#mental care

【心ひも解くヒント】
マインドフルネス

集中力を高め、リラックス効果もある
コスパの高いセルフヘルプ

今朝、歯を磨いた時のことを思い出してください。あなたは「歯を磨いている」ことにフォーカスしていましたか、それとも、その後するべきことを3つも4つも考えながら、機械的に手を動かしていましたか?


また、会議が終わったあと、自分が今言ったことはどう受け取られただろうか、おかしくなかったか、と頭の中で反芻し、その後の数分や、数時間その思いに囚われ不安になったりしていませんか?


このようなことは、誰にでもよくあることですが、それに対して「今」にフォーカスし、自分や自分の状態をあるがままに受け入れることをマインドフルネスは説いています。つまり、身体は「今、ここ」にあるのに、マインドは未来や過去にあること、これを意識的にやめ、五感で自分自身やその周囲の状態を「感じる」のです。


たったこれだけのことで、マインドフルネスが私たちに与えてくれる恩恵は、「感情が安定する」「共感性を高める」「人を助けたり、役に立ちたいという気持ちを育む」「自己否定、ストレスを減らす」「若さを保つ」「精神疾患の症状を和らげる」「免疫力を高める」「睡眠の質を上げる」「集中力を高め生産性を上げる」など、たくさんあることが多くの研究で明らかにされています。


この実践には、マインドフルネス瞑想が使われます。(マインドフルネスの状態をつくる方法は他瞑想以外にもあります)最近は、様々な種類の瞑想アプリがあるので、それを利用して生活に取り入れるのもよいと思いますが、今回は、基礎テクニックを1つ紹介します。これは、五感を使い「今、ここ」の周囲の状態にフォーカスし、頭の中に入ってくる雑念、心配、考えから目的意識を持って気を逸らすことで、マインドネスの状態を作り上げる「54321グラウンディング法」と呼ばれるものです。

❶ あなたの周りにあるもの(天井、床の模様、マグカップ、光の反射など)に5つ気づきます。
❷ 4つの触感(洋服の肌に触れている部分の感触、エアコンの風など)を意識します。その重さ、(生地の)感覚などにも注意してみましょう。
❸ (外を走る車、隣の家のキッチン、時計の針など)3つの音に気付きましょう。
❹ 自分の周りにある2種類の匂いを嗅ぎ分けてみましょう。
❺ 口の中に味覚の一つを感じてみましょう。


今のあなたの状態がどのようなものであっても、決めつけや、否定、判断を一切せずに、ただ受け入れて自分を観察します。続けていくことで、出来事や自分の状態をそのまま見ることができるようになり、ペースをスローダウンすることで、今よりも心が安定し、適切に対応できることが多くなるでしょう。




This Month’s Hint(今月のヒント)

マインドフルネスでは、決めた時間だけでも、以下のことを一時的に保留させ、一切の気持ちを開放し今だけにフォーカスします。

● 今から起こること、することを考える
● 心配する
● 慌てる、急ぐ
●( 時間、お金など)計算する




教えてくれたのはこんな人

山形千尋
BeeYrOwn心理士。(応用心理学修士・カウンセリング学修士)
オーストラリア・カウンセリング協会会員、シンガポール公認心理士。

BeeYrOwn Psychologist & Therapist
308 Telok Kurau Rd Vibes @ East Coast
☎ 9665-4572
Email: beeyrown@aim.com
http://beeyrown.blogspot.com
診療日:火、水、土(完全予約制)

連載 こちらもおすすめ