#復刻版パルティ

【2017年】復刻版パルティ-面白バックナンバーを振り返り

2004年3月号から全ページカラー印刷に
時事ネタやシンガポール雑学、盛りだくさん

1994年創刊から四半世紀以上にわたり、シンガポールの情報を発信してきたPARTI。
この情報はPARTIの財産!(自分たちで言ってすみません)
独断と偏見で「面白い!」と思う記事をピックアップし、お届けしていきます。
今回は、『2017年』を振り返ります。



2017年のシンガポールは、製造業がけん引役となり、経済は予想を上回る著しい成長を見せましたが、ローカルの失業率は依然として高い状態、政府は外国人労働力の流入規制を一段と強化。シンガポール人の採用・育成に消極的な企業に対し、注意を受けた日系企業もあったとか。コロナ禍に入り、ますます外国人労働枠の基準(ビザ取得の条件)が強まっていますが、今後、どんな未来が待っているのでしょうか。

さて、2017年のパルティを振り返っていきましょう。どんな状況下でも、シンガポールで頑張っている日本人女性らが沢山いらっしゃいます。その方たちのインタビュー記事など、2017年も盛り沢山ですよ。
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2017年5月号/Vol.281

まずはじめにご紹介するのは、2017年5月号P.20~21に掲載の「編集S ひとり時間のホンネ」という編集後記です。ひとり時間がなかなか取れないときは、とにかくひとり時間が欲しいと切に願うものの、いざ自由な時間ができると何をしたらいいのやら……。
皆さんはどんなひとり時間を過ごされていますか?



☝記事内容

編集S「ひとり時間」のホンネ
私の居場所はキッチンとスーパーだけじゃない海外生活を、人生を、もっと豊かに!


仕事、初めての育児、職場復帰
走り続けた日々

さて、何も予定のない明日は1人で何をしようかな、と考えられる今日この頃。すごく贅沢です。少し前までは、家事と2人の育児に追われ「ひとり時間」なんて全く無縁だったのに。

20代から30歳の頃は仕事漬けの日々でした。毎日朝から晩まで働き、仕事の持ち帰りは日常茶飯事。スポーツジムに入会するも、一度も通わずに退会したことも。一方で、寝る間を惜しんで遊んだり。一人暮らしだから当たり前に1人の時間はあったけど、ただ持て余していただけ。自分磨きに勤しんだり、仕事以外の趣味に没頭したことなんて、なかったかも。

結婚しても仕事を続け、1人目の出産直前で産休に。昼夜を問わず1日中授乳とオムツ替えの日々に、発狂したくなったり。私は無理だ、ダメママだ、と自分を責めたことも。1か月検診での「順調です」という言葉にどれほど救われたか。

子どもとの毎日はすごく貴重で幸せそのもの、喜びと発見の連続でした。一方で、日中は意思疎通ができないベビと2人、誰かと会話したい、と孤独を感じたのも事実。でも、周りを見るとみんな同じだった、そんな思いをママ友と共有して心が晴れたものです。

仕事復帰した際はなんという開放感を味わったことか。泣き叫ぶ息子を保育園に預けて後ろ髪引かれつつも、久々の通勤電車がワクワクだったり。仕事ではあるものの、自分の時間を謳歌している気分でした。2人目の育児は気持ちに余裕があったけど、病気となると話は別。熱でグズグズの息子をおぶりながら、首の座っていない娘を抱っこであやす。子どもと一緒に私も半泣き、必死でした。


海外でカルチャーショック
くすぶってないで楽しむには?

娘が生後4か月になってすぐに日本を離れ香港へ、乳飲み子を連れて初の海外生活スタート。仕事も完全に辞め、家事と子育てに追われる日々でした。楽しいながらも、慣れない環境で不満も蓄積。ママっ子の娘を見て、文化が違うヨーロッパ人の友達は「ずっと母乳あげているから、ママにベタベタなのよ。もっと1人で息抜きすれば?」なんて言う。

できればイイよね、でも、そしたら子どもの世話は?と。自分のことはいつも後回しで1人の時間なんてほぼ皆無。歯痒さを感じながら、毎日が忙しなく過ぎていきました。あるとき、3歳の息子に「ママの場所は、キッチンとスーパーマーケットだね」と言われ、えー、それ悲しい。これでイイのか、とも。子どもの言葉は刺さります。家事好きでも、料理が気分転換になるタイプでもない私、さらに悶々とした記憶が。

約4年前に来星した頃から生活が大きく変わりました。海外生活2か国目、時間が経つのは早いもので今や2人の子どもは小学生。闘いだった日々が嘘のように落ち着いて、自由な時間がグッと増えました。習い事やトレーニングをはじめたり、友達とランチをしたり。

必要に駆られて通った語学学校では、久々の子どもを介さない出会いが新鮮で、忘れていた何かを思い出せた気がしたり。長〜い育休の末、仕事を再開して少し社会復帰も。働く自分を子どもたちに見せられることがまた嬉しい。
「今日、ママは1人で何をしてたの?」と聞く娘に、様々な返しができるようになりました。

今後は……ゆっくり自分を見つめ直すことも必要だけど、せっかくの海外生活、くすぶってないで楽しまなきゃ! 新しい世界を覗くことは大きな刺激になり、それが自信にも繋がる。女性なら誰しも、年を重ねても若々しくありたいし。どんな環境でも、自分磨きは忘れず、自分らしく人生を楽しみたいものです。「ひとり時間」が欲 しいなんて贅沢なことかもしれない。けれど、今日も笑顔でがんばるためにやっぱり必要なものなんです。世の旦那さま、温かく見守ってくださいね。



2017年9月号/Vol.285

続いては、素敵な親子じかんを紡ぐ方法として「絵本」の読み聞かせがあります。絵本作家として、無類の絵本好きとして、そして先輩ママとして、山田詩子さんに「絵本と親子のコミュニケーション」についてインタビューさせていただきました。そのときのインタビュー記事をご紹介します。2017年9月号P.10~11に掲載されています。



