いつもツルツル柔らかな感触の手になりたい!
ハンドクリームがなくても、ちょっと気をつけるだけで実現することができるんです!
お子さんを幼稚園に送り出した後フェイシャルケアにいらしたFさんとの会話です。
F:至福の時間をありがとうございます!
佐藤さんの手の感触は、いつもツルツルで柔らか。手のひらのお手入れもしっかりされているんですね。
私:私の手は、ハンドクリーム要らずですよ。
F:どうして?私は手がカサカサでハンドクリームは欠かせません。びっくりです。
私:習慣にしているのは、
1、手のひらを濡れたまま放置しない
2、濃厚なソープを直接乾いた手に取らない
ということです。
少しでも気を許すと乾燥を感じますし、酷い手荒れも経験しています。
保湿のためにハンドクリームを付けても、手は毎日何度も洗いますよね。洗ってはハンドクリームを付けるを繰り返すのは大変です。
手荒れを起こしたとき、ハンドクリームで頑張ってもなかなか回復できませんでした。
なるべく刺激がないようにと、手を洗うときは、水洗いをしてから少量のソープで手早く洗い、流水で流した後タオルでやさしく水気を取るのを頑張りました。
手ごたえがありましたよ。それ以来の習慣です。
洗顔にも応用できますね。
F:なるほど。洗顔も洗浄力が強かったり、マッサージをし過ぎたり、タオルで擦るように拭くのはNG!
私:そうです。皮膚は自ら潤い成分を作り出し、弱酸性を保ってバリア機能を高める働きがあります。
私:保湿だけではないですよ、手のひらが乾燥していると風邪を引きやすいってご存知ですか?
F:手洗いで風邪を予防するのはわかりますが、乾燥と風邪の関係って何?
私:潤いのある手のひらは、お顔と同様、皮膚表面に皮脂膜が作られ乾燥を防いでいます。
皮脂膜は、皮膚常在菌が皮脂を餌にして潤い成分とともに作られています。
しかし、皮膚常在菌は手洗いで簡単に落ちてしまいます。
洗浄力が弱いとされる石鹸での手洗いでも1回で、皮脂とともに90%の皮膚常在菌が洗い流されて、回復するのに12時間もかかります。
風邪など病原体は、手に付着して口に入ることで発病しますよね。
皮脂膜で覆われた潤いのある手は、病原体が嫌う弱酸性で病原体が付着するのを防ぐことができるんです。
一方、乾燥した手はアルカリ性で病原体も付着しやすく、体内に侵入してしまいます。
それで風邪を引きやすくなるそうです。
F:ソープの洗浄力のせいで、風邪を引きやすくすることもあるんですね。
皮脂や常在菌を洗い過ぎた直後から、病原体が手指に付着しやすくなるなんて知りませんでした。
私:入浴時以外は、10秒間の流水による手洗いでいいという医師のお話もありますよ。
F:へえ、私もハンドクリーム要らずを目指して、10秒間の流水手洗いをやってみます。
私:お顔も同じですよ。洗顔による洗い過ぎでアルカリ性に傾いたお肌は、乾燥により老化を早めますし、炎症による肌荒れも起こしやすいです。
清潔にし過ぎることで皮膚を痛めたり体調を崩したりするより、皮膚本来の潤う働きを大切にして美肌と健康を維持したいですね。
F:はい!
佐藤 薫
エステティシャン。ご主人の独立を機に、1996年より駐妻から一転し、エステサロン「マルリー」の経営者に。日本人ならではのきめ細かなカウンセリングとサービスでファン多し。