#mental care

【心ひも解くヒント】
子どもの自己鎮静行動

繰り返される気になるその行動、悪い癖?
それとも? 無理に治そうと躍起になる前に

「セルフスージング:Self-Soothing(自己鎮静)行動」とは、その時の感情のニーズを誰かに求めるのではなく、自分自身で満たす行為です。
個人によって方法は異なりますが、同じ方法を繰り返します。

例えば、母親に噓をついたことを咎められている際の心地悪さや、不快感などの感情の処理を上手くできず、自分の頭や腕を搔いたり、爪を嚙んだりし、その身体への刺激を通して 自身を「落ち着かせる」というものです。
ですから、それを「止めなさい!」と叱って止めさせることで、逃げ場をなくしてしまうことに繋がることもあるのです。

それではどのように対応したらよいでしょうか?

幼い子どもの場合は、背中を撫でたり、ハグをしたりと身体へのタッチを通して、愛情の確認と安心感を与えることができます。
話が理解できるような年齢であれば、子どものセルフスージング行動が見られないか気を付け、気が付いた場合は、それを責めずに、何か心配や不安があるか探ってみましょう。

十代の場合、「髪の毛を抜く」「体を強く揺らす」など適切でない方法を使っている場合には、子どもの感情を共感し、代替案を一緒に考えてあげましょう。
話すことが得意でない子どもや、自分の感情に鈍感な子どもの場合には、様々な感情について、絵本や映画、ロールプレイなどを通して教えてあげると自分が何を感じているのかを表現できるようになります。

セルフスージングが起こる理由として考えられるものでよくある例として、環境の変化への戸惑いや不安、親の対応に一貫性がなく親に頼れない、身体的な刺激への欲求、勉強や友人関係からのストレスなどがあります。

セルフスージングに気が付いたら、焦らせず、ゆったりと時間を与え、時には見ぬふりくらいの余裕を持って接する方が良い結果を生みやすく、お互いのストレスも低いです。
それでも長期化したり、対応が難しいときには専門家へ相談しましょう。


This Month’s Hint(今月のヒント)

セルフスージングは、子どもだけではなく、大人にも見られます。
大人の場合はとくに、不安やストレスに対応するための必要な「コーピング」となっている場合も多くあります。
五感を刺激するものが基本になり、アロマの香り、お気に入りのブランケットの肌触り、好きなチョコレートの味、海の写真を見る、ペットと戯れるなども含まれます。
よって自分に合ったセルフスージング方法を知っておくことでいつでも心の安定を取り戻し、継続しやすくするとよいでしょう。

ちょっとした意識で自分や子どものストレスの根源を知り、それに対して適切な働きかけをできるようにしておくといいですね。



教えてくれたのはこんな人

山懸千尋

BeeYrOwn 心理士。シンガポール心理学会公認心理士。
オーストラリア・カウンセリング協会員。
(応用心理学修士、教育カウンセリング学士)

BeeYrOwn Psychologist & Counsellor

Vibes @ East Coast, 308 Telok Kurau Rd
☎ 9665-4572
Email: beeyrown@aim.com
http://beeyrown.blogspot.com
診療日(完全予約制):月、水、金、土
オンライン診察も行っています

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