先輩ママからのメッセージ
絵本と親子じかん

ママが夢中になれる一冊をまず見つけて
親の感動は子どもにきっと伝わりますよ


ご自宅に3000冊の絵本を持つ山田さん。心に残っている絵本を教えてください。

子どもの頃から私の家には浴びるほど絵本がありました。私は4人姉妹ですが、私が一番、絵本好きでしたね。

ハリネズミが主人公の『しずかなおはなし』という絵本があるんですが、最初に「小さな声で読んでください」って書いてあるんです。絵はグレーや黒が多く使われ、ストーリーは抽象的。お母さんの声は小さいし、私は一生懸命に耳を傾けました。会話以外の母の声を独り占めしていることがとてもうれしかったのを覚えています。
絵本の読み聞かせで感じる「自分だけのお母さん」……

汚れて誰だか分からなくなってしまった犬の『どろんこハリー』は、子どもが犬の気持ちを共感でき、ハラハラしたり、ほっとしたり。スピード感がある一方、絵の中に隠されている仕掛けを見つける楽しみなども備わっています。

鈴木のりたけさんの『しごとば』という絵本もすごく面白いですよ。新幹線の運転士や、寿司職人などいろんな仕事の現場が細かく描かれています。そこで仕事をする人の視点で描かれているのがイイ!

絵本には本当にいろんな種類があります。とにかく絵がキレイで心のマッサージをしてくれるような本は、沈み込んで自分と対話を楽しめます。きちっとした地図のような絵を眺めるのが楽しい本もありますよね。親の固定観念で良し悪しを決めないで、何でも面白がって一緒に見てみてください。


子どもの個性に合った絵本を探すにはどうすれば?

我が家には2人の息子がいますが、それぞれ本当に興味の方向が違いました。長男は百科事典が大好き。いつまでもページを繰っていましたね。次男は『ぞうのババール』がえらく気に入って、3か月間この一冊を読み続けていた時期がありました。

子どもの性分に合った本に出合うこと、それは彼らのいいところを育てること。将来の宝物になります。活字を自分で読む=自分の頭で考えることです。刺激の強いエンターテインメントから得る情報とは全く違うものを吸収することができるはずです。

先ほどシンガポールの日本人会の図書館をのぞいてきたのですが、とても良いラインナップでした。図書館に通いまくり、子どもが自分から読みたくなる本を探してみてください。そのとき、ママはアシスト役に。表紙だけでは分からない内容を伝えたり、子どもの興味を引きそうな本を差し出してみたり。図書館に通ううちに、きっと子どもの傾向が分かると思いますよ。


ママも読み聞かせを楽しむコツがあれば教えてください。

シンガポールに暮らすママさんたちと話す機会があったのですが、核家族で頼れる人が周りにいないせいか、ストレスを抱えていらっしゃる方が多いなあと感じました。読み聞かせをする心の余裕がないという声も実際に聞きました。

まずはママ自身が夢中になれる本を見つけることが大切です。絵本でなくても、雑誌以外ならどんな本でもいいんです。心が揺れるものを探す。そして、本を読んでいる姿を見せてあげてください。子どもは親が大好きなんです。だから親の感動は、必ず子どもにも伝わるはず。親が夢中になれないものを子どもに押し付けるのは無理ですよ。


海外育児に奮闘するママたちに応援メッセージをお願いします!

私の息子たちはもうずいぶん大きくなってしまいましたが、もしお金を払ってでも彼らが3歳の時期に戻してもらえるなら、どんなに楽しいだろうって思います。私も親になりたてだった頃は「ママなんだから正しいことをしなくちゃ」などと気張ってみたり、育児のことで思い悩むこともありました。でも今思えば、私の人生のなかで最も盛り上がり、ライブ感に溢れた日々だったなあと。

シンガポール暮らしは華やかではありますが、一人ぼっちで悩んでいるママさんがたくさんいると思います。自分の時間がない、そう感じているその瞬間も自分の時間だということに気づいてほしい。モヤモヤしながら家族のために必死で頑張っている、苦しい感情さえも大切にしてほしい。まさに群像ドラマのひとコマじゃないですか。

バンジージャンプなんてしなくても、ドキドキがいっぱいの日々。きっと年を重ねて、懐かしく思い出すときがきますよ。子どもと過ごす貴重な時間、どうぞ大切にしてください。
海外育児、大変なことも含めて人生最高に盛り上がっている時期!



2017年5月号/Vol.281

引き続き、2017年5月号P.12~15に掲載の「ひとり時間を究めて、夢を実現!シンガポールで起業した日本人女性たち」のインタビュー記事をご紹介します。2名の日本人女性のサクセスストーリーです。



【PART1】
フラワーアレンジメント教室・注文ブーケ
CARPO FLEURISTE代表 石井 くみ子さん

この国だからこそ可能性があると直感
私にしかできないお花のお仕事


準備期間7年、夢が結実するまで
起業はポチッとネット申請

幼いころからお母さんの庭に咲くパンジーやチューリップを眺めて育った石井さん。
「小さな野花を束ねるようなブーケが好き」という彼女が大人になって出合ったのが『パリスタイル』のフラワーアレンジメント。シンガポール航空に就職後、念願の教室に通い始めました。

「フライトで日本へ行ったときは青山の教室へ、そして年2回は本場パリへ。それぞれに師匠がいるんです。旬の花を使うこと、そして花の個性を大切にすることがパリスタイルの基本。例えば首がユラユラ揺れるお花はその性質が楽しめるように、ブーケの中でもちょっと背を高く束ねてあげるとかね」



花に夢中になる一方、組織の中で働くことに違和感を持つようになっていったと言います。
「去っていく先輩がいると、新しい誰かが代わりを埋める、その繰り返し。もしこの先ずっと一人で生きていくとしても自分にしかできないことを仕事にしたいと思うようになりました。

そのとき、自分には花しかないって強く思ったんです。日本ではフラワー業界は飽和状態、でもシンガポールなら自分が好きな『パリスタイル』はまだあまり浸透していないので、私にしかできない仕事があるんじゃないか! そう思いました。でも実際に始めるまで仕事をしながらお花の勉強を重ねて、あっという間に準備期間が7年になっていました」

