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【小さなキヅキのススメ】
 「ハングリーゴースト」って何?

今日のキヅキ

 「ハングリーゴースト」って何?

今、シンガポールは「ゴーストマンス」(旧暦7月、2020年は8月19日~9月16日)真っ最中。
これは中華系の道教の慣習ですが、この月には「地獄の門」が開き、「ハングリーゴースト」(身寄りのない霊や悪事を働いた霊)が地上に降り立ち、私たちに悪さをしようとしていると考えられています。


その霊を鎮めるために、ローカルのホーカーやHDBの外に大きなドラム缶が設置され、紙でできたお金や車などを燃やして天に届けます。その周りで特大お線香を焚き、中華蒸しパンやフルーツをお供えするのですが、そんな光景を見かけたことはありませんか? この期間、中華系シンガポーリアンはおとなしく過ごし、そして中秋節が始まると月餅を携え、親戚や友人を訪ねてまわります。


さて、このハングリーゴーストとは一体何者なのでしょう? 人間は、肉体が朽ちてもその魂は生きています。ふと亡くなったお祖母様やご両親、お友達の気配を感じたことがありませんか? 霊媒を通じて亡くなった方からのメッセージを受け取ることも可能です。彼らの魂は別の世界から私たちを見守ってくれているのです。


人間は単なる物質的な肉体だけの存在ではなく、思考もあれば感情もある複雑な存在です。肉体が機能しなくなると、霊体は肉体に戻れなくなり、やがてスピリットワールド(霊界)へと旅立ちます。これが肉体の死です。普通の人の魂は、そこで懐かしい人と再会したり、自分の生前の人生を振り返ったり反省したりして、次の地上への転生を待つと言われています。


では、「普通」でない人はどうなるのでしょう? 例えば、この「ハングリーゴースト」達を見てみましょう。彼らは罪人だったり、不慮の事故で亡くなったり、身寄りがなかったりする人の霊と言われています。日本の概念に当てはめると、浮遊霊、地縛霊などといった波動の低い魂で、自分の行くべき光の世界を知らない存在、またはそこに行けない存在です。罪を犯した者は、スピリットワールドの最下層の暗闇の中に行かなければなりません。そこから地上にやってきて、生きている人にちょっか いを出す機会を虎視眈々と狙っています。


そんな「ハングリーゴースト」達が、毎年旧暦7月の1か月間、霊界の「地獄の門」から地上にやってくるというのですから、さあ大変です。ハングリーゴーストからの影響を受けないために、シンガポールでやってはいけないことがあります。夜に出歩かない、不動産取引など大きな買い物をしない、結婚や婚約は延期、水のそばに近寄らない、ドアを開けっぱなしにしない、街中でフェスティバルを見かけた場合は舞台の最前列は「ハングリーゴースト」様用の席なので、絶対に座ってはいけない等。私たち日本人も、郷に入ったら郷に従え、です。




● まとめ ●

シンガポールの風習に倣い、ゴーストマンスの1か月はぜひおとなしく過ごしてみましょう。ハングリーゴースト達が本当に存在するのであれば、彼らが早く成仏し、光の世界へと旅立ってくれることを願います。




教えてくれたのはこんな人

佐野 仁美
「LA VITA」代表。バッチ財団登録プラクティショナー・ティーチャー、シンガポール登録心理カウンセラー、スピリチュアリストなどとして活躍。
大手金融機関で25年に及ぶ会社員生活を経て、心理学や哲学などさまざまな学問を学び、心の癒しのお仕事へ。

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