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【News Digest】
2020年12月1日~12月15日

-Singapore-
時事速報ピックアップ

日々最新の情報を全国に配信する時事通信社より、シンガポールに関する最近のニュースをピックアップしてお届けします。




● シンガポール研究者、「富岳」利用可能に=スパコン団体が理研と提携

 日本の理化学研究所や富士通などが開発中の世界最速のスーパーコンピューター「富岳」をシンガポールの研究者が利用できることになった。シンガポールのスパコン管理組織「国立スーパーコンピューティング・センター(NSCC)」が、日本の理化学研究所計算科学研究センター、高度情報科学技術研究機構と覚書を交わし、提携した。

 NSCCは2015年、シンガポール科学技術研究庁(Aスター)やシンガポール国立大(NUS)、南洋工科大(NTU)が中心となって設立された。NSCC幹部のタン・ティンウィー准教授は「シンガポールの研究者らは、富岳の驚異的なコンピューター能力を活用できるようになる。アジアでは初めての動きの一つだ」と謝意を示した。

 今回の覚書ではほかに、共同訓練や人材交換、学生のインターン制度でも協力することで合意した。

 富岳の1秒当たりの計算速度は、約44.2京(京は1兆の1万倍)回に達し、世界1位。2位の米IBM製「サミット」の約3倍の速さを誇る。新型コロナウイルスの治療薬探索や飛沫(ひまつ)の拡散シミュレーションでも活用されている。

 シンガポールでは、NSCCが運用するスパコンの稼働率が9割を超え、能力不足を懸念する声があった。





● 大麻「最も危険」除外に危機感=国連採決に反発

 国連麻薬委員会(CND)が大麻と大麻樹脂を「最も危険な麻薬」から除外したことを受け、シンガポール内務省(MHA)は12月3日、大麻はこれまで思われていたほど有害ではないとする誤った認識につながりかねないと危機感を示した。

 MHAは今回の除外により、特に若者の間で大麻を軽視する間違ったメッセージを送る可能性があり、「大麻を附表4から削除すべき有力な根拠はない」と失望感を示した。ただ、今回の採決はシンガポールの厳しい麻薬取り締まりの姿勢には影響を与えないとの見方を示した。シンガポールでは500グラム以上の大麻密輸で死刑が適用される。

 大麻と大麻樹脂は1961年の麻薬に関する単一条約で、特に危険な「附表4」に分類されていた。附表4は医学的な利点よりも依存性や悪影響が強く、研究目的にのみ使用が限定される薬物が対象。ヘロインなどが含まれる。

 CNDは2日、世界保健機関(WHO)の勧告「大麻および大麻樹脂を附表4から削除する」に対し、投票権を持つ53カ国中、賛成27、反対25、棄権1で、削除を承認した。

 大麻は医療的利用が認められるものの、引き続き附表1の規制対象となる。大麻規制緩和に関する他の勧告は否決された。





● 保健省、「ソウル・ガーデン」営業停止に=13人が会食

 シンガポール保健省(MOH)は12月5日、新型コロナウイルスの対策で制限する5人を大幅に超える13人による会食を見逃したとして、東部タンピネスのモールに入る飲食店「ソウル・ガーデン」に10日間の営業停止を命じた。13人は家族の集まりで、そのうち1人の男性が11月26日、陽性と診断された。市中感染者の確認は16日ぶりだった。

 13人は店内で、3テーブルに分かれて会食。テーブル間で交流があったが、店側は特に対策を講じなかった。MOHは引き続き、13人や店側に対する処分を検討している。

 コロナ暫定措置法に定められた集会の人数制限などに違反すると、初犯なら最大で罰金1万シンガポールドル(以下ドル、約78万円)と禁錮6月が科される可能性がある。

 MOHは市民に対し、「警戒を緩め、安全な距離規則を守らなくなると、感染が再燃し、地域社会にクラスター(感染者集団)が生じる」と注意を促した。





● 隔離違反の疑いで8人捜査=ビザ剥奪の恐れ

 シンガポール入国管理局(ICA)と警察は11月19日、新型コロナウイルス対策で入国者に課している隔離をめぐり、虚偽の申告を行い規則に違反したとして、8人を取り調べていると発表した。うち4人は永住権保有者(PR)や長期ビザ保有者。有罪が確定すると、永住権やビザを剥奪される可能性がある。