海外での起業という勇気ある決断、そしてそれに向けた並々ならぬ努力。機が熟すまで時間はかかったけれど、会社設立自体は驚くほど簡単だったとか。幸いにもPR(永住ビザ)を取得していたため、シンガポールの明快なシステムを利用して、ネット申請でポチッと会社が誕生しました。


贈り手の想いをブーケに込める
それが花屋の醍醐味

注文ブーケとフラワーアレンジメント教室、2本柱で仕事をスタート。 毎朝、市場に通うことから石井さんの一日が始まります。

「トムソンロード沿いに大きな生花市場があるんです。日本ではよく見かけるけれど、こちらの花屋では滅多に見ない、小振りで可憐な花も市場にはあります。日本とは売れるお花が違うんですよね。旬の花はオランダから直送されていて、日本の四季とほとんど同じ。遠くから来て元気がない子を見ると、ついその場でハサミを入れて給水を助けてあげたりしちゃいます」



注文ブーケはメールオーダー。日本と違い、お花の入荷が予測できないので、好みを聞いたうえでお任せに。ブーケを届けるときは、嫁に出す気持ちと石井さんは笑います。

「一人でやっているので、できることが限られています。だからこそオーダーしてくれた人の気持ちを丁寧に汲み取って、想いをのせたブーケを作っていきたい。例えばプロポーズのブーケにユーカリの葉を使ったとき、たまたま1枚ハート型の葉を見つけたので、ブーケのポイントに使って愛情を表現したり」

今、石井さんはちょっぴり苦手な車の免許取得に取り組み中。新鮮なお花を届けたい一心で、石井さんの挑戦は続きます。


『パリスタイル』をシンガポールに
花の新風をひそかに巻き起こす

「お花のレッスンは、生徒さんが育児や仕事を忘れて楽しめる『ひとり時間』になればうれしいです。花の生命力を自分の中にたっぷりと取り込んで。お仕事が忙しい方は月1回でも参加して、お花に触れておうちに持って帰ってもらえたら」

花のある暮らしの良さを、石井さんは本当に幸福そうに語ります。
「ローズや芍薬など、香りのある花はアロマ効果として自分のために。部屋の扉を開けるたびにふわりと香ってくれますよ。それから、お花を飾ると人を呼びたくなるんです。お友達とお茶を飲みながらきっと素敵な時間を過ごせるはず」

石井さんが親元を離れ、シンガポールに移り住んだとき、彼女の目をほころばせたのは常夏の陽光に輝くブーゲンビリアの花たちだったとか。お母さんのお庭に咲いていた日本の花、憧れのパリの花、そしてシンガポールの南国の花。石井さんはどの花も好きだと言います。



今、石井さんは異国の文化のなかで、この国ではまだ珍しい『パリスタイル』の花束をひたむきに作っています。レッスンにシンガポール人の生徒さんが増え、いつか一流ホテルからのオーダーを受けることが目標とか。風土も感性も異なる外国でチャレンジを続ける大和撫子の姿は、とても清々しいものでした。






【PART2】
イベント・レシピ作成・PR事業
Spoonful代表 ケルニン 青木 康子さん

食にまつわるファンタジーを
ひとりの妄想から、家族、そして社会へ広げる


楽しく食に対する意識改革
シンガポール社会に一石を投じる

華奢な体つきからは想像しにくいけれど、青木さんは食べることが大好き。
たった1回の食事でも美味しく食べることを諦めたくないと言います。どんなに忙しくとも、ちょっぴり贅沢なおにぎりを結べば、ほら幸せなひとりごはんに。

「私、実は料理が得意なわけではないんです。少量でも美味しいものを食べることがとにかく好きで。シンガポールに来た当初はインドやぺラナカン料理など、初めての味に出合うのが楽しくて仕方がなかったです」

「スプーンフル」の構想が浮かんだのは日系メディアで営業職を務めていたとき。和食ブームも手伝って新しいレストランが続々と開業するシンガポールで、ローカルのフードライターと話すうちに、彼らが食べることから、作ることに興味を持ち始めていると、トレンドの流れを感じたそう。

「ちょうどその頃、新聞で深刻なシンガポールの食の廃棄問題について知りました。この国の人は食べることへの関心は高いのに、自炊しない人が多い(Electrolux データより)。作る楽しみを知り、作る側の気持ちを理解できれば、食に対する意識も変わるのではと 思ったんです」

こうして生まれた「スプーンフル」はローカルNPO「フードバンクシンガポール」と連携し、寄付や啓発活動など社会貢献も行いつつ、料理教室を主軸とした食のイベントを展開していくことになりました。




楽しくなければ始まらない
ファンタジーの世界観を教室に

「食のまわりには、実はファンタジーがいっぱい。例えばパン作り。発酵してぷくーっと膨らむのも、こねて可愛い形を作るのも、夢があって楽しいことばかり。しかも美味しいなんて最高ですよね」

青木さんのフィルターを通して世の中を見ると、食にまつわるいろんなことがファンタジックに映るよう。そんな心の中のわくわくをイベントに落とし込むのが、プロデューサーとしての彼女の仕事。

「料理イベントは楽しくなければ人は集まりません。講師たちの個性を最大限に生かしながら、各クラスのコンセプトを考えるとき、非日常を楽しんでもらえるよう工夫しています。成功して一体感を味わえた瞬間は最高ですね」

あえて自社のスタジオを持たず、レストランやホテルなどと柔軟に提携して、ユニークなイベントを企画するのが青木流。「ヘルパーさん向け和食クラス」があるかと思えば、ホテル探検やミシュラン星付レストランとのコラボなど多彩なジャンルで、講師も生徒さんも多国籍。青木さんの日本人女性らしい感性とアイデア力、そして幅広い人脈で躍進を続けています。


お弁当作りは息子と私をつなぐ
「臍の緒」のようなもの

仕事に邁進するあまり、家庭とのワークバランスが崩れて悩むことも。
「忙しい日々のなか、子どもと過ごす時間がなかなか取れないときもあります。そんなとき、息子のお弁当を作る時間は、自分と息子を家庭というものでつないでくれる時間だと感じます。なんとなく臍の緒がまだつながっているような愛おしいひとときです」



