前回のポイント(賃料上昇が続くコンドミニアム)
● 現在のように需給動向が逼迫している市場ではすぐに入居できるような
物件はあまりない
● 入居はか月くらい先になることを覚悟しておいた方がよい
● 人が入居中の物件を選ぶ場合、特にマットレスや洗濯機、冷蔵庫の中の
臭いなどを確認することができないので、心配であれば予め撤去をお願
いする
● 撤去後は自分で購入やリースすることを覚悟する
古い物件の選び方
不動産仲介業者の山田さんとコンドミニアムを見学している佐藤さん。
佐:賃料がものすごく上がったので、今までと同じような場所で選ぼうとすると、より小さなものか、より古いものを選ばざるを得なくなりますね。
山:おっしゃる通りです。今と同じようなご予算で同じような場所を選ぼうとすると、これまでのように築年以内とは言っていられなくなります。
佐:そういう古い物件を選ぶポイントは何でしょうか?
山:まず第一に確認しなくてはならないのはエアコンです。ご存じのように
シンガポールではエアコンの使用頻度が多いため、しょっちゅう壊れると生活に支障をきたします。そのため、エアコンが新しめのものに交換されているかどうかが第一のポイントになります。
佐:そうですね、家主さんは投資家の方々が多いので、いずれ売る物件にお
金をかけて交換しようとする人はあまりいなく、なるべく修理で済ませようとする傾向が多いのはよく分かります。
山:とはいっても、エアコンの寿命は大体10年くらいですので、いくらなんで
も15年も交換していないようなエアコンが付いている物件は避けた方がよいでしょう。
佐:第二のポイントはなんでしょうか。
山:その次に大事なのはやはり水回りでしょう。水回りでもとくに配管の状況をきちんと確認しなくてはなりません。
佐:どのように確認すればよいのでしょうか?
山:シンガポールでは配管は壁に埋め込まれているので、配管からの水漏れが大変確認しにくい状況にあります。配管の寿命も大体年くらいですので、配管がすでに交換されているかどうか分かるとよいですね。給水管が壁に沿って外に設置されているものは過去にすでに水漏れが壁の中でおきて交換したという状況です。そのため、見栄えは悪いですが、すでに配管が交換されていることが分かります。
佐:なるほど、自分のユニットのことは分かりますが、上の階の状況はどう判断すればよいのでしょうか?
山:残念ながら上層階の配管までは分かりません。
佐:そうですよね。第三のポイントはなんでしょうか?
山:同じく水回りのキャビネットの中の状況です。この部分は一番水漏れが多いので、水漏れによりキャビネットの中がカビだらけになっていたり、カビの臭いがあったりすることがあります。その場合にはキャビネット全部を交換しないと対応できません。
今回のポイント
ポイント1
●古い物件を選ぶ第一のチェックポイントはエアコンが交換されているかどうか、室内機と室外機の両方をきちんと確認する
ポイント2
●第二のポイントは配管が外出しになっているかどうか、なっていなければ将来壁の中で水漏れを起こす可能性が高い
ポイント3
●第三のポイントは水回りのキャビネットの中を必ず確認し、カビ臭くないかどうか、キャビネットの中の板が湿気で腐っていないかどうかを確認する
教えてくれたのはこんな人
高野 徹 Toru Takano
82年東急不動産入社。93年から駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
また現在、野村不動産から資本を50%受け入れ野村不動産グループに。
その他、日本のリログループ、リログループの100%出資の米国リダック社とも業務提携(日本、米国、ヨーロッパ不動産賃貸)。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。
お問い合わせは、takano@tokio.com.sgまで
www.tokioproperty.com.sg