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【佐藤さんの住宅探し】
~中途解約②~

住宅を家主に返却する際の注意点

不動産仲介業者の山田さんが、コンドミニアムを見学している佐藤さんに、シンガポールで住宅を探す際、退去する際に気をつけることを解説しています。


前回のポイント(中途解約①)

● ディプロマティッククローズは通常家族の帰国には適用されない
● 家族にも適用させたい場合はその旨きちんと契約書に記載する
● 更新の際に将来受験などで家族人数が変更される可能性がある場合には、2年更新ではなく1年更新とする



今回のテーマも中途解約

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佐:そうするとディプロマティッククローズはあくまでも転勤の場合のみに適用されるのですね。
山:レターオブインテントにはあくまでも〈ディプロマティッククローズ〉としてしか記載されていないことが多いので、誤解している人が多いようですが、この条項はあくまでも転勤等で自己の意思にかかわらずシンガポールを退去せざるを得ない場合にのみ適用されるものです。
日本のようにいつでも中途で解約できるわけではないことを理解しておくことが必要です。


佐:なるほど、それでは例えばシンガポールで転職した場合はどうなのでしょうか?
山:その契約が会社名義の契約の場合には退職したためにディプロマティッククローズが適用されるのが通例。
しかしエンプロイメントパスがキャンセルになった証拠の提示が必要となります。キャンセルの証拠があり、日本等に出国した記録があれば、より問題になることはありません。


佐:もしシンガポールに居続けて転職する場合はどうなるのでしょうか?
山:基本的には、前の会社で契約されている場合にはエンプロイメントパスをキャンセルした証拠を示せば大丈夫です。しかしときどき家主さんによっては出国証明まで求める人がいますので、注意が必要です。


佐:会社契約のケースは理解しましたが、個人契約ではどうなるのでしょうか?
山:個人契約の場合でもディプロマティッククローズはありますが、その場合にはエンプロイメントパスがキャンセルされた証拠とともに、出国した記録が必要になります。


佐:そうすると個人契約のときの方がより家主から証拠を求められるということですね。
山:その通りです。さらに難しいのは永住権を持っている人が個人契約ベースで住宅賃貸借契約を結んだ場合、ディプロマティッククローズの条項が有効かどうかについては疑義があるところです。
佐:なるほど。


山:とにかく絶対にやってはいけないことは、なんらかの事情で転勤等、自己の意思によらずに住宅契約を解約しようとして嘘の転勤証明のレターを作成することです。
最近ではエンプロイメントパスの解約の有無はインターネットで調べることができますので、その嘘はすぐに露見しますので、絶対にやらないほうが良いでしょう。
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今回のポイント

ポイント1:
● シンガポールでの住宅賃貸借契約は基本的に日本のようにいつでも解約できるわけではない

ポイント2:
● 中途解約が認められるのはあくまでも社員が転勤した場合に限定され、家族の帰国は含まれない

ポイント3:
● ディプロマティッククローズを利用する場合、エンプロイメントパスのキャンセル及び出国証明まで求められることがある

ポイント4:
● 個人契約の場合には転職でも住宅契約がキャンセルできないこともある





教えてくれたのはこんな人

高野 徹
TOKIO PROPERTY SERVICES PTE LTD/TRE 21 PTE LTD

82年東急不動産入社。93年からシンガポール駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。
お問い合わせは、takano@tokio.com.sg もしくは takano@pacific.net.sg まで
www.tokioproperty.com.sg