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【佐藤さんの住宅探し】
エアコンの定期点検①

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前回のポイント(カビへの対応 ②)

● 埋め込み型エアコンの結露はこまめにモップなどで取り除く

● エアコンの除湿機能は使わずに、通常の冷房機能で温度設定は24度とする

● 浴室の換気のため、窓を全開にして湿気をきちんと取り除く

● 窓がない場合には換気扇がきちんとあるかどうか、ある場合には機能しているかどうかを確認する

● それでも湿気が気になる場合には除湿器を併用する

● カビができてしまった場合には基本的には入居者の責任

● カビができた場合の塗装のやり直しは防カビ塗装で行う




エアコンの定期点検

今回は、エアコンのメンテナンスについて不動産業者の山田さんが佐藤さんに説明します。


佐:前回、カビへの対応としてエアコンの利用がありましたが、エアコンの定期点検について注意すべき点にはどのようなことがあるのでしょうか?


山:この定期点検を家主が行うのが普通だとお考えの方が結構いらっしゃいますが、他の条件と同じように交渉の1つの条件になります。


佐:ということはテナント(入居者)が行わなくてはならないこともあるのでしょうか?


山:賃料や他の条件と一緒に交渉した結果、テナントが行わなくてはならないこともあります。


佐:その場合には家主さんの指定業者を使わなくてはならないですか?


山:そうですね、そのような場合もありますが、テナント側で希望する日系のエアコンメンテナンス会社を利用しても問題はありません。ただ、通常はやはり家主側にこのメンテナンスの責任を負わせた方がよいので、他の条件よりこの部分に注意した方がよいでしょう。


佐:それはどうしてでしょうか?


山:テナントがメンテナンスを行ってもよいのですが、入居期間中や家主にその家を返すときなどに、エアコンメンテナンスの状況が悪いことを理由に高額な化学洗浄や修理費用の負担をテナント側に押しつけてくる家主さんが時々います。


佐:なるほど、そうすると他の条件を多少諦めてもエアコンメンテの義務は家主さんにしておいた方がよい、ということですね。


山:はい、エアコンの化学洗浄は1台当たり$200しますので、結構高額です。また、最近は二酸化炭素問題でエアコンのガスも結構しますので、家主さんにメンテナンスの義務をお願いした方がよいでしょう。


佐:前にご説明いただいたのですが、小修繕で$150~200までの修理費用はテナント負担になるということでしたが、エアコンの修理も自然に壊れたものでも支払わなくてはならないのでしょうか?


山:そうですね、そこが問題になる可能性がありますし、化学洗浄もメンテナンスの一部か修理に該当するのかも議論の分かれるところです。なので、テナントがメンテナンスをする場合でも、家主さんがメンテナンスをする場合でも、エアコンの修理費用、ガスの補充、化学洗浄については全額家主さんの負担(小修繕条項の適用除外事項)と契約書に明記する必要があります。




今回のポイント

ポイント1

● エアコンのメンテナンスは必ずしも家主負担ということではない

ポイント2

● 賃料や他の条件の1つとしてテナントが負担しなくてはならないこともある

ポイント3

● その場合でも重要な条件の1つとして、他の条件を諦めてもエアコンメンテナンスは家主さんの負担としておいた方がよい

ポイント4

● 小修繕条項との関係でエアコンの修理、ガス補充、化学洗浄の費用については全額家主さんの負担としておいた方がよい(ただし、テナントにエアコンの利用等に過失がある場合は除く)





教えてくれたのはこんな人

高野 徹
82年東急不動産入社。93年から駐在、不動産仲介、エアコン保守を手がける。
01年東急不動産より会社譲渡を受ける。
また現在、野村不動産から資本を50%受け入れ野村不動産グループに。
その他、日本のリログループ、リログループの100%出資の米国リダック社とも業務提携(日本、米国、ヨーロッパ不動産賃貸)。宅地建物取引主任者、シンガポール不動産仲介業有資格。

お問い合わせは、takano@tokio.com.sgまで
www.tokioproperty.com.sg



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