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日本メディカルケアの佐藤先生に聞きました!新型コロナウイルスやインフルエンザに関するQ&A

日本メディカルケアの佐藤先生に聞きました!
新型コロナウイルスやインフルエンザに関するQ&A

シンガポールでは新型コロナウイルスのワクチン接種完了者が85%を超え、規制緩和に向けて新たな段階へと進んでいます。 しかし、無症状・軽症の感染者がなかなか減らない状況が続いているのも現実です。このような状況のなか、日本への移動にはどのような点に気を付けるとよいのか、日本メディカルケアの佐藤先生に教えていただきました。
※2021年11月20日時点での情報に基づくQ&Aです



日本メディカルケア 家庭医
佐藤健一 先生

日本メディカルケア家庭医。日本・シンガポールで家庭医として豊富な経験を持ち、小児から大人まで幅広い年齢の方々のさまざまな疾患の診察を行う。乳幼児健診、子育てへのアドバイス等にも定評がある。
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Q1.無症状・軽症のコロナウイルス感染者が増えると、帰国にどのような影響がありますか?

現在、シンガポールの新型コロナウイルス感染者の98.7%が無症状・軽症となっています。このことから言えるのは、ご自身も症状がないだけで感染している可能性、感染して治りかけている可能性も十分考えられるということです。そのような場合、渡航前のPCR検査だったはずが思いがけず陽性になる可能性も出てきます。渡航前のPCR検査の結果が陽性のときは出国できず、ワクチン接種者は10日間、未接種者は14日間の自宅隔離が必要となります。ただ、そこで終わらず、感染力がなくなってもウイルスの断片によって結果が陽性となることもあるため、すぐに相談されることをおすすめします。




Q2.受験で帰国を検討していますが、気を付けることはありますか?

本人が新型コロナウイルスにかからないこともそうですが、同行者も十分に気を付ける必要があります。家族内で感染者が出た場合、同居人にHRW(Health Risk Warning)が届き、MOHが指示する期間は出国できない可能性も出てきます。同行者が感染者だった場合は、上記Q1のように想定以上の待機が必要になり、帰国のスケジュールが大きく狂ってしまう可能性があります。ですので、ご家族の方も十分気をつける必要があります。


Q3.子どもと帰国する際、どのような点に気をつけるとよいでしょうか?

日本入国時のPCR検査の結果が出るまで長時間待つ必要があり、小児の場合は確実に飽きてしまいます。ですので、おもちゃ、着替え、おむつなどは多めに持参するとよいでしょう。
また、渡航前のPCR検査が陰性であれば多少の風邪症状があっても移動は可能です。しかし鼻水・鼻づまりがあると気圧の変化によって耳が痛くなる「航空性中耳炎」になる可能性が高くなります。症状を軽減するための対処方法はありますので、渡航前にPCR検査を受けるとき、もしくはその前から医師に相談することをお勧めします。




ポイント.移動スケジュールが決まったら佐藤先生に相談しましょう!

日本メディカルケアでは渡航前のPCR検査(出発前検査)に対応中。フライトが決まったら、いつPCR検査を受けるべきか等、なるべく早めにご相談ください。他国で接種したワクチン記録の登録も行っているので、日本からもメールや電話で問い合わせを。
● PCR検査は時間の制約があり、フライトに合ったタイミングで受ける必要がある
● 外出できないSHNに備えて持参する薬などの相談をしておく
● 子どものPCR検査についてなどの質問も可能
● 日本でのワクチン接種証明書(日本語)を日本メディカルケアに持っていくと、採血をして抗体が陽性であればシンガポールのNIR登録を実施




Q4.授乳中に帰国する場合、どのようなリスクがありますか?

赤ちゃんは周りの環境の変化に敏感です。周りが明るい・騒がしいなどがあると集中して哺乳できないことが起こり得ます。また、お母さんも好きなタイミングで授乳することができなかったり、移動の疲れやストレスも加わることで「乳汁うっ滞」や「乳腺炎」になるリスクが高くなりますし、実際に母乳が出なくなってしまったという話を聞くこともよくあります。更にSHN中は外出ができず、受診もできないのでその間にトラブルがあったときは自分で対処する必要が出てきます。

当クリニックでは、母乳ケア・指導の経験豊富な日本人助産師が胸の状態を確認し、医師とともに移動に向けてのアドバイスを行いますので、電話で相談をしたり、診察を受けて不安を解消されるとよいかと思います。日本からの問い合わせもメールや電話にて受け付けています。




Q5.新型コロナウイルスワクチンのブースターは打った方がよいのでしょうか?

ブースターが始まったのがつい最近なので十分なデータはまだ揃っていないのですが、メーカーによると発症を防ぐ効果は95.6%といわれています。流行の型が変わるとこの効果は変化すると思いますが、シンガポール内での調査では2回接種の方に比べ、ブースターを打った方は感染を70%減少させ、重篤な感染を90%減少させるという結果が出ています。あくまでも任意での接種ですが、ぜひとも接種することを検討なさってください。また、MOMからPfizer社のワクチンを2回接種した後は、Modarnaをうった方が感染予防効果が高くなるという報告も出ています。佐藤先生もブースターを接種☟




Q6.ワクチンを打っていない12歳以下の小児の感染状況について教えてください。

最近、幼児が新型コロナウイルスに感染してICUに入院するという動きが出ています。MOHの発表によると8,000人以上の小児感染例の中で4名ほど重症化した例があるようです。特徴としては感染直後ではなく一度回復した後に発症していること、複数の臓器での炎症が発生する状態になることなどが挙げられ、小児向けのICUに入院となっている方もおられます。一時は、小児は重症化しないとみられていましたが、感染例が増えるにつれて状況は変わってきていると思われます。小児はワクチン接種ができない状態ですが、5歳~11歳への接種も検討されています。ですが、できるだけ多くの大人がワクチン接種を行って守ってあげるようにしましょう。


Q7.インフルエンザの予防接種は必要でしょうか?

昨年はマスクと手洗いの効果、外出機会の減少、海外移動の減少により世界的にインフルエンザの流行は起こりませんでした。しかし、今年は外出の機会が増え、海外を含めた移動もかなり多くなります。昨年流行しなかった分、インフルエンザへの免疫が十分でない可能性もありますので、ぜひとも接種することをお勧めします。9歳未満の未接種者は最低4週間あけて2回、昨シーズンまでに2回の接種を完了した9歳未満の方や9歳以上の方は1回の接種となります。渡航前のPCR検査と同時に実施することもできますので、予約の際にご相談ください。





\2022年2月末開催予定/

合同ウェビナー 日本メディカルケア×Parti
「シンガポールで注意すべき病気や怪我」
※詳細はPartiのWEBやSNSで告知します

11月3日に行われた合同ウェビナー「 年末年始の移動に向けて準備をしましょう」では、約70名の方にご参加いただき、大盛況のうちに終了しました!Q&Aタイムではチャットより数多くの質問が寄せられ、時間が足りないほどに。次回ウェビナーもぜひご期待ください。

日本メディカルケア



日本メディカルケア

オーチャードのグレニーグルス総合病院内3階。家庭医の佐藤先生、産婦人科医の鍋島先生ともに在星歴が長く、経験豊富。産前・産後の ケアを担当する助産師の祝迫さんも常駐しています。精密検査や手術が必要な場合も高度医療設備が整う院内の専門医、技師と連携をして スムーズな治療が可能です。


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