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【佐藤さんの住宅探し】
〜住宅を家主へ返却する際の注意点④〜

住宅を家主に返却する際の注意点④

不動産仲介業者の山田さんが、コンドミニアムを見学している佐藤さんに、シンガポールで住宅を探す際に気をつけることを解説しています。

前回までのポイント

・電気、水道、ガスの解約は返却の翌日に切れるようにする
・解約の手続きは返却の1か月以内くらいに行う
・銀行口座をすぐ閉鎖したい場合にはSPサービスの窓口で対応可能
・ケーブルテレビのチューナー、リモコン、アンテナ線は返却必要だが
・インターネットのルーターは返却の必要はない
・インベントリーリストのものは必ず残しておく
・その他マニュアル、ベッドルームの鍵、エアコンのリモコンの数と稼働状況の確認が必要

今回のポイントは3つ!

ポイント1:家を家主さん側に返す場合には損害をはっきりさせるために書面を作成する

佐藤さん:物件引渡の際、お互い納得して鍵を返せばそれでおしまい、ということですか?

山田さん:いえいえ、やはりどのような問題があり、あるいは無かったとしても、 その旨きちんと記録をとることが必要です。

佐藤さん:どのような記録をとればよいのでしょうか?

山田さん:「家を返却した日付け」
「敷金から引かれる、あるいは家主さんに支払わなくてはならない事項」
「この記録以降、家主さんは追加で損害を請求しないこと」
などを盛り込んだ文書に家主さんと住んでいた人が署名して記録としなくてはなりません。

佐藤さん:それは私どもの不動産業者の山田さんが作って用意してくれるのですね?

山田さん:そうです、家主さんの業者が作ったものでも内容が同じであればそちらを利用して問題ありません。

ポイント2:自分が納得しない損害部分についてははっきりとその部分は認めない旨記録に残す

佐藤さん:先方が指摘した修理事項で私が納得したものであればよいのですが、もし納得できない場合にはどうすればよいですか?

山田さん:その場合には、記録にはっきりと自分はその損害に同意していない、ということを残さなくてはなりません。

佐藤さん:もしそのように同意しない場合、先方が前に山田さんがおっしゃっていたように鍵の受取を拒否することはないのでしょうか?

山田さん:そうならないように「その事項には同意しないが、最終的に全体の費用を見てから決める」という方向にすることが必要です。
ポイントは単に後で決める、ペンディングにする、というような表現を使わないこと
もし後ほど訴訟など法的アクションを取らなくてはならなくなったときに、半ばその損害を認めたとされ、不利になります。

佐藤さん:なるほど、難しいですね。怒らず、口論せず、先方に鍵を返すことを第一に考えながら、一方で先方が指摘したことを認めない、ということですね。

山田さん:その通りです。

ポイント3:家の返却に家主さんが立ち会わず、家主さんの不動産業者しか来ない場合に、家主さん自身があとで追加損害を言ってきた場合には調整に時間がかかる

佐藤さん:もし家主さんが来なくて、家主さん側の不動産業者だけしか来なかったとします。
そして、後で家主さんがいろいろ文句を言ってきたらどうすればよいのでしょうか?

山田さん:それが一番難しい問題です。
家主さんの業者が家主さんの代理人として来ているのですが、家主さんが後から自分自身が署名していないことを理由に追加で損害請求をしてくることは実務上時々あり、その場合には結構調整が長引くことがあります。

教えてくれたのはこんな人

高野 徹
TOKIO PROPERTY SERVICES PTE LTD/TRE 21 PTE LTD
82年東急不動産入社。93年からシンガポール駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。
お問い合わせは、takano@tokio.com.sg もしくは takano@pacific.net.sg まで