#mental care

【心ひも解くヒント】
IKIGAI(生きがい)

人生の中に、楽しさや喜びを感じられる
何かを持っていますか?

「生きがい」は、紛れもない日本語ですが、お持ちの辞書、ネットでIKIGAIと調べると、そこそこ定着した日本語発祥の言葉として、そのままのスペルで認知度があることが伺えます。意味は、a reason for being(存在理由)とか、a reason of living(生きる理由)と訳されています。

日本人でないクライアントさんでも
「IKIGAIのコンセプトで自分を見つめ直して、将来のことを考えるようにした」、
「IKIGAIは、自分の探していたものと一致していた」、さらには
「IKIGAIセラピーを以前受けて良かった」と、
言われる方もいたので、そういう手法があるのかも知れません。

さて「生きがい」は、日本語で聞くと、「生きていく、張り合いや喜び」と表現されます。
自分が生きるに値するだけの価値があると感じられるもの、あなたにはありますか?仕事が生きがい、と言う恵まれた人もいますが、趣味や旅行など、人生を捧げられるくらい熱中できるアクティビティ、ボランティアなどそれは人によってさまざまでしょう。子育てが「生きがい」の人もいるでしょうね。いずれにしても「生きがい」を持つことは、私たちを意義のある、充実した人生に導いてくれる指針のような役割を担ってくれそうです。

まず、「生きていく上での張り合い」を考えてみましょう。これは、心地よさ=快のものです。いわゆる、ささやかな喜びであったり、わくわくすることだったりします。例えば、仕事のあとの最初のビール一杯や、愛犬との散歩、日課のジム通いなど、持ちやすい「生きがい」です。だって、やりたいことをすればいいのですから。

それに対して生きがいのもう一つの側面、「いかに生くべきか」では、学習や鍛練=難なものが生きがいとなります。これは、「仕事は大して好きではないけれど、愛する子どものためにプライドを持って、しっかりとこの仕事を続け、経済的に家族を支える。将来は親として誇りに思って欲しい」など、自分の成長を促したり、自己実現への道に繋がるためのプロセスです。

人は、しばしば誰かや何かに必要とされているときにも生きがいを感じます。そのための力が沸いてきます。あなたもきっと、自分だけのために、手間隙かけて料理をしたり、旅行のプランを練るよりも、誰かのために時間や労力を使う方がモチベーションが上がりませんか?

では、どうすれば「難」の方の生きがいを見つけられるでしょうか? まずは人とのつながり、社会の中の自分を意識して、そこにどう貢献できるかを考えてみることです。大きなことである必要はありません。先に例に出した、子どものためでもよいのです。そしてそれは、自分にあった行為、得意なこと・好きなこと、目指したいものがよいです。これは自分を大切にし、自分を大切にしてくれる人を大切にするということでもあります。




This Month’s Hint(今月のヒント)

生きがいがない、と言う方、慌てる必要はありません。
もしかしたら、あなたの人生はこれまで、忙しすぎたり、人のためばかりをフォーカスしてきたのかも知れません。もし何の制約もなく、3日間好きなように過ごしてよいと言われたら、何をしたいですか? どこに行きたいですか?誰に会いたいですか? ここから「快」の生きがいを探してみましょう。




教えてくれたのはこんな人

山形千尋
BeeYrOwn心理士。(応用心理学修士・カウンセリング学修士)
オーストラリア・カウンセリング協会会員、シンガポール公認心理士。

BeeYrOwn Psychologist & Therapist
308 Telok Kurau Rd Vibes @ East Coast
☎ 9665-4572
Email: beeyrown@aim.com
http://beeyrown.blogspot.com
診療日:火、水、土(完全予約制)

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