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【佐藤さんの住宅探し】
~敷金の回収①~

住宅を家主に返却する際の注意点

不動産仲介業者の山田さんが、コンドミニアムを見学している佐藤さんに、シンガポールで住宅を探す際、退去する際に気をつけることを解説しています。


前回のポイント(住宅を家主に返却する際の注意点)

● 家を家主さん側に返す場合には損害をはっきりさせるために書面を作成する
● 自分が納得しない損害部分についてははっきりとその部分は認めない旨記録に残す
● 家の返却に家主さんが立ち会わず、家主さんの不動産業者しか来ない場合に、家主さん自身があとで追加損害を言ってきた場合には調整に時間がかかる


今回のテーマは、敷金の回収

敷金回収についての法的な手段を解説しています。


佐:なるほど、家を家主さんに返すのも結構大変なんですね。
山:家を家主さんに返したらすぐ帰国する方が多いので、なかなか家を返却する際のトラブルが共有されません。またご帰国されて全く別の部署にご配属になると、なおのこと連絡が取りにくくなります。
佐:そうですね、できれば帰国した人にその際に何か問題になったかどうかを聞いておいたほうがよいですね。
山:もしできればご帰国後、業務で何かその方に連絡を取る際に、確認しておいていただくとよいかもしれません。これまでいろいろな注意点をご説明してきたのは、この家を返却する際にできる限りスムーズにできるように、という視点からご説明しておりますので、よろしくお願いいたします。


佐:よく分かりました。ところで家を返却した後、敷金はいつ頃返してもらえるものでしょうか?
山:契約書には鍵を返却してから2週間以内、と記載されているのが通例です。
しかし実際には鍵を返却してからいろいろ不具合があり、それらを修繕するための見積りを取って、さらにその見積りについてテナントさん(借主)の了解を得てからでないと敷金の返還ができません。
もしその家主の見積りに納得がいかないことがあれば、さらにそこで交渉があり、それから敷金の返還となりますので、通例2週間ではなかなか返還されないのが実態です。


佐:なるほど、私の場合には会社が敷金を払ってくれていますが、もし個人で支払っている場合は大変ですね。
山:おっしゃる通りです。また支払いの段になると「郵送した」とか「振込をした」とかいろいろ言い訳を言う方が多いので、できれば敷金の返還の用意ができたら誰かに受取に行かせたほうがより確実だと思います。


佐:もし家主がなかなか返還してこなければどうすればよいのでしょうか?
山:ときどきある話ですが、その際には少額訴訟の手続をお勧めしております。
佐:それはどのようなものでしょうか?
山:これは敷金が返却されるべきタイミングから1年以内に、少額訴訟裁判所(small claim court)に申し立てを行い、先方を裁判所に呼び出してもらって、裁判所に調停を依頼する方法です。次回は少額訴訟手続についてです。


今回のポイントは4つ!

ポイント1:● もし機会があれば既に帰国した人に家を返却する際のトラブルの確認をしてみる

ポイント2:● 敷金は契約書上、家を返却してから2週間以内に返還することになっているが、修理費用等の額を巡って交渉になることが多く、実際にはそれ以降の返還となる

ポイント3● 返還金額が確定したらなるべく小切手を直接取りにいくようにする

ポイント4● 敷金がなかなか返還されない場合には少額訴訟手続が有効




教えてくれたのはこんな人

高野 徹
TOKIO PROPERTY SERVICES PTE LTD/TRE 21 PTE LTD
82年東急不動産入社。93年からシンガポール駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。
お問い合わせは、takano@tokio.com.sg もしくは takano@pacific.net.sg まで