料理を作るお母さんの『ひとり時間』が少しでも楽しく、幸福なものでありますように。青木さんと講師たちで作る「スプーンフル」のオリジナルレシピは、簡単で美味しく、ちょっぴりオリジナリティーがあるものを目指しています。

「最近、ヤシ砂糖が気になっていてクッキーの試作を子どもたちと作ったりしています。血糖値を上げにくいなど体に優しい素材ですが、普通に使うと素朴感が出すぎちゃうんです。とくに息子は料理の手伝いが好き。料理は親子でやる身近なアクティビティーとして、心も成長させてくれますよ。我が家は4歳くらいからレタスをちぎったり、パンをこねたり」

息子さんのジョランくんの夢はパン職人。発酵してどんどん大きくふくらんでいくパンを、親子でわくわくしながら眺めています。青木さんは今、ビジネスチャンスと志の両方を大切にした「スプーンフル」をさらに大きく育て、同時に海外育児も奮闘中です。そんな彼女が料理の話を語る姿は少女のように無垢。美味しいごはんが今日も彼女に大いなる力を与えているのです。





2017年10月号/Vol.286

続いても、女性のキャリアに関する記事をご紹介します。2017年10月号P.32に掲載の「ママでも妻でも働きたい!働く女子INTERVIEW」記事。海外で働くことで、日本では味わえない人生の楽しさを見つけよう!



☝記事内容

ママでも妻でも働きたい!
働く女子INTERVIEW


働き方コンサルタント、そして「はたらくママ@シンガポール」代表として、精力的に活動する小野さん。これまで当地の日本人女性1000人のキャリア相談に応えてきたとか。異国の地で、自分らしく楽しめる仕事を見出そうと、人一倍頑張ってきた小野さんご自身のストーリーを伺いました。

アイデンティティークライシスを乗り越えて
今、この国でしかできない私らしいオシゴト

私が来星したのは2010年、28歳のとき。
結婚を機に、好きだった人材関係の仕事を辞め、シンガポールへ。専業主婦は性に合わず就職活動をすぐに始めたものの、英語が足枷となり、理想の仕事に出合えませんでした。好きな仕事で来星をして、どんどん成長する旦那さんを羨む日々。3日おきにこの世の終わりというくらい落ち込み、家出をしたことも。

せめて私生活を充実させようと、スカイプ英会話をしたり、ローカルの写真教室に通ったり。職場では必死に英語を使っているうちに1年半かけてなんとか職務がこなせるようになり、ついに転職に成功。大手人材紹介会社で内定をいただきました。

が! その3日後に妊娠が発覚。なんとか違う職種で内定維持はできたものの、働きながらの海外育児が不安で、不安で。シンガポールの出産事情、産休・託児についてなど、調べることがてんこ盛りで本当に大変でした。でも振り返ってみると、旦那さんと協力して情報収集したことで、夫婦の絆が深まったかも。

新しい仕事は人材に関わる、もともと好きな仕事。働くことが再び楽しくなりました。とはいえシンガポールは産休が短く、生後2か月の乳飲み子をナニーさんに託して出勤するときは泣けましたが。私はシンガポールに来て強くなった気がします。未来は自分で切り拓かなければと思うように!

この頃、自分のライフワークは「女性×キャリア」に関わっていくことと決めました。仕事以外でも「はたらくママ@シンガポール」をスタート。働くママと共に不安をシェアし、前向きに話せるような場作りがしたくて。ここで、今は育児に専念しているけれど、本心では働きたいと思っている女性がなんと多いことかと知りました。

第2子を出産後、私は仕事をあえてパートに変え、「キャリアデザインカフェ」という活動を始めました。働き方コンサルタントとして、いろんな悩みを抱える日本人女性の心の声に寄り添い、実際的なアドバイスを行っています。現在は「キャリアデザインカフェ」のビジネス展開を計画中です。

子どもの手が離れたから働きたい、海外でキャリアアップをしたい、純粋にお金を稼ぎたい……働く理由は十人十色。いろいろ悩んだ私ですが、これだけは自信を持って言えます。働くことでシンガポールならではの出会いと経験があり、それは必ずや人生を豊かにしてくれるはず。

もちろんあえて働かないという方も多いと思いますし、事情があって働けない方もいると思います。でも、もし働きたいけれど勇気が出ない女性がいるのなら、背中を押すお手伝いをしたい。ときには働けない悔しさにも耳を傾け、前向きに進める道を一緒に探したい。それこそが、私がこの国で見つけた、私だけのオシゴトだから。



2017年4月号/Vol.280

続いてご紹介するのは、2017年4月号P.10~13に掲載の「子宮レボリューション」という特集記事です。女性にとって、とても大切な子宮。きちんといたわっていますか?子宮を大事にすることで健康維持はもちろん、精神の安定、さらには美肌にまでつながるんです。子宮にまつわる知識を再確認し、見直してみましょう。



子宮にまつわる Q & A


そもそも子宮とは?

赤ちゃんを宿し、育む器官。厚い筋肉の壁でできた袋状の構造をしています。卵巣が分泌するホルモンの影響をとくに強く受ける部位。月経周期に伴って周期的な変化をします。




Q1.生理不順(月経不順)の原因って?

考えられている大きな原因は、女性ホルモンのバランス。月経をコントロールするホルモンの分泌には、卵巣、脳の視床下部、脳下垂体が関係し合っていて、どれかにトラブルが発生するとすぐに影響が。現代社会では、精神的なストレスがホルモン分泌に影響を与えることも多いです。


Q2.PMS(月経前症候群)って?

月経が始まる1~2週間くらい前から起こる、イライラ、腹痛、眠気、頭痛などの不快症状で、月経が始まると軽くなったり消えるのが特徴。ストレスで悪化します。また、排卵後の女性ホルモンの変化、ビタミン・ミネラルの欠乏が関係している模様。体温の高い時期(高温相、生理周期の黄体期)が判れば、ある程度時期の目安をつけることができます。


Q3.更年期って何?避けられないの?

