子育て相談Q&A
今日の相談
4~5月に子どもの心や体の調子が崩れてしまいます。家庭でできることはありますか?
❶ 子どもの心と体の変化・サインを見逃さない
日系の園や学校では4月から新年度が始まります。スタート直後は、まだ新しい環境や人間関係など慣れないことが多いなか、知らず知らずのうちに無理をしてストレスをためてしまうことも少なくありません。とくに、幼稚園への入園や、小学校・中学校・高校への入学という人生の大きな節目を迎えるお子さんは、本人が自覚しているかどうかに関わらず、ストレスを強く感じている可能性があります。
こうして1か月が過ぎた5月頃に心身の変化・症状が現れることがあります。正式な医学用語・診断名ではありませんが、このような変化・症状は通称『五月病』と呼ばれており、子どもにも見られることがあります。
心や様子の変化
元気がない、集中力の低下、イライラする、よく怒る、よく泣く、気力の低下、不安の増加、笑顔の減少
体の変化
腹痛や頭痛を訴える、下痢や便秘になる、食欲の低下や増加、夜なかなか眠れない、朝起きられない、すぐに疲れる
行動の変化
園や学校に行くことを渋る、親のそばから離れない、学習が捗らない、特定の場所・人・ことなどに対して不安になる
このような変化は、お子さんからの心と体のサインです。何らかのストレスや緊張感が高まっている可能性が考えられます。
❷ 家庭でできるサポート
上記のような変化や症状が見られる場合、様子を注意深く見守りながら、次のようなサポートをご家庭で取り組んでいただければと思います。
① 家ではリラックス + 適度な運動でストレスを発散
園や学校で十分に頑張っているお子さんを、ご家庭ではゆったりと過ごさせてあげてください。ストレスを減らしリラックスできる環境づくりを検討されるとよいでしょう。また、適度な運動でストレスを発散させることもよいでしょう。
② 会話の時間を確保して話を聴き、「あなたが大切」であると伝える
お子さんとの自然な会話の中で、不安やストレスについて聴いてあげてください。励ましの言葉は逆効果になる可能性もあり注意が必要です。元気がなくても、学習が捗らなくても、どんな時も「私にとってあなたが大切だ」というメッセージを送り続け、お子さんに温かい愛情と肯定感・安心感を与えてあげてください。
③ 不安な時は、学校の先生や専門家(医師や心理士)に相談する
通称『五月病』は、放っておくことで状況が悪化し、別の問題を引き起こす場合があります。不安に思われた時には園・学校の先生や専門家に相談されるとよいでしょう。また、身体症状が顕著な場合は、ためらわずに病院で受診されることをおすすめします。
お子さんの心身の調子が安定され、充実した新年度のスタートとなることを願っています。
まとめ
① 通称『五月病』は子どもにも起こるものと理解し、子どもの心と体の変化・サインを見逃さない
② 家庭でお子さんとゆったりと過ごし、自然な会話で不安やストレスについて聴く
③ 不安な時は園・学校の先生や専門家と相談し、身体症状が顕著な場合は病院で受診する
教えてくれたのはこんな人
西河 彩恵子
「子どもと家族の心理相談室 こころん」
臨床心理士・公認心理師。日本の小学校で心理士資格を持つ教員として、担任と特別支援教育コーディネーターや教育相談との兼務を経験。日本臨床心理士会、日本心理臨床学会、日本LD学会、シンガポール心理学会(SPS)の正会員である。
子どもと家族の心理相談室 こころん
https://kokoron-sg.com
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