mental care

【心ひも解くヒント】
インポスター症候群

成功していても不安が大きく「頭が悪い」「知識が浅い」「仕事ができない」と思われることを恐れて発言することに恐怖を感じていませんか?

努力をして夢を実現させ輝いている人々、例えば一流企業のプロジェクトでリーダーシップを取ったり、超難関の試験に合格するなど、人生が上手くいっている人たちを、皆さんはどういう目で見ていますか? 羨望の眼差し? あるいは自分とは住む世界が違う、と一線を引いてしまっているでしょうか?

でももしかしたら、あなた自身がその「できる人」「成功者」かもしれませんね。


さて、周りに承認され、羨ましがられている人たちの中にも、実は不安で自信がない人もいると聞くと、驚くでしょうか?


「インポスター症候群」の人は、このような成功や素晴らしい人生を自分の努力、実力で掴んだのではないと感じている状態にあります。または、より相応しい自分ではない人が享受すべき人生を、不適格な自分が今たまたま代わりに歩ませてもらっているという感覚に苛まれている状態です。ですから、周囲の” 本当“に優秀な人たちに対して、畏敬の念と困惑、後ろめたい気持ちを持っています


彼らはよく「周りはとても聡明な人ばかりで、物怖じしてしまう」「自分がこのポジションに相応しいだけの知識がないこと は、既に気付かれているか、いずれ気付かれる」「発言するのが恥ずかしい」というようなことを言います。つまり、現在の成功は、偽りの上に 存在しており、自分はそれに値するような才能は持っていないと感じているのです。


インポスター症候群は、正式な精神疾患とは認識されていませんが、ある有名企業では、入社後の最初の研修で「こういった症候群があると知っていますか? このような感覚は皆が同じように経験しているので、心配いりませんよ」と教えられることもあるくらい、決して珍しいものではありません。私が診療をしているなかでは、一流企業(とくに理系脳の社員が比較的多い職場)に勤めている20~30代の人たちと、努力家でそこそこの能力のある女性により多くいる印象です。


あなたがそうであれば、自分自身を労わり、優しく接するように心がけてください。今現在ある立場は、決して運や別の人の代替では、辿り 着けない場所ではないでしょうか? 仮に運の良さがあったとしても、それは何度もは起こりませんし、程度や範囲に限度もあります。


あなたは、自分の意思で決断をし、ここまでの道のりに最善を尽くし、そのために少なくない犠牲を払ってきたのではないですか? ときには睡眠やソーシャルライフも削り、もしかすると欲しくても諦めてきたものもあるでしょう。あなたが選ばれて今ここにいるのは、あなたが自分よりも才能があり優秀だと信じている誰かが、あなたを選んだことによるものです。その優秀な人は、あなたが「偽り」だとして、それを見抜けないのであれば、さほど聡明ではないということにならないでしょうか?


This Month’s Hint(今月のヒント)

自己卑下が多く、勤勉で完璧主義の人、褒められることが苦手な人は、インポスター症候群になりやすい傾向があります。心理療法も試してみましょう。



教えてくれたのはこんな人

山形千尋
BeeYrOwn心理士。(応用心理学修士・カウンセリング学修士)
オーストラリア・カウンセリング協会会員、シンガポール公認心理士。

BeeYrOwn Psychologist & Therapist
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