閉経前後の約10年のことで、個人差はあれど年齢的には45~55歳くらいの時期です。徐々に減る卵巣からのホルモン分泌とのバランスを保とうと、脳下垂体が卵巣を刺激するホルモンを大量に分泌します。そのためホルモン過剰状態になり、自律神経も刺激されて、のぼせ・ほてり、イライラなどの現象が。これは、誰しも多かれ少なかれ起きる自然なカラダの変化です。


Q4.プレ更年期(プチ更年期)って?

最近では、30~40代の女性が更年期と似たような症状で悩まされることもあります。医学的にはっきりと定義されていませんが、これは「プレ更年期」と呼ばれています。原因は明確ではありませんが、徐々にくる卵巣機能の低下と溜め込んだストレス。自律神経がうまく働かないことでホルモンの分泌低下・体調が不安定になり、更年期のような不快症状が出るのでは、と考えられています。


Q5.子宮の不調、原因は?

まずは冷え。カラダが冷えると血液も冷たくなるんです。血の巡りも悪くなり、酸素の供給や老廃物の排出が上手くいかなくなります。また、ストレスは自律神経などのバランスを乱すことも。冷えやストレスは様々な臓器に影響を与えますが、卵巣や子宮は最初に影響を受けるでしょう。他にも骨盤周りの筋力が低下すると、胃や腸などの臓器が下がって骨盤内の臓器を圧迫。子宮や卵巣は骨盤にぶら下がっていますので、骨盤の歪みが影響を与えることもあります。


Q6.世代別で罹りやすい子宮の病気ってあるの?

20代~40代に共通して、子宮頸がん、子宮内膜以外に内膜ができる子宮内膜症、卵巣にできて周りの組織や血管を圧迫する卵巣腫瘍があります。40代・50代以降は、さらに子宮体がん、卵巣がんの可能性が。また、固いこぶのようなものができ、不妊や流産の原因にもなる子宮筋腫はどの年代でも罹りうる病気です。


アラサー編集Cが子宮について徒然に想うこと。


男性陣もご注目
これからは子宮ケアが大事です!

このところ、子宮の神秘に興味が尽きない、アラサーの編集Cです。
私の興味の対象は年齢とともに変わってきました。家族のことは基本として、学生時代は、勉強に部活。社会人時代では、仕事に趣味。得たお金を趣味へ投資するのは、大人になった実感がしたことのひとつ。あと、女性なのでオシャレなども、ほどほどに興味を持ちつつ。

年齢を重ねた今、新しい興味の対象がふたつ。ひとつは自分のカラダ。何だか疲れやすくなり、肌ヂカラが弱くなってきたこと。年齢のせいにしたくはないけれど、疲れや生活習慣の乱れが如実にカラダやお肌に現れるのは否定出来ません(笑)。ふたつ目は、周囲にファミリーや、ママ&プレママが多くなったこと。家族ぐるみでのお付き合いやキッズと遊ぶ時間は、これまでの自分の世界観と違う発見が。特に、ママやプレママの存在。改めて気づく生命の不思議。ママたちだって同じ女性なのに、自分とは何か違う気がします。

ふと、思ったこと。自分のカラダのことを大切にしていただろうか、と。私の興味の対象は、全て外。カラダを気にしているフリをしても、忙しさなどの理由をつけて後回しにしているかも。自分は一人ではなく、家族の構成員。家族を大事にするなら、自分のことも大事にしないと。

女性である自分のカラダと、生命の不思議。思い当たるキーワードのひとつが……子宮。まずはここから大切にしようではないか! そ れは、「子宮レボリューション」。すごい名前だけど、要は「子宮に対しての意識改革」。子宮は、卵巣から出たホルモンが反応するところ。ココロとカラダ、女性としての美しさに影響を及ぼすところ。できることから子宮のケアを始めるのが、心身の健康と年齢に合った美しさを保つ秘訣ではないでしょうか。

そして、子宮について忘れてならぬのが最大のお役目、妊娠と出産。妊娠後期にもなると、子宮は通常の鶏卵程度の大きさから、長さや幅は約6倍に。重さは20倍、容積2000~2500倍までダイナミックに変化を遂げるとか。そのチカラは本当に神秘的。約10か月の間、大きさと重さを変えて赤ちゃんを守っていて、出産時には、長時間の陣痛と出産という大きなお仕事に耐えるタフさ!

今まで、プレママのだんだん大きくなっていくお腹に、自然と浮かぶ微笑みとともに、ママとぐんぐん成長している赤ちゃんのことを応援していました。でも、これからはママや赤ちゃんとともに、”子宮の頑張り”も認めて応援しなければならない、と。あと子宮さん、これまで生理が面倒臭いとか、あれこれ言ってごめんなさい!

  最後に、男性の皆さま。どうか「興味ない」などと言わないで。パートナーの子宮のこと、頭の片隅にでも置いていただけると、家族や周囲の女性とのスマートな付き合い方、ひいてはコントロールの一助にもなると思うのです。






女子たちよ、原点回帰せよ!
子宮力UPで変わる、あなたの生理


本来あるべき生理の姿とは?

想像してみてください、かつて着物を着ていた日本人女性たち、ナプキンのない時代はどう生理中を過ごしていたと思いますか? 答えは、トイレで排血していたんです。言ってみれば、近年のナプキンは大人のおむつと一緒。ナプキンや便利すぎる生活のおかげで機能が退化しちゃったんです。現代女性が、ナプキンなしで生理を迎えるようになるには、生活習慣を見直し、ちょっとした心がけを積み重ねれば、できないわけではありません。でも誌面でお伝えするのはちょっと難しいので、今回は日々の心がけで正常な生理の姿に戻す方法をお話ししたいと思います。

そもそも正常な生理とは、約3日で終わり、夜間はほぼ出血しない、生理痛もないのが普通なのです。ふんわりと柔らかい子宮内膜がするりと剥がれて生理となれば痛みもないはず。生理痛がある人は血行が悪く、冷えて固まった子宮からビリビリと子宮内膜が剥がれるから痛いんです。


子宮が温まり、健康であるために大切なことは?

