#News Digest

【News Digest】
2022年8月8日~2022年8月24日

時事

-Singapore-
時事速報ピックアップ

日々最新の情報を全国に配信する時事通信社より、シンガポールに関する最近のニュースをピックアップしてお届けします。




● NUS、「都市農業」の研究所オープン=屋内栽培の課題に対応

シンガポール国立大(NUS)は8月5日、持続可能な都市農業研究所(SUrF)を正式開所した。
2030年までに食料自給率(必要栄養量ベース)を30%にまで高める国家目標を後押しするため、カギとなる都市農業の課題を解決する技術を研究する。

NUSは1000万シンガポールドル(以下ドル、約9億8000万円)を投じて新研究所を設立。
他にも外部より研究資金として1100万ドルを確保した。23年初めまでに施設がすべて完成する。

新研究所は約200平方メートルの研究用屋内農園を併設。
気温や日照などさまざまな条件が農作物に与える影響を自動的に計測し調べるシステムも導入。
農作物生産前、生産中、収穫後の3段階ごとの研究を行う。

都市農業研究には生物科学、食品科学技術、医用生体工学、電気工学、情報通信工学、コンピューターサイエンスなどさまざまな学科から16人の主任研究員が常駐し、10項目の研究を行っている。

例えば、都市農園での葉物野菜生産の改善に重点をおいた研究がある。
屋内農園で栽培される植物は、多くがもともと屋外で生育されていたため、室内の管理された環境では十分に育たない。
結果として非効率的で持続可能性に欠ける屋内栽培の原因となる。
新研究所では、これらの課題解決のため、ゲノム選択や遺伝子組み換えも含め、屋内栽培の葉物野菜の生産性と品質を高める解決法を検討している。
特にケールやチョイサム(小松菜に似た中国野菜)など経済的に重要な葉物野菜について、屋内栽培での販売増加や栄養価向上を探る。

他にも、シンガポールの青果物供給網は冷蔵貯蔵に多く依存しているが、一般の冷蔵施設では腐敗の原因となる微生物の除去を行えない。
発光ダイオード(LED)照明には、葉物野菜からの微生物除去だけでなく栄養価も高める効果があることが分かっている。
次段階としてシンガポールで多く消費される葉物野菜に適したLED照明技術開発などを行う。






● 負傷したパラシュート隊員、手術は不要=建国記念式典で着地失敗

シンガポールのウン・エンヘン国防相は8月10日フェイスブックで、9日に開催されたナショナルデー(独立記念日)を祝う式典で軟着陸に失敗して搬送されたパラシュート部隊隊員、ジェフリー・ヘン氏について、「容体は安定している。硬着陸により負傷したが、手術の必要ない」と説明した。

ウン国防相はさらに、「時間とリハビリが必要となるが、完全な回復が見込める」と書き込んだ。

式典には約2万5000人が集まった。
こうした規模で式典が開催されたのは新型コロナウイルス流行後では初めて。
シンガポール国軍(SAF)の隊員10人によるパラシュート降下は午後6時半ごろ披露された。
このうちヘン氏は、スピードが十分に減速しないまま着陸し、地面に体を打ち付けたため、会場は一時騒然となった。
ヘン氏は担架で病院に運ばれた。







● ナイトサファリでウルトラマン活躍=10月までイベント

シンガポール北部にある夜間動物園ナイトサファリで、10月31日までの期間限定でウルトラマンが活躍するイベントが実施されている。

ウルトラマンが動物を怪獣の脅威から守るという設定で、動物保護の重要性をアピールする。
日本とシンガポールの外交関係樹立55周年(SJ55)記念事業として、コラボしているウルトラマンキャンペーンの一環として行う。

ナイトサファリに出現した怪獣は、環境や生息地を汚し動物を危険にさらすが、ウルトラマンが対抗して戦う内容。
ウルトラマンのイラストと一緒に記念撮影ができたり、ウルトラマンをテーマにした食事メニューが限定販売されたりする。

マーライオンの化身とされる「マーライガー」もヒーローとして登場する。
マーライガーはSJ55の際に、マーライオンをモチーフとして作られた新キャラクター。
マーライオンを連想させる顔に、白と赤の毛並みの体が印象的だ。

シンガポールは日本と外交関係樹立55周年にちなみ、テレビ放送開始より同じく55年を迎えたウルトラマンをイメージキャラクターに起用。
円谷プロと提携した映像作品やキャンペーンを実施している。







● 訪日シンガポール人、7月は2000人=JNTO

日本政府観光局(JNTO)が8月17日発表した7月の訪日外国人旅行者数(推計値)によると、シンガポール人は2000人となり、前月(1400人)から増加した。
新型コロナウイルス流行前の2019年同月に比べると90.8%の大幅減だった。

シンガポールは、日本政府によるコロナ対策の検疫強化(検査など)、査証の効力停止の対象になっているが、感染拡散リスクが比較的低いとされる「青」に区分され、観光目的の新規入国が条件付きで認められている。

7月の訪日外国人数は全体では14万4500人。
3月から観光目的以外の新規入国が一定条件下で再開され、6月からは外国人観光客のパッケージツアー受け入れが始まったこともあり、4カ月連続で10万人を超えた。
しかし、入国制限措置がまだ残り外国人観光客回復は限定的で、コロナ前の19年同月に比べ95.2%減少した。






● 湿気で発電する薄型機器開発=NUS研究チーム

シンガポール国立大(NUS)のデザインエンジニアリング学部(CDE)の研究チームは、空気中の湿気を取り込んで発電が可能な厚さ0.3ミリメートルの極薄のデバイス(小型機器)を開発した。
海塩やインク、不織布など安価な原料を使用し、長時間安定した電力供給を行えることから、持続可能なエネルギー源として、ウエアラブル機器やインフラの整っていない遠隔地などでの電力供給方法として期待される。

NUSによると、湿気発電(MEG)技術開発では、機器が過度の湿気にさらされた場合に水飽和率に達してしまい、十分な電力を供給できないなどの課題があり、持続可能性も低かった。

課題を解決するため、CDE材料科学学科のタン・スイチン准教授が率いる研究チームは、乾いた部分と湿気を帯びた部分の二つの異なる部分からなるMEGデバイスを開発。
数百時間にわたる発電を可能にした。

新開発のデバイスは、容易に入手可能な木材パルプとポリエステルからなる不織布をインクに浸し炭素ナノ分子でコーティング。
表面の半分に海塩を使用した特殊なジェルを塗装する。
ジェルは不織布の重さの6倍以上の水分を吸収可能。
残り半分は乾いたままにすることで電流が発生し、長時間にわたる発電を可能にする。

ジェルが湿気を吸収し、海塩がイオンに分解されることで電気が発生。
炭素ナノ分子に取り込まれ繊維表面に電界を生成する仕組みだ。繊維は蓄電もできる。

研究チームによると、縦1.5センチ、横2センチの大きさのデバイスの電圧は0.7ボルトで、耐久時間は150時間。
単3乾電池の大きさのケースにデバイスを3枚セットすると、通常の単3乾電池の電圧の1.5ボルトより高い1.96ボルトを発電できるという。
さらに、デバイスの製造費用は1平方メートルあたりわずか0.15シンガポールドル(約15円)と非常に安価だ。
研究チームは特許を申請中。商用化も検討している。










連載 こちらもおすすめ