mental care

【心ひも解くヒント】
「苦情」と「批判」

人との関係に、意見が食い違ったり、摩擦が生じたりするのは当たり前。
どう表現するかが大切で、言わないことが正義ではありません。
※ただし、どうでもよい相手は除きます

あなたは夫婦間、親子間、毎日顔を合わせる同僚や、友人、近所の人に対して、自分とは合わないとなんらかの部分で感じたら、どうしますか?
あえて言葉を選ばずに言うと、自分にとって「大して重要でない人」、いわゆる「どうでもいい人」の場合は、今回は触れません。今回は、自分の人生にとって大切な相手との間に摩擦が生じたり、不満や苦手に思うところや、不快に感じることがあるときに、どのように対応するのがよいのかということを考えてみましょう。


まず、無理して何でもないように振舞う、考えないようにする、あるいは関わらないようにするというのは、解決にはなりません。そんなことを続けていたら、感情が押し込められ、知らないうちに関係のない相手に八つ当たりをしたり、心にあった優しい気持ちがなくなり、常にイライラすることが日常化してしまいます。そして何が嫌だったのか、いつしか自分の本当の気持ちさえ分からなくなってしまうかもしれません。


不満や反対意見をどのように表現するかは、夫婦間、親子間はもとより、全ての対人関係では重要なスキルです。それをすることにより、お互いの理解を深め、関係をより強固で信頼のおけるものに導くチャンスでもありますし、モヤモヤ解消への問題解決に繋がります。


自分はこれまでも一生懸命、それをやってきたけれど、相手がそれを聞いてくれない、変わってくれないということもよく聞きます。しかしその前に、あなたの伝え方がどうだったかもう一度考えてみましょう。


夫婦関係の専門家、心理学博士のジョン・ゴットマン氏曰く、ポイントは「相手を批判せずに、苦情を言う」というものです。


苦情とは……具体的な事例を問題にすること
批判とは……相手を裁くような決め付けであり、全般的なこと



例えば、簡単な頼みごとをうっかり忘れていた配偶者に対して「確かに緊急ではないけれど、火曜日までにやってくれるって言っていたのに、忘れられていると、私の頼みは重要でないようで、悲しいしがっかりだわ」というのは苦情です。一方、「こんな簡単な頼み一つできいないような無責任なあなたなら、仕事もできないんじゃないかって疑うわよ。周りの人の苦労が目に浮かぶわ。前もそうだったわよね」というのは批判です。お気づきのように批判は、人格否定や攻撃性、レッテル張りがされます。批判をされて、ムッとしない人はいませんよね。後は想像通り、傷つけ合い、溝が深まり、それが積み重なると顔さえ見たくないという道を辿ってしまいます。





This Month’s Hint(今月のヒント)

多少の波風は立っても、しっかりとかつ誠意を持って不満を伝えるのは、大切な相手であればあるほど必要です。






教えてくれたのはこんな人

山形千尋
BeeYrOwn心理士。(応用心理学修士・カウンセリング学修士)
オーストラリア・カウンセリング協会会員、シンガポール公認心理士。

BeeYrOwn Psychologist & Therapist
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