#ライフスタイル

時を超える名作から漫画、図鑑まで、好きな本を読んで“考える力”を

紀伊國屋

PARTI編集長が絵本を出版!

PARTI編集長である山内(青木)麻美が、この度、Oyez!Booksより、 『そーっと そっと Goodnight Maya』($19.50)
作:山内麻美 絵:山田さなえ
を出版いたしました!



\手描きのポップが目印!/
紀伊國屋シンガポール店にて販売中です。
☞書店の詳細情報はこちら



著者が双子を夜通し交互にあやしていたときに考えたお話。
ともに2児の育児をするマレーシア在住の画家・山田さなえさんと母の愛情あふれる絵本を制作しました。マレーシアの出版社にて刊行し、さなえさんのWEB(www.sanae-y.com)で絵本の制作秘話などを掲載中です。



本の紹介

そーっと そっと開かれた夢の扉。
待っていたのはマレーの森に暮らす動物たち。
幸せな気持ちで眠りにつける“ネンネの絵本”。日英バイリンガルで綴られ、5歳くらいまで長く楽しめます。出産祝いやお土産にもぴったりです。 そーっとそっと
そーっとそっと



『そーっと そっと Goodnight Maya』の感想をうかがいました!

partiリーダーズ Rieさんより(FB: Rie Tokuzawa

「そーっとそっと」という言葉の中にある、優しさ、思いやり、ふんわり包み込むようなあたたかな愛情。
そんなやさしいリズムが絵本の中に流れていて、読んでいるだけで気持ちがゆったり、おだやかになります。

そして色とりどりの南国の植物や動物の絵が、細部までかわいくてウットリ♪思わず飾りたくなってしまいます!

短いけれどその先の世界が目に浮かぶような文章と挿し絵が、読む人の想像力を豊かにしてくれる、そんな素敵な絵本です!

Good night Maya


partiリーダーズ Erinaさんより(Instagram: erina_yamaga_singapore

本を手にした時のぬくもり、その第一印象の通り読み終えてとても温かな気持ちになりました。

夜眠る前に娘2人とページをめくり、一緒に「そーっと、そっと」と声をひそめて読むあの心地よさ。
なんだかとても幸せでした。

マヤが眠りに落ち夢の世界の扉が開く瞬間の穏やかな空気が、特に好きです。
子供の頃、母にそっと布団をかけてもらったことを思い出して幸せな気持ちになれました。
色鮮やかで優しいタッチの動物は見ていてとても楽しく、1日の終わりに親子で穏やかな気持ちになれる一冊です。

Goodnight Maya




SPECIAL対談!
藤本浩介さん(紀伊國屋シンガポール本店課長)X PARTI編集長 山内麻美

藤本浩介(Fujimoto Kosuke)
紀伊國屋書店シンガポール本店課長・日本語書籍部門マーチャンダイザー/マネージャー
新宿本店、台湾支店を経て2020年来星。
小5の男の子の父。

山内(青木)麻美(Yamauchi Asami)
PARTI編集長
編集プロダクション勤務を経て、フリーライターとして活躍。2008年に児童文学『トコトワ』、2011年にカンボジアを舞台にしたノンフィクション『バッタンバンのタッカシー』(ともに未知谷出版)を出版。
小1の双子の母。

kinokuniya


時代を超える絵本が持つチカラ

山内(以下Y):この度は、拙著を販売していただき、ありがとうございます。

藤本(以下F):いえいえ、手描きのポップもご用意いただき感謝いたします。

Y:さっそくですが、藤本さんは子どもたちにどんな本を読んでほしいと思い、本屋さんをなさっていますか?

F:ひとつには10年、20年、読まれ続けている本、つまり時間を超える力がある本ですね。

Y:それはどんな力なんでしょう?

F:難しい質問ですが、いつの時代の人間にとっても大事な、普遍的なことが書かれているんだと思います。

Y:確かに! とくに絵本は長く愛される本が多いですよね。

F:絵本はみなさん定番をよく買うので。それから自分が幼い頃に読んだものを子どもにも読ませたいという方も多いです。

Y:遠い昔に読んだ絵本を大人になっても覚えているということは、それだけ強烈なインパクトがあったということですよね。

F:そうですね。

Y:私は子どもの頃、小6まで毎晩必ず母に絵本を読んでもらったんです。
そのおかげで言葉のリズムが自分の中に根付いた気がしています。
宮沢賢治が使うような擬音語なんかも、母の声で今も心に残っています。

F:話し言葉でもない、書き言葉でもないような種類の言葉があるのが絵本の楽しさですよね。

Y:絵本を読む期間って意外と短いので、大切にしてほしいなと思います。



子どもたちに翻訳本を読んでほしい

Y:藤本さんご自身、子どものときに読んで強く記憶に残っている作品はありますか?

F:児童書ですが、トーベヤンソンの『ムーミン谷の冬』とかですかね。

Y:私もムーミン大好きです!

F:翻訳の日本語って、普通の日本語とちょっと違うじゃないですか。

Y:子どもって敏感だから、翻訳のちょっとしたニュアンスを感じ取って、この国の人はこういう感じ方をするんだとか読みながら学んでいく気がします。

F:そう、翻訳の作品を読むことは、文化というものを知るときにも大事だと思います。
シンガポールに住んでいるのなら尚更、日本の文化の中に閉じているのではなく、国際的に開かれた感覚を得るためにも翻訳本を読んでほしいですね。



空想的なことを考える力を養う

Y:子どもの頃にムーミンのようなファンタジー作品を読むことの大切さってどの辺りにあると感じますか?

F:現実的な物事しか考えられないと、いざというとき辛いですよね。
空想的なことを考える力があれば、困ったときに考え方を変えてみたりできるかもしれない。

Y:ぶっ飛んだ空想小説とかをわくわくしながら読んだ記憶が積み重なると、気持ちの余裕や、想像して自分で考える力みたいなものが培われていくんでしょうね。

F:親がこれは役に立つはずと子どもに与える本はあまり響かないことが多いですよね。
役に立たなくていいんです。
子どもの頃には想像力の選択肢を増やすような作品をたくさん読んでほしいです。



子どもが読みたいものを読ませて

F:私、良本だけを勧める人みたいになっていますが(笑)、漫画も大好きですし、息子もよく読んでます。
漫画も素晴らしい文化! とにかく何でもいいから文字情報を読むことが大事で、子どもが興味を持つものは、こだわらずに読ませてあげればいいと思います。

Y:うちの双子も妖怪図鑑ばかり読んでいます。
それでカタカナを覚えてくれるならいいかなって。

F:今、漫画も読めない子どもも増えていますから。
やっぱり自分が読みたくて読むっていうのがいいですよね。

Y:自分で本棚から抜くという行為がすごく大事。
読み始めるときのモチベーションが違う!

F:絵本、小説、漫画、図鑑、何でもいいのですが、とにかくたくさん読むことで、先程も少し言いましたが、目の前にある現実以外のことを考える力を得ることができると思うんです。
こういう想像力がないと、自分以外の人間のことも想像できないですよね。

Y:想像力を養うことで、生きる上での人間の基盤みたいなものができていくんでしょうね。

F:この本を1冊読めば、考える力がパッと身につくなんてことはあり得ません。
子どもの興味があるものを色々読ませて、その中でヒットするものを探してもらえたらと思います。

Y:その意味では本屋さんには親子で一緒に出かけてほしいですね。

F:はい、お待ちしています!


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