんと取っておくことが重要です。よくメンテンナンスが家主負担だからといって何も記録を取っておかない人がいますが、そうすると家主さんから退去時に<メンテナンスをやったかどうかの記録がないので、やっていない可能性があり、その負担はテナント負担>と言われることがときどきあります。


佐:それは大変ですね。


山:この記録を取っておくこと以外に、メンテナンスが家主負担だからといって全然エアコンメンテナンス会社に連絡をしないでいるとメンテナンスに全く来てくれません。


佐:でも家主さんが連絡してくれているのではないですか?


山:家主さんはエアコンメンテナンス会社と契約してアレンジはしていますが、メンテナンスの依頼は入居者のテナントさんから連絡する必要があります。


佐:え、メンテナンス会社は連絡してくれないのですか?


山:日本では信じられない話ですが、こちらでは個人営業のエアコンメンテナンス会社が多く、連絡が来なければメンテナンスに来てくれません。


佐:そうするとせっかく家主さんに負担をお願いしても私たちが連絡しないと全く来てくれなくて、その責任は私たちにある、ということですか?


山:ちょっと不合理な感じがしますが、その通りです。大きなちゃんとしたエアコンメンテ会社ではきちんと3か月に1回のメンテの連絡をしてくれます が、個人でやっている会社はこちらから連絡しないと来てくれませんので、テナントさんでちゃんとスケジュールを管理してメンテ会社に連絡する必要 があります。


佐:家主負担でメンテナンスをお願いした場合、メンテ会社をテナントは指定できるのでしょうか?


山:それを最初のレターオブインテントに明確に記載していない限り、お金を出すのは家主さんですので、一般的には難しいと言えます。




今回のポイント

ポイント1

● エアコンメンテナンスの記録は必ず取得し、将来の退去時まで保存しておく

ポイント2

● この記録がないと家主さんからエアコンメンテナンスについて追加費用を要求されることがある

ポイント3

● メンテナンスが家主負担の場合でもテナントがメンテナンス会社に連絡しないとメンテナンスに来てくれないことが多い

ポイント4

● メンテナンスが家主負担の場合、テナントがメンテナンス会社を指定することは当初の条件に入れなくてはならず、そうでない場合は指定することはほぼ不可能





教えてくれたのはこんな人

高野 徹
82年東急不動産入社。93年から駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
また現在、野村不動産から資本を50%受け入れ野村不動産グループに。
その他、日本のリログループ、リログループの100%出資の米国リダック社とも業務提携(日本、米国、ヨーロッパ不動産賃貸)。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。

お問い合わせは、takano@tokio.com.sgまで
www.tokioproperty.com.sg



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