子宮自体のケアもさることながら、実は筋肉を付けることと、肝臓をいたわることが大事。加工食品やアルコールなどを取り過ぎると、肝臓は毒素の処理で忙しく、熱量を作り出すという大切な仕事がおろそかになります。すると体が冷える、そして子宮も冷える。だから食生活はとても重要なんです。また、筋肉も熱量を作り出す要。筋肉が衰えるとそれだけ体の冷えにつながります。

かつて人は、日の出とともに目覚め、布団をしまい、畑仕事をし、旬の野菜を食べ、日が暮れると床に就いていました。現代のような食生活の乱れがなく、運動や睡眠も十分な暮らし。そう、まさに原点回帰をすれば、生理だって正常に戻るはずなのです。

とはいえ、昔の人と同じ生活はできませんよね。子宮のために今すぐ実践できることがたくさんあるので、私流のポイントをお伝えしますね。


ワタシカルテ
自分の生理パターン(日数、出血量、周期、生理痛など)、食生活(まずは1週間何を食べたか)、睡眠時間、平熱、排便状態、体調などを書き出し、「ワタシカルテ」を作成して現状を把握しよう。

食生活
砂糖、小麦粉、カフェイン、アルコールなどの陰性食品、また加工食品などを控える。食事は常温以上の温かさで食べる。朝、レモンを絞った白湯を1杯飲む。腸内環境を整える発酵食品(味噌、納豆、麹、甘酒)を積極的に摂る。旬の新鮮なものを食べる。そのときに自分が食べたいものを適量食べること。

筋トレ
ひと駅歩く、歯磨きの間つま先立ちでいる、テレビを見ながらスクワットをするなど、毎日できることを続ける。自然な筋力を付けることが大事。

睡眠・ブルーライト
夜22:00~02:00は成長ホルモンが最も分泌されるシンデレラタイム。視神経を刺激して熟睡を妨げるブルーライトを放つケータイは早めにオフして、良質な睡眠を。寝不足は自律神経を乱し、生理不順にもつながる。

下着・ナプキン
本来のホルモン機能を狂わす環境ホルモンの吸収を避けるため、オーガニックナプキンを使う。使い捨てだから便利で衛生的。下着もオーガニックコットンがオススメ。

温活
職場環境でどうしてもエアコンにさらされる場合などは腹巻やレッグウォーマー、ネックウォーマーを。素材はやはり肌への負担が少ない自然素材が◎。ツボにお灸を据える。かっさのセルフマッサージなど、自分が「気持ちいい」と感じることをしてみる。



子宮の最大の敵は?

自律神経を乱す「ストレス」だと私は思います。職場環境や食事といった外的ストレス、そして精神面の内的ストレス、どちらも子宮の大敵。自分にあったストレス解消法を見つけることはとても大切です。ハッピーで笑っているとほら、自然に体温も上がって、子宮もふわふわゆるゆる。赤ちゃんがやってきやすいふかふかベッドが子宮にできますよ。



2017年7月号/Vol.283

引き続き、女性の身体に関する記事をご紹介。
2017年7月号P.12~13に掲載の「キレイリズム美容」という特集記事です。お肌の調子が良いときや悪いとき……「私のカラダとの付き合いは長いから、なんとなく変化のサイクルはわかっているつもり」って、それ本当? 女性のカラダに対して、とくに大きな影響をもたらす生理周期。この“キレイリズム”を改めて理解すれば、賢く最大限に美容効果を享受できるはず!



自身のカラダのこと、ちゃんと理解できていますか?




健康美人は”キレイリズム”を分かっている!


人を癒すセラピストは天職
場が華やぐ健康美人

現れた瞬間、場の雰囲気が花咲くように明るくなるのを感じました。「健康美人」、Mikaさんを形容するならその言葉。取材陣は「やはりこのテーマにはこの方」と確信しました。

Mikaさんのセラピストとしてのキャリアは、オーストラリアへのビューティーセラピー留学後、シドニーでのスパ勤務からスタート。当時、オーストラリアでは医療の一環としてセラピーを受けることができ、生活に馴染み深いものだったそうです。

「セラピストになってからの発見は、セラピー中にお客さまのカラダの変化が直に分かることです。そしてお客さまから『ありがとう、楽になったよ』と言われると、とても嬉しかったですね。他にも、セラピスト仲間で研鑽しあった技術に対し、お客さまからポジティブなフィードバックをいただけたことも」

そう語るMikaさんからは笑顔がこぼれます。
しかし、全てが嬉しいことばかりでもありませんでした。

「カラダが大きい海外の方から、『パワーが足りない』とご指摘受けたことも。いかに自分のカラダにダメージを与えず効率よく圧をかけることができるか、ということも考えるようになりました」


攻めるけれども、無理もしない
キレイリズムは『カラダの要求』

知識を蓄え、技術を磨くことに努力を惜しまない日々。
カラダを鍛え、自分を労わることも加わりました。そこには『キレイリズム』も関わっています。

「デトックス期には、自分に無理をしないことを許しています。カラダを温めることを心掛け、中からはハーブティーやスープ、外からはお腹をカバー。食欲も落ち着く時期ですし、とにかくおとなしくしていることが多いです」

守りに入るデトックス期。血の巡りが良くなるマッサージなどは過剰な反応が出ることがあり、都合が合うならお店のお客さまにも、この時期での施術はあまりオススメしないそうです。

「キラキラ期には、カラダが元気になる感じが。ホットヨガをしたり、プロテインを多めに摂取したり、腸活などをしてメンテナンス の意識づけをしています。肌がキレイになる時期なので、イベントやデートなど……この時期にできればいいですね(笑)」

キラキラ期には攻めの美容・アプローチをされている模様。この時期に来店されたお客さまも、セラピーの効果が断然違うとか。

「ブルー期には、ホットヨガの他にデトックス期への準備段階として、シンガポールではあまり入ることのできない湯船に浸かること も。食欲が増えますが、この時期は気分転換も必要だし、食べることも好きなので(笑)。コントロールするより、自然なカラダの要求 に任せています」

Mikaさんはサロンでも、継続して通われている方の調子がキレイリズムで異なるのを感じるそうです。
「自分では気づかなくても、他の人から見ると分かります。同じサロンに通うのは、キレイリズムの気付きになって良いですね」

プロの目から見ても、効果の差が分かるキレイリズム。やはり、このサイクルを攻略して自分のものにすれば、賢く効率的な手が打 てるようになることは間違いなさそうです。





2017年7月号/Vol.283

続いても、2017年7月号P.20に掲載の「漢方に基づく生理中の過ごし方」の記事をご紹介。血を増やすrecipeもあるので、要チェック!



