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若い女性も要チェック!姿勢が悪い原因は「脊柱側弯症」かも!?

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若い女性も要チェック!
姿勢が悪い原因は「脊柱側弯症」かも!?

姿勢を良くしているつもりなのに左右の肩の高さが違う、なんとなく背中が左右に曲がっている、前屈したときに左右の高さが違う、ウエストの高さが違う……など、きれいな姿勢を保とうと工夫しても治らないことがあります。そのような場合、脊柱側弯症の可能性が考えられます。

脊柱側弯症とは背中を後ろ正面から見たときに通常はほぼ真っ直ぐな脊柱が左右に曲がった状態のことを言います。

脊柱側弯症は日本人では1~2%に発生し、そのうち原因が不明の特発性側弯症が80~85%を占め、なかでも思春期以降(10歳以降)の女子に多く発生すると言われています。また遺伝することも知られており、どなたかに脊柱側弯症がある場合は親子・兄弟でも発生していないかの確認も重要となります。その他に別の病気があり、その結果として脊柱側弯症が発生することもあります。

特発性側弯症の場合、体の発育や成長が止まるまで進行していく傾向があり、発症年齢が若いほど、時間とともに脊柱側弯症が進行する可能性が高くなりますので、多少なりとも脊柱側弯症があるときは定期的にレントゲンを撮影して側弯症が進行していないかを確認していくことが重要となります。



診断についてお話します。
脊柱側弯症の評価はまずは視診にて行います(図1)。


その時のポイントは、
①肩の高さに左右差がないか
②肩甲骨が出ていないか
③ウエストラインは非対称になっていないか
④前屈したときの背部で肋骨の高さに差がないか
となります。



これらを認めるときはレントゲンでの確認が必要となります。
レントゲン写真では「コブ角」といってどの程度、脊椎が曲がっているかの角度を計測して判断します(図2)。そのコブ角が10度以上だと脊柱側弯症があると診断されます。変形の程度によっては背中の片方が飛び出るようになったり、肋骨の変形をきたすこともあり、見た目で気づかれることもあります。




治療方法は、年齢(骨の成熟度)と脊柱側弯症の程度(コブ角の角度)によって異なっています。

●コブ角が10~25度と小さいときは、
変形が進まないかを定期的にレントゲンを撮って評価を行いながら経過を観察していきます。成長が落ち着くまでは確認していかれる方がよいでしょう。

●コブ角が25~40度とある程度の角度のときは、
装具を付けることが勧められます。その装具は変形した脊椎を元に戻すような方向に抑える形となっており、少しでも真っ直ぐになるようにすること、脊柱側弯症が進行しなようにすることが目的となります。

●コブ角が40度を超えているときは
手術療法が勧められることがあります。

どの治療方法が本人にとって最良になるかを考えながら方針が決まっていくことになります。もしかして背骨が曲がっている?と思ったときはいつでもご相談ください。





教えてくれたのはこんな人

佐藤健一 先生
日本メディカルケア家庭医。日本プライマリ・ケア連合学会 専門医・指導医、College of Family Physicians Singapore会員。日本・シンガポールで家庭医として豊富な経験を持ち、小児から大人まで幅広い年齢の方々のさまざまな疾患の診察を行う。乳幼児健診、子育てへのアドバイス等にも定評がある。

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