mental care

【心ひも解くヒント】
言わない人

一緒にいる二人が影響されあうのは当然。
それを受け入れることで、より強い絆を生みます。

「人を変えようとするなんて傲慢だし、するべきでない」と言う人がいます。一見正論のようです。そのような人が「え? それ、どうかな?」と思う相手の言動や行動に遭遇したとき、どうするでしょうか?


それが同僚や友人であれば、「この人のここ、嫌だな」と思いながら適当に付き合うか、よっぽどであれば軽蔑したり、嫌悪感を持ち、離れていくでしょう。


でもそれが恋人や配偶者でも「何も言わない」という人がいます。「人は人」と、あっさりしていて、クールな印象を与えるかもしれません。


でも実は単に思いやりがなく、面倒臭がりであったり、人との衝突が怖い、嫌われたくないということもあります。そのような人は、気になること、気に入らないことがあっても、ずっと黙っていて、突然別れを切り出すことがあります。それをできずに、勝手に諦め、その後あなたに無関心を貫く関係もあります。


別れを突然言い出され、その決心も揺るがないような相手に、あなたは驚き「なぜ?」と尋ねるでしょう。でも、納得できる理由は、最後まで聞けない可能性も高いです。仮に聞けたとしても、それは、嫌気がするほど粘り強く聞き続けた後に「え? だったらなんでそのときに言ってくれなかったの?」というものです。そして、「言っても意味ない」というような答えしか返ってきません。


私たちが、信頼できる関係を築くことのプロセスの中に避けては通れない「それぞれに影響されあうことを受け入れる」というものがあります。これは、自然に起こることもありますし、意識的に努力し受け入れることもあります。

例えば「寺院巡り」など、全く興味がなかったものを、相手のお陰で体験して好きになったり、好きでなくても一緒にできることに喜びを見出したり。


または自分の育った家では普通と思っていた慣習を、(人によっては)教養がないとか、清潔でないように思われると気付き、(相手のアドバイスを聞き)改めるなどです。


これらを、全てにおいて「自分は自分」「あんたはあんた」とやっていては、何のために一緒にいるのかすら、分からなくなってしまうこともあります。無論、言う人、そして聞く人の態度も重要です。「お前のこれ、おかしいから俺の言うように変えろ」といわれて、「はい、そうですね」と言う人はいません。しかし、伴侶や恋人といった大切な人に、気になることがある場合、相手を気遣い、誠意を持って伝えることは、相手を尊重することです


また、相手が気付いていなかった場合は、それに感謝し、意識的に改善したり、変えようとすることもあるでしょう。 「影響をお互いに受け入れあえるか」これは二人が唯一無二の存在になれたり、あるいはそうでないときにも、自己完結でなく、相手にもその判断をする機会を与えるフェアな対応です



This Month’s Hint(今月のヒント)

研究では、妻の影響を受け入れる夫は、拒絶する夫に比べ幸福度が高いという結果でした。また、男性がエゴで自分の方が上、偉いという位置づけを変えられずにいる関係では、なんと81%が自ら関係を崩壊させてしまうそうです。



教えてくれたのはこんな人

山形千尋
BeeYrOwn心理士。(応用心理学修士・カウンセリング学修士)
オーストラリア・カウンセリング協会会員、シンガポール公認心理士。

BeeYrOwn Psychologist & Therapist
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