日本人中医師・やお先生に訊きました!
漢方に基づく生理中の過ごし方


生理=血を整える

子宮内の血液は古いものを残すべからず。その月の血液は、その月に流すために、めぐりを良くしておくことがとても大切。常にキレイな子宮で赤ちゃんを迎えるためにふかふかのベッドを作ってあげるイメージで。


生理中によい食べ物

● 血行促進 … キクラゲ、レンコンなど
● 体を温める … シナモン、生姜、ヨモギなど
● 血液を補う … クコ、ナツメ、ひじき、ドライロンガンなど


生理中は避けたほうがよい食べ物

● 体を冷やす … スイカ、梨、苦瓜、ナス、キュウリなど
※冷たい飲み物・お酒の飲みすぎもNG
● 刺激を与える … 唐辛子、キムチ、辛口カレーなど


過ごし方のPOINT

● 体を温める … 薄着は避ける、使い捨てカイロをお腹に貼る、お風呂に入る(ない場合は熱めのシャワーをお腹と腰に当てる)
● 無理をしない …… 激しい運動は避け、ストレッチやヨガなどで血行促進


生理終わりにぴったり 陰(血)を増すレシピ

生理が終わった直後は体内の陰陽の変わり目。この時期に摂るとよいお手軽レシピをご紹介。スーパーで手軽に漢方食材が手に入るシンガポールだからこそチャレンジして!

レシピ❶
コトコト煮込む本格薬膳スープ 八珍湯

血と気を増す作用のある8種類の生薬を煮込むスープ。貧血気味で、胃が弱っている方にオススメ。1回分の材料がパックになって$5程で売られているのでラクチン。袋を開けると漢方薬独特の香りが。味はほろ苦マイルドで意外と食べやすい。やお先生曰く「十代の女の子など若い人にもよいですよ」。



材料(4人分)
八珍湯パック……1袋
水……1ℓ
骨付き豚肉(鶏のモモ肉でもよい)……500g
お好みで塩、クコの実
※水と肉の量はパックのメーカーにより異なります

作り方
① 豚肉を茹でこぼす
② 豚肉と生薬8種を弱火で2時間煮込む
③ 塩で味を調え、彩りにクコを入れる


レシピ❷
ほんのり甘くてリラックス クコ&ナツメ茶

中国ではクコは「不老不死の実」と呼ばれ、肝機能の活性化、視力回復、美肌効果などが期待できる。一方、ナツメは貧血の予防改善、血行促進、冷え性改善、イライラ解消などの効果がある。「1ℓ分のお茶をまとめて作り、一日かけて飲むのがオススメ」とやお先生。胃がもたれる人は、気を回す作用があるバラのつぼみや陳皮(ミカンの皮)をプラス。お湯を注ぐだけで超簡単!



材料(お茶1杯分)
干しクコの実……ひとつまみ
干しナツメ……2個

作り方
① クコとナツメをザルでさっと洗う
② 熱湯を注ぎ、3分蓋をして蒸らす



2017年3月号/Vol.279

続いても、お料理レシピが続きます。
編集Sが、フランスのニースに住む義理の家族から教わった、おうちでも簡単に作れるケーキレシピをご紹介。 2017年3月号P.6に掲載されています。



レシピ❶
Beignets De Pommes
リンゴのベニエ

聖なる日をお祝いする伝統スイーツ
隠れたリンゴの甘酸っぱい味が優しく響く

古くは、イエスの義父である聖ヨセフの祭日3月19日に、村人たちは彼の像を担いで教会から村を一周した後、リンゴのベニエと白ワインでお祝いするのがニースでの慣わしだったとか。揚げたてのベニエにたっぷりの砂糖をまぶし、サクサク&しっとり2つの食感を楽しんで。



材料(5~6人分)
卵 1個
薄力粉 120g
塩 少々
砂糖 大さじ1
牛乳 100ml
リンゴ(あれば黄色)700g
サラダ油 適量
粉砂糖 お好みで

作り方
① ボウルに薄力粉を入れ、中央に大きな穴を作る。そこに、卵、塩、砂糖を入れてかき混ぜる。
② 少しずつ周りの薄力粉を混ぜ加えていく。同時に牛乳も少しずつ加えてかき混ぜる。すべての材料がよく混ざったら、室温で少なくとも30分放置する。
※薄力粉を混ぜるとき、”だま”ができないように少しずつ加えてかき混ぜてね!
③ リンゴは切らずに皮をむく。コアラーを用いて芯を抜き、輪っかができるように0.5mmにスライスする。
④ 油を火にかけて十分に熱する。リンゴのスライスを②にからめ、表面の色が変わるまで両面返しながら揚げる。
⑤ 余分な油を除き、プレートにのせて粉砂糖をまぶす。


レシピ❷
Gâteau Meringué Aux Amandes
アーモンドたっぷりガトー・メレンゲ

酸~っぱい赤スグリの実が目にも美しい
焼アーモンドの香ばしさが良いアクセントに

愛らしい見た目からは想像できないほど酸っぱい、ヨーロッパ原産赤スグリの実。焼アーモンドで飾られたメレンゲケーキに合わせ、デザートワインと一緒に。ニースの人たちは、その時々の気分でトッピングを各種ベリーに変えたり。キッズ向けには甘めなベリーで代用も。



材料(12人分)
バター 125g
砂糖 260g
卵 3個
薄力粉 150g
カカオパウダー 35g
バターミルク 125ml
サワークリーム 120g
アーモンドスライス 大さじ2
クレームフレーシュ 160ml
粉砂糖 大さじ1
赤スグリ 150~200g
※当地で以下の材料が見つからなかったら……
バターミルク:牛乳125mlに大さじ1のレモンジュースで代用可
クレームフレーシュ:よく冷えた生クレーム160mlを通常よりも固めによく混ぜる

作り方
① オーブンを180度に予熱する。直径25cmのケーキ型2つを用意し、内側にバターを塗る。オーブンシートを底だけにひく。
② ボウルにバター、砂糖110g、卵黄3個分を入れ、ハンドミキサーでよくかき混ぜる。少量ずつ薄力粉とカカオパウダーを加えながらかき混ぜる。バターミルクとサワークリームを加えさらによく混ぜ、型2つに均等に流し込む。
③ 卵白3個分をミキサーでかき混ぜながら、残りの砂糖を少量ずつ加える(メレンゲを作る)。
※冷えた卵を使い、砂糖を少量ずつ(目安はティースプーン1杯程度ずつ)よくかき混ぜると、つやつやで、ピンとツノが立つメレンゲができるよ
すべての砂糖が見えなくなったら、木製ヘラで②の上に均一に広げる。一方のみに、アーモンドスライスを均一にのせる。
④ 2つの型をオーブンで10分焼く。アルミホイルで覆い、さらに20分焼く。オーブンから取り出して5分冷ます。慎重に型から取り出し、余熱を取る。
⑤ ④の間に、ボウルにクレームフレーシュと粉砂糖を入れ、固くなるまでミキサーで混ぜる。アーモンドがない方のケーキをプレートにのせ、均一に混ぜたクリームを塗る。もう一つのケーキを上に重ねて、トップに赤スグリの実を飾る。



2017年10~12月号/Vol.286~288

引き続き、お料理レシピです。
2017年10月号より連載がスタートしました「オリーブオイルで作る、とっておきレシピ」の記事をご紹介。健康にもよく、重宝されるオリーブオイル。そちらを使ったアレンジレシピをどうぞ!





2017年6月号/Vol.282

続いては、残念ながら2017年6月号で最後となりました連載「やおの部屋」より、最終回のコラム記事をご紹介。



☝記事内容

やおの部屋
漢方あれこれ「美容鍼」


パルティ読者の皆様、お今日は。ご機嫌いかがでしょうか。早いもので、当コラムも12回目、な、なんと最終回! グスッ。有終の美を飾るのは、女性の皆様お待ちかねの美容鍼でござります。


● 美顔鍼
美容鍼とは、厳密にはお顔だけでなく、ダイエットや女性の体のお悩み等、美容全般に対する鍼施術ですが、お顔への施術=美顔鍼を思い浮かべる方も多いかと思います。

顔のお悩みと言えば、シミやしわ、たるみ、むくみ、くすみ等が一般的でしょう。通常は、カウンセリングでどこが気になるのかを伺った上で、気になる部分を重点的に、お顔全体に施術。例えば、目尻のしわや目のたるみならこめかみ周辺、頬のたるみなら頬骨の下側、二重顎は顎と首の中間、目のクマは目の下側に施術いたします。

「お顔に鍼って痛そう。大丈夫?」って? ここで美顔鍼のリスクについてひと言。顔と頭部、とくに目の周辺は毛細血管が多く、お肌も超繊細。美顔鍼では、施術箇所が内出血し、少し青アザになることもあります。その場合個人差がありますが、青アザは普通2、3日~1週間程度で消えます。(鍼による青アザが永久的に残ってしまうことはありません)

美顔鍼は、一時的内出血のリスクはあるものの、効果の高さが評価されている施術のひとつ。実は、シミやしわ、たるみ、くすみ改善等の直接的な問題解決だけでなく、プラス効果も期待できるんです。

そもそも人のお肌は、表皮、真皮、皮下組織の三部構成。鍼は表皮だけでなく真皮まで届くため、お肌の自然治癒力が高まり、さまざまなお悩みの改善が期待できます。そして、期待できるのはそれだけじゃございません! 鍼で肌の調子が整うことにより、スキンケア製品の浸透力強化も期待できるんでございます。先日も患者さんのお一人から「美顔鍼をした晩から、化粧水がしっとり染みこむようになった気がします」という嬉しいメッセージをいただきました。


● ダイエット鍼
さてさて、中国最古の医学書と言われる『黄帝内経』にも書かれていることですが、体内の気血水のバランスは、顔の色つやと密接な関係があります。美顔も、体の内側から調子を整えることが大切。食事や気候、睡眠(時間帯や質等)の他、生理トラブル、便秘や胃腸の不調、首や肩のひどいコリ、腰痛等も、お肌と深~い関係がございます。こうした症状が見られる場合、症状に合った鍼を施術してから、お顔に施術しています。例えば首や肩コリの施術も一緒に行うと、むくみやくすみ改善の効果が高まり、抜け毛予防も期待できます!

とくに生理機能を整えることは、お肌だけではなく、ダイエットする上でも重要です。ダイエットをご希望の方で生理不順の場合、生理が規則的になるように整えます。ダイエット鍼では、体重増加の原因を探求。生理トラブル、便秘、胃腸機能の低下、ストレス等々ですね。施術は腹部や足、腕、耳を中心にいたします。


最後に……
パルティ読者の皆様、最後までお付き合いいただき、誠に有難うございました。
美容鍼に限りませんが、健康維持や症状を根本から改善させる上で、鍼施術はリピートした方が効果的です。どのくらいの間隔がいいのかは、個々人の症状により様々ですので、お気軽にご相談ください。

当初の症状が治った後、健康維持のために定期的に鍼施術を続けていらっしゃる方も少なくありません。副作用のない鍼施術は、諸症状の治療・緩和だけでなく、健康維持の上でも安心して受けていただけます。鍼治療が怖いという方は、血行促進作用もあるカッピングからトライなさってはいかが。シンガポールなら種類が豊富な漢方薬(1日$2~4位)もご利用ください。

それでは皆様、近いうちにお会いできますように♡ どうぞお元気で!



2017年8月号/Vol.284

2017年最後にご紹介するのは、2017年8月号P.8~15に掲載された「もてなし上手が住まう、憧れのお宅拝見」の記事です。ご自宅のインテリアのヒントにしてみてください!




※広告は当時のものです

 
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