 8人の内訳は、国民が4人、PRが2人、長期ビザ保有者が2人。8人は韓国かタイのいずれかから今月入国した。政府が指定する宿泊先でなく、自宅などでの待機を選択して隔離を行っていた。ところが、係員が滞在先を査察したところ、(1)滞在先を本人のみで使う(2)滞在先を一緒に入国した世帯構成員と使う-のいずれかを満たすとの規則に違反していたことが発覚したという。

 8人は事前に、自宅では本人のみか、同行した世帯構成員と過ごすと申告し、自宅での隔離を認められていた。虚偽の申告をしたと認定されると、刑法や伝染病予防法違反として、禁錮刑や罰金が科される可能性がある。

 入国者は通常、自宅待機命令(SHN)に従い、政府が指定する宿泊する施設で14日間、外出を禁じられる。ただ例外として、フィジー、フィンランド、日本、韓国、スリランカ、タイ、トルコなどからの入国者は一定の条件を満たせば、自宅などを滞在先に選べる。

 政府指定施設を使うと、食事代などを含め14日間で計2000シンガポールドル掛かる。自宅で隔離すれば、その費用を抑えられるメリットがある。





● 国民の公立校学費据え置き=外国人は値上げ

 シンガポール教育省(MOE)は2021年度の公立学校の学費について、国民と永住者、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国からの留学生は据え置く方針を発表した。ASEAN以外からの外国人留学生の学費は月最大50シンガポールドル(以下ドル、約3900円)値上げする。

 学費と別に毎月支払う教材費は国籍を問わず据え置かれる。シンガポールの公立学校では、教科書代は有償となる。

 プライマリースクール(小学校)の学費は、国民は無料で、永住者が月205ドル、ASEAN以外の外国人留学生が775ドルとなる。教材費は一律月6.5ドル。

 セカンダリースクール(中学校)の学費は、国民が月5ドル、永住者が380ドル、ASEAN以外の外国人留学生が1450ドル。教材費は一律月10ドル。

 高校に相当する大学進学コースのジュニアカレッジ(JC)の学費は国民が月6ドル、永住者が460ドル、ASEAN以外の外国人留学生が1800ドル(月14万円)。教材費は一律13.5ドル。

 ストレーツ・タイムズ紙によると、MOEが前回学費を見直したのは17年。永住者と外国人生徒の学費が大幅に値上げされ、セカンダリースクールでは一気に2倍近くとなった。

 MOEは、景気の見通しが不透明なため、21年以降の学費は改めて検討すると述べた。





● DBS銀行員装う詐欺、邦人も被害=日本大使館が注意喚起

 在シンガポールの日本大使館は12月11日、銀行大手DBSなどの銀行員を装って個人情報を聞きだしたり、金を振り込ませたりする詐欺が横行しているとして、在留邦人に注意を呼び掛けた。邦人の被害も発生しているという。

 詐欺の手口としては、銀行員と偽り、電話やSMSなどで銀行口座やキャッシュカードが偽造、ハッキングされたと連絡。対応のためと称して銀行口座やパスワードを聞きだし、その口座から資金を引き出すケースが確認されている。

 別の手口では、ローンを紹介するSMSを発信元がDBSと装って発信。電話やメッセージで応答があれば、低金利融資のためと称して、手数料などを振り込ませるという。

 大使館は「銀行が電話やSMSなどでIDや口座番号、パスワードなどを聞くことは決してない」と忠告。具体的な対応策として、(1)シンガポール向け国際電話の国番号である「+65」と表示された電話番号は国外発信なので無視する(国内発信の際は「+65」とは表示されない)(2)銀行に限らず、警察、公共機関が個人情報やパスワードを電話やメールで尋ねることはないので、決して教えない(3)何度も電話やSMSで連絡がある場合はその場で対応せず、いったん電話を切って、銀行のカスタマーサービスなどに電話やメールで連絡をとる-といった対応を助言した。

 被害に遭ってしまった場合には、銀行に連絡した上、警察にも被害届を提出するよう勧めた。








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