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【佐藤さんの住宅探し】
~トラブル対応-電源①~

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前回のポイント(退去手続⑤)

● 敷金回収等の問題を法廷で争うとしても回収すべき金額より訴訟費用が高くつくためあまり意味はない
● ただ、そのポーズを示すことで先方から妥協を引き出すこともある
● 決着したら実際の回収は必ず家主側に会って小切手や現金で受け取るようにする
● 郵送、送金の手続は回収に時間がかかるだけである




今回のテーマはトラブル対応-電源編

今回は、シンガポールでよく起こる電源が落ちるケースについて佐藤さんが不動産業者の山田さんに聞きます。


佐:私の知人でよく分電盤の電源が落ちると言う人がいます。
山:シンガポールの場合、日本と異なり電圧が220v~240vと高く、さまざまな電化製品が輸入されて使われているために、結構電源が落ちるケースは多く見受けられます。


佐:どのようなことが原因で起こるのでしょうか?
山:よく起こるのは、微細な霧のような水滴が電化製品の電源部分に付着している場合です。とくにオーブンは長期間使用しないでいるとまずスイッチを入れただけで電源が落ちます。また、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、電気温水器など湿気がありそうな部分の電化製品が原因で電源が落ちることもよくあります。


佐:日本ですと電源が落ちると分電盤のそのスイッチのところだけが落ちて他は落ちないのですが、シンガポールの場合はよく大元のスイッチが落ちてキッチン全部の電源が使えなくなってしまいますが、そのような場合の対応策はありますか?
山:まず分電盤の全部の小さいスイッチを切ってから大元の電源スイッチを入れれば基本的に問題なく入るはずです。それから小さいスイッチを1つずつ入れていきます。そうするとどこかのスイッチのところで大元のスイッチが落ちるので、その小さなスイッチの部分に繋がっているところが原因ということになります。


佐:どのようにしてそのスイッチが繋がっているところを見つけるのですか?
山:通常、分電盤には電源図が扉の後ろに挟まっており、その図面の番号と小さなスイッチの番号を照合すると、それがどこの部分のものであるかが分かります。


佐:もしそれが洗濯機だとすると、洗濯機が故障しているということになるのでしょうか?
山:そうですね、故障もそうですが、先程言いましたように、微細な霧のような水滴が原因ということもあり、それは故障と言うほどのことでは ありません。また、洗濯機を使っていなくても電源が落ちることがありますので、洗濯機や乾燥機のコンセントを完全にソケットから抜いて確認する必要があります。


佐:壁のソケットのスイッチがオフになっていても抜く必要はありますか?
山:洗濯機や乾燥機など、問題となる電化製品の電源がソケットに繋がっているだけで、わずかな通電が起きているため電源が飛ぶことがあ ります。なので確認するときには必ず全ての電化製品の電源を壁のソケットから抜いて確認してください。




今回のポイント

ポイント1

● シンガポールではよく分電盤のスイッチが落ちる

ポイント2

● 落ちた場合、小さな分電盤のスイッチを全て切ってから、大元の電源を入れ、1つずつ小さなスイッチを入れて問題箇所を発見する

ポイント3

● 問題となっている電化製品を発見するために、問題箇所にある電化製品の電源を全てコンセントから抜く(壁のスイッチをオフにしてもダメ)




教えてくれたのはこんな人

高野 徹
TOKIO PROPERTY SERVICES PTE LTD/TRE 21 PTE LTD

82年東急不動産入社。93年からシンガポール駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。
お問い合わせは、takano@tokio.com.sgまで
www.tokioproperty.com.sg



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