parti editor's letter

【パルティ編集部の個人旅行】
アイスランド ICELAND

たま~に連載。元編集Uです。
さて旅に出よう、というときに、旅先選びは旅そのものと同じくらい楽しきもの。でも日本にいたときより旅が身近な海外生活では、その醍醐味が薄れてくるのも仕方がない。シンガポール時代も、イギリスに引っ越してからも、興味のある近隣諸国は行き尽くしたしな、と思いながら航空券比較サイトに出発地と旅程を入力し、到着地の可能性を探っていく。だからそこに思いがけずアイスランドの文字を見つけたとき、未知の旅の予感に久々に胸が高鳴った。

首都レイキャヴィクまで、スコットランドのエディンバラ空港から2時間半のフライト。遥か彼方に感じていたアイスランドに、これほど手軽に行けるとは。氷に覆われた大地を想像していたけれど、いざ小さな空港に着きタラップを降りると、そこには出発地よりも暖かく、どこまでも透き通る青空と緑の大地が広がっていた。






地球に生まれる、遥かな北の大地
夏の白夜を彷徨うアイスランド紀行

北欧の美しき街並みと白夜

レイキャヴィクのこじんまりした市街は、直線2キロほどの距離に見所が全ておさまっている。
街の中心にある教会の展望台から、レイキャヴィクの街並みを360度見渡せる。



まずは軽く一周しようと町に出て、心奪われたのは建物の可愛らしさ。
フォトジェニックな建物ばかりで、家々を見ているだけで1日過ごせそう。



色も形もさまざまで個性的なのに、それでいて町としての統一感がある。



ここでやっと、この国も北欧だったと思い出す。
北欧らしいお洒落なハルパ・コンサートホールのガラスと光の織りなす空間は、万華鏡の中にいる気分。



アイスランドは北欧。ならば北欧雑貨を見なければと中心地に向かえば、小さな商店街ながらどの店も魅力的。
街の中心部は歩行者天国。ぶらぶらと街歩きが楽しすぎる。



雑貨屋はもちろん、隣の陶器のお店も、その先の服屋も面白そうと、片っ端から夢中で見てまわるうち、軽い散歩のはずがすっかり夜に差し掛かっていた。





それでもまだ真昼のような明るさ。これはそう、白夜だ。夜が更けるほどに、人々も町へと繰り出し長い夜を楽しんでいるようだ。



今日は真夜中過ぎまで起きていよう、と人生初の白夜体験に心が弾む。



地球の割れ目“ギャオ”を歩く

つい町歩きに没頭してしまったけれど、この国の観光の目玉は雄大な自然。
5 ~ 10分おきに熱湯が空高く噴出するストロックル間欠泉



また、なかでも圧巻なのが、ギャオと呼ばれる大地の裂け目。北アメリカプレートとユーラシアプレートの境目を散策できるのだ。この境目から毎年2〜3㎝左右へと広がっていく両プレートは、果てしない年月をかけて日本で再会し、マントルへと沈んでいく。



このため日本と同じく火山が活発で、地震も多い。いつの日か日本へと届く大地を踏みしめていると考えると、地の果てのように思えたこの国が、ぐっと親しみを増してきた。
雑貨屋で見つけた富士山みたいな山とクジラがモチーフなんて、まるで日本土産みたい。



夏になると飛来する愛らしい渡り鳥、パフィン(左端)はアイスランドのマスコット的存在。






いざ、世界最大の露天風呂へ

となると、急にいろいろ日本に似ている気がしてくるのだけど、その最たるものはやはり温泉だろう。国土の至るところで温泉が湧き、人々は温泉をこよなく愛する。レンタカーを借りれば、秘境の露天風呂巡りなんて夢の旅もできてしまうのだ。冬には温泉からオーロラが見られることもあるという。



極めつけは、世界最大の露天風呂「ブルー・ラグーン」。幻想的なミルキーブルーのお湯は、ぬるめで柔らかな肌あたり。しかもスイムアップ・バーがあり、生ビールを飲みながら露天風呂に入っていいなんて、まさに極楽。温泉どころかお風呂すら恋しい海外暮らしにとっての至上の楽園に、思わず4時間も浸かってしまった。

遥か彼方の島国に、魚を食べ、地震と共存し、温泉を楽しむ民が住んでいたとは、思いがけぬ同胞を見つけた気分。
鱒やラム肉、干し鱈に加え、アンモニア臭が強烈な発酵鮫など、アイスランド名物盛り合わせ。



ホタテやクジラなど、棚に並ぶ魚介の串焼き。手長海老のスープも絶品





羊は貴重なタンパク源。見た目の怖さに反してなかなかの美味。



この広い地球でそんな発見が待っているとは、次なる旅先探しも俄然楽しみになってきた。