#mental care

【心ひも解くヒント】
社会不安障害

改善のためのツールの1つ
「スロートーク」とは?

社会不安障害は、現在世界で3番目に多いメンタルヘルスのコンディションで、人口の7%程度いるとされています。これは人前で何かをするときに、緊張感が高まって不安や恐怖を感じ、何気ない会話をすることも困難で、次第にそのような場面を避けるようになるというものです。


日本ではこの症状で悩んでいる人の数は300万人程。社会不安障害を持つ人が相手に与える印象としては「社交的でない」「周囲や物事に興味が薄いか無関心」「シャイ、物静か」というものがあります。また、本人さえもそれを自分の性格だと思っていることも少なくありません。よって、このような悩みを誰にも相談できず一人で長く悩んでいることや、仮に相談しても、あまり真剣に受け取ってもらえないことも少なくありません。


自然治癒することはあまりなく、対症療法として薬物と心理療法(認知行動療法)にて思考パターンを変えたり、緊張感を和らげたりすることで、回避行動を軽減するということになります。ただ(本人が病気と思っていないため)専門家より勧められたとしても薬物療法への抵抗が高く、結局そのような場面に遭遇するたびに、うまく対応できず涙が止まらなくなったり、ひどく心労を感じることも。そうすると、やはり心理療法による治療が要になるのですが、個人セッションの他には、同じ症状を持つ人たちの社会不安障害セラピーグループに参加することが挙げられ、その効果がこれまでも確認されています。


今回紹介するのは、このようなグループセラピーにて学び、練習、応用され役に立つツールの1つ、「スロートーク」です。ポイントとしては緊張感・不安感よりも思考、行動のテンポをぐっと落として「落ち着いている」レベルを、それよりも勝らせて(抑えて)しまうということになります。(つまり、コルティゾルとアドレナリンを抑える役割をします)スロートークを社会不安の出る場所だけでなく、日常生活にも取り入れることで、いざというときにより自然に使えるように準備をすることも大事です。


例えば、音読、家族への会話をゆっくりにします。穏やかな口調で、ゆっくりと(できたら簡潔に)言葉を発します。ここで皆さんは「不自然じゃないか?」「これでいいのだろうか?」と考えると思いますが、「スロートーク」を自己流で進めるのは困難なため、セラピストや専門グループとともに進めていくことが効果につながりやすいでしょう 。


もしあなたが幸いにも、周りに理解ある人がいて、この作業をサポートしてくれる場合は、プレッシャーをかけずに、最後まで話を聞きてもらい、できたことを認めて勇気づけてもらえると改善しやすく、徐々にハードルを上げることもできます。




This Month’s Hint(今月のヒント)

以下のような症状がある人は、社会不安障害の可能性があります。
❶ 人から見られたり、注目を浴びたりすることに不安や恐怖を感じる
❷ その不安や恐怖は、自分でも過剰であり不合理だと思う
❸ その状況に対し、避けたり我慢したりしなければならないほどの恐怖を感じる
❹ このことで、日常生活に支障をきたしている




教えてくれたのはこんな人

山形千尋
BeeYrOwn心理士。(応用心理学修士・カウンセリング学修士)
オーストラリア・カウンセリング協会会員、シンガポール公認心理士。

BeeYrOwn Psychologist & Therapist
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