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【佐藤さんの住宅探し】
エアコンの定期点検④

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前回のポイント(エアコンの定期点検③)

● エアコンからの水漏れは構造的なもので、建物がある程度古かったり(築4~5年以降)、使用状況によってかなりの頻度でシンポールでは発生する

● 通常のエアコンメンテ作業により、ある程度解決する

● 水漏れの頻度が高い場合には化学洗浄が必要

● その費用は家主負担とすることができるが、契約によっては一部入居者負担となることもある




エアコンの定期点検

今回も引き続き、エアコンのメンテナンスについて不動産業者の山田さんが佐藤さんに説明します。


佐:エアコンはシンガポールでは必須ですので、トラブルが起きると大変ですね。


山:そうですね、シンガポールでは、メンテよりも見た目を気にして作るケースが多いので、エアコンが天井埋め込みになっているケースが多く見受けられます。


佐:そのような場合のメンテとか修理はどうするのでしょうか?


山:基本的に機械の本体部分が天井の中にあるため、定期的なメンテも非常に難しく、なかなかきちんとできません。また、修理となると大幅に天井部分をカットして本体部分を露出させて行う必要がありますので、結構な工事になります。


佐:その間、住むことはできるのでしょうか?


山:工事期間中はカットした天井からゴミが落ちてこないようにブルーシートでとりあえずカバーして行いますが、どうしてもホコリが出ますので、その間は家具等については自身でカバーしておく必要があると思います。


佐:機械の交換となると大変な工事ですね。


山:場合によっては天井をかなりの部分カットして、室外機との接続も行いますので、費用もかかるため機械の交換をせずに新しく外付けの室内機をつけてしまうケースもあります。


佐:せっかく見た目が良く作ってあるのに、現在のエアコングリルの上に別の室内機を付けてしまうのですか? なんだかみっともないですね。


山:この工事方法の方が簡単でお住まいになっている方の負担も少なく、工事期間も短いようです。


佐:なるほど、住んでいる人にとってはエアコンがすぐに付いた方が生活に支障はないですよね。


山:でも通常このようにエアコンを交換するような工事の際には、家主さんが大部分の金額を負担するため、何社も見積をとり、その都度状況をお客さまが見せないといけないので結構、工事方法や業者が決まるまでに時間がかかり、エアコンがない状態が2週間くらいは続くことになります。


佐:それは困りますね、もっと早くお願いできないものでしょうか?


山:家主さんが修理を全くしないのではなく、見積を取って工事をしようとしているので、なかなか文句を言うことができないのが現状です。


佐:そうするとエアコンの交換が必要だと分かってから見積に2週間、修理に1週間弱、合計3週間くらいはエアコンなし、ということになってしまいますね。


山:そうですね、ですのでお住まいを選ぶ際にはなるべくエアコンが埋め込みになっていないタイプを選ぶのが無難、ということになります。




今回のポイント

ポイント1

● エアコン埋め込みタイプの場合、メンテが難しく、交換には非常に時間がかかる

ポイント2

● エアコン埋め込みタイプの修理は天井を剥がして行う

ポイント3

● 古い物件(10年以上)で、エアコン埋め込みタイプの場合、このような可能性が高くなる





教えてくれたのはこんな人

高野 徹
82年東急不動産入社。93年から駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
また現在、野村不動産から資本を50%受け入れ野村不動産グループに。
その他、日本のリログループ、リログループの100%出資の米国リダック社とも業務提携(日本、米国、ヨーロッパ不動産賃貸)。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。

お問い合わせは、takano@tokio.com.sgまで
www.tokioproperty.com.sg



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