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【News Digest】
2020年7月18日~8月18日

-Singapore-
時事速報ピックアップ

日々最新の情報を全国に配信する時事通信社より、シンガポールに関する最近のニュースをピックアップしてお届けします。




● 首相のおい、罰金払うが「罪認めない」=法廷侮辱で有罪

 シンガポールの裁判所が7月、リー・シェンロン首相のおい、リー・シェンウー氏に対し、法廷侮辱罪で有罪とし、罰金1万5000シンガポールドルを科したのを受け、シェンウー氏は8月11日、罰金を支払う意向を示した。ただ、「罪は認めない。発言が違法だったとは思わない」と述べ、自由な言論を封じ込めようとする政府を批判した。8月12日付のストレーツ・タイムズ紙(B3面)などが伝えた。

 シェンウー氏は2017年、自身のフェイスブックで政府に批判的なコメントを投稿した。現在は米国に在住し、ハーバード大で経済学の助教授を務めている。

 罰金を支払う理由については、政府にシェンウー氏と家族を攻撃する口実を与えないことが目的で、「平和と静寂を買うためだ」と説明。また、「政府は私の友人向けのフェイスブック投稿が『司法をスキャンダル化させた』と主張しているが、本当に問題なのは、私的な発言を(税金や公務員など)国家資源を悪用して抑圧することだ」と批判。「文明国家は、法廷制度に関する私的なコメントで市民に罰金や禁錮刑を科すべきではない」と強調した。

 2015年3月にリー・クアンユー初代首相が亡くなった後、その私邸保存をめぐり長男である首相と、次男リー・シェンヤン氏は激しく対立。兄弟はフェイスブックを通じて互いに激しく批判し合った。これを受けてシェンヤン氏の長男であるシェンウー氏は17年7月15日、フェイスブックに「シンガポール政府はとても訴訟好き(litigious)で、思い通りになる(pliant)裁判制度を持っている」と投稿。「シンガポールにおける検閲」と題した、クアンユー氏を批判する10年の米紙ニューヨーク・タイムズ社説リンクも添えていた。

 リー兄弟の対立は、名門リー家の「お家騒動」として国民の関心を集めている。7月に実施された総選挙では、シェンヤン氏は新興野党・前進党(PSP)に入党し、兄のリー首相が率いる与党を批判。野党勢の議席拡大に一役買った。




● QIQ、小型EVシェア展開へ=近距離移動を想定

 ベトナムで電動自転車や電動キックスケーター(通称Eスクーター)シェアリングサービスを展開するシンガポールの新興企業QIQは8月、シンガポールでの超小型電気自動車(EV)シェアサービス事業計画を発表した。自宅から鉄道駅までや、近隣地域の宅配用など「ラストワンマイル」と呼ばれる近距離輸送での利用を想定している。ニュース番組CNA(電子版)が伝えた。

 QIQ創業者のジャスティン・シム氏によると、開発中の小型EV「QIQポッド」は全長2.4メートル以下。2人乗りで、最高時速は40キロメートル。使用後は自動無人運転で最寄りの充電ステーションに向かう。大規模新興住宅地ではMRT駅から遠く離れた住宅が多いため、近距離を車で移動するニーズがあると見込んでいる。ピーク時以外には宅配用に使用も可能だ。QIQでは、北東部ポンゴルに300~600台を投入予定。料金は最長30分で2シンガポールドルから。




● フードパンダ、ドローン配達を試験=STエンジと

 料理宅配大手フードパンダとシンガポール政府系防衛複合企業STエンジニアリング(STエンジ)は8月13日、食品をドローン(小型無人機)で配達する新たな取り組み「パンダフライ」の試験を実施した。商用開始の時期は明らかにされていない。ニュース番組CNA(電子版)が伝えた。

 両社は3月、STエンジの技術を活用し、食品のドローン配達システムを開発することで合意。飛行可能距離は最大3キロメートル。飲食店から特定のポイントまでを飛行し、地上のドライバーが荷物を受け取って、顧客が指定した場所まで運ぶことを想定している。シンガポール全土に対応させる。

 フードパンダ・シンガポールのマネジングディレクター、ルーク・アンドレアニ氏は、市街地から住宅地へのバイク配達は可能だが、時間がかかり過ぎるため食品の品質に影響を及ぼしていると指摘。ドローン配達の初期投資は高額になるものの、将来的には多くのドローンを使用することで低価格での提供を目指しているとした。現在の配達料は「クレイジーなほど高い」と述べ、顧客への負担が大きいとの認識を示した。
 ドローン配達の取り組みは各社で加速しており、過去1年ではウーバーやKFCなども同様の試験を行った。




● 韓国・現代自、シンガポールでEV生産=22年までに工場新設

 韓国の現代自動車はシンガポールに、電気自動車(EV)の生産工場を新設することを決めた。ストレーツ・タイムズ(A15面)が8月15日報じた。西部ジュロンに2022年までに工場を新設し、年3万台の生産を目指す。

 現代自はジュロンに2万8000平方メートル規模の土地を保有し、研究開発(R&D)などを行っている。EV工場を今年10月に着工し、22年までの完成を予定している。当初は今年5月に着工する計画だったが、新型コロナウイルス流行の影響で遅れていた。

 現代自の関係者はストレーツ・タイムズ紙に対し、「自動車産業を持たない国で自動車を生産するのは初めてとなる」と述べ、シンガポールでのEV生産は異例の判断だったことを認めた。

 シンガポール工場では、クロスオーバー型の中型EV「アイオニック(IONIQ)3」を生産する予定。現地のディーラー幹部は、3万台のうち5000~6000台を「シンガポール国産車」として国内で販売し、残りを輸出するとの見通しを示した。




● サービスアパートを在宅勤務向けに=アスコットが改造

 シンガポールの不動産開発最大手キャピタランド傘下でサービスアパート(滞在型ホテル)経営のアスコットは8月、世界で経営するサービスアパートで在宅勤務がしやすい環境を提供する新サービス「ワーク・イン・レジテンス」を開始したと発表した。新型コロナウイルスの影響で低迷するホテル事業をカバーするため、長期化する在宅勤務に着目して一部の客室を仕事がしやすい形に作り替えた。

 このほか、企業などが空間を多目的利用できる新たな取り組み「スペース・アズ・ア・サービス」も開始する。共有キッチンやスターバックスのキオスクのほか、フィットネスや動画配信に適した空間などを提供する。小包の受け取りポストも